あの後...携帯電話の履歴などを洗いざらいチェックされるのだった。
そうして、1月中旬から共通テストが始まり、大学受験組である真凜ちゃんや、海ちゃんや、清人は受験に打ち込むのであった。
◇2月12日
監督の元、演技指導を受けていると「...流石に気になるよね」と言われる。
「あっ、いや...すみません」
「いやいや、それは仕方ない。まぁ、あの真凜ちゃんのことだから問題ないと思うけどね」
「...はい」
そうして、少し休憩をもらってそわそわしながら携帯を見ていると、真凜ちゃんから電話がかかってくる。
すぐに電話を取ると『受かってたよー』と、いつものテンションで報告をする真凜ちゃん。
「...良かった」
『ふっふっふっ。真凜様を舐めるなよ?』と、電話だけどドヤ顔をしているのが分かるそんな声に思わず安心して涙が溢れる。
真凜ちゃんはこう言っているが毎日ちゃんと勉強していることも、寝言で何度も落ちたということを言っているのを聞いていた俺からすれば、本当に嬉しくて、ほっとしたのだった。
「おめでとう、真凜ちゃん」
『いぇーい!よーし!卒業まで遊びまくるぞー!ってことでお母さんにも連絡するからまたあとでね!あっ、今日は何時くらいに帰れそう?』
「あー...夕方くらいかな?」
『そかそか!それじゃあ美味しいご飯作って待ってるから!』
「いやいや、今日くらいは俺が作るよ」
『じゃー、一緒に作ろっか!』
「うん」
そうして電話を切ると「今日は帰っていいよ」と、監督に言われる。
「...え?でも...」
「俳優に大事なのは心の余裕だ。その余裕が演技の幅を広げてくれる。休める時にゆっくり休め」
「...はい」
そうして、俺は走って家に帰る。
早く真凜ちゃんに会いたい。
あって...抱きしめてあげたい。
人ごみをかき分けながら俺は走り続けた。
家にたどり着くと、中から声がする。
「あはは、真凜はいつも可愛いなぁ」
「まぁね?」
この声は...。
汗だくの中、リビングに行くと相変わらず余裕綽々な様子で座るあの人...。
【哲学者:奏さん】
「いやはや、走って帰ってくるなんて殊勝なことだ」
「...はぁっ、はぁ...真凜ちゃん...おめでとう」
「帰ってきてくれたの?」
「うん。監督が今日はいいよって...」
「そっかそっか!ちなみに海ちゃんとも会ってね、無事合格してたよ!」
「...そっか」
2人とも東大に合格か...。
改めてすごいな。
あとは清人...か。
何も連絡が来ないところから察するに...。
すると、携帯がバイブする。
『やべっ、今起きた』
あいつは相変わらずであった...。
そうして、5分後に無事受かっていたという報告を受けた。
あの清人が大学に合格するとは...見えないところで結構努力していたのがわかる。
「ね、今日はみんな呼んでパーティしよ!」
「あぁ...うん。そうしよっか」
出来れば2人でお祝いしたかったが、真凜ちゃんはやっぱりみんなでワイワイするのが好きなのだろう。
すると、すぐに本庄さんと海ちゃんと清人...だけでなくクラスメイト数名が家に来るのだった。
「何このイケメンの人!」
「あはっ、嬉しいね。まぁ、僕は女の子なんだがね」
「千里が調理専門学校に行くとはねー」
「うちそんなに料理出来なさそうに見える?」
「お、海も無事受かったのか!良かった良かった!」
「あっ、ありがとう...。清人くんも...おめでとう」
「よーし!今日は盛り上がっていこうー!」
「碧はどうなん?監督さんと練習してんの?」
「うん。まぁね」
そうして、ちょっとした会食パーティのような感じでみんなで楽しく飲み食いしていると、本庄さんがこちらを見ながらニヤニヤしている。
「...何?」
「Sサイズなんだw」
「何が?服?」
「いーや!これ!」と、どこから探した出したのか俺の愛用コン◯ームを見せつけてくる本庄さん。
「ちょっ!?//どこからそれ!?//」
「普通にテレビの横にあったよー?やーいやーい!Sサイズー!」と、それを持って部屋中を駆け回る。
「ば、馬鹿!返せ!返せ!」
「嫌だよーん!wドMのくせにSサイズの碧〜www」
「...S...サイズ...なんだ...//」と、顔を赤くする海ちゃん。
「そだよー?碧くんのは可愛いんだよー?」と、当たり前のようにいう真凜ちゃん。
「ちょっ!?//」
そうして、みんな笑い合ってみんなで幸せな時間を送るのだった。