「...せめてパンツは履かせて欲しいんですけど...」
「...あ?スカート履かせてやってるだけ感謝しろよ」
「...ひどい」
「てか、毎晩俺を求めていやらしい声出しまくってるくせにまだ恥じらいとかあったのか?」
「そ、それは言わないでくださいよ...//」
「なに顔赤くしたんだよ。変態が」
「...ご、ごめんなさい//へ、変態でごめんなさい...」
えぇ。何これ。今日一日こんな感じで過ごさないとダメなの?
「...あの...今日は...その...どこに行くんですか?」
「あ?黙ってついてこい」
「は、はい...」
さてと...どうしようかな...。
そのまま、とりあえず公園に向かう。
生ぬるいこと言うとまたあの笛鳴らされるよな...。
ふと、公園を駆け回る数匹の犬が目に入る。
「...おい。あの犬達の中に混ざってこい」
「...え?」
「犬のように四足歩行でわんわん言いながらな」
「そ、そんなの...で、出来ないです!//」
「ふーん。そっか。それじゃあしょうがないな。そんな駄犬にご褒美はあげられないな」
「わ、分かりました!//や、やります!やりますから...!お、お預けは...しないでください...」
すると、トコトコと歩いて行き、犬たちの中に入り込む真凜ちゃん。
「わ、わぁんっ、わぁ〜ん!!//」と、必死に犬の真似をする。
当然、犬たちは散り散りになり飼い主も顔を引き攣らせながら去って行った。
「...ご、ごめんなさい...混ざれませんでした//」
「...ダメ犬が」
「ご、ご主人様、こ、このダメ犬に罰を...!罰を与えてください!」
「いやもう勘弁して!!」
「ピピー!!!」と、またしても即座に笛を吹かれる。
「何してるの!ちゃんと成り切ってよ!」
「いや、真凜ちゃん正気!?こんなところ誰かに見られたら終わりだよ!マジで!」
「大丈夫!私たちはそういう関係だって説明すれば納得してくれるよ!」
「それは余計に事態をややこしくしてるんだが!!」
すると、後ろから声をかけれる。
「...碧くん...真凜ちゃん...?」
「...何してんだ...2人とも...」
振り返るとそこに居たのは海ちゃんと清人だった。
「...あっ」
最悪の2人に最悪なシーンを目撃されるのだった。
◇喫茶店
4人で席に座り先ほどの出来事について問い詰められる。
「...それで何してたんだ?」
「えっと...その...」
「あ、碧くんに命令されて...//」
「ちょっと!!」
「...あ、碧くんと付き合ってたら...あ、あんなこと...させられてたの...かな...」と、右下を見つめながら屍人の目をする海ちゃん。
「っていうのは冗談でー。ちょっと劇の練習をしようと思ってて!」
「「「劇?」」」
「ほら、前に話したよね!学祭で劇をやるって話。そのために碧くんには昔の感覚を思い出してもらおうと役に入り込む練習をしてたの!あと、人前でも堂々とできるように笛吹いたり!」
なるほど。そういうことか...。
だとしても...やり方があるだろ。
「あとは単純に私の趣味だね!私、めちゃくちゃドMだから!ぶっちゃすごく興奮してました!」
「「「...」」」
「うわっ!w引かれちゃったw」と、ケタケタと笑っている。
「それは置いといてー。学祭はそろそろ考えないとだよなー」
「学祭より先に清人は受験勉強だろ?」
「...」と、目線を逸らす。
ぜってーやってねーなこれ。
「てか、2人は何してたの?」
「いや、たまたま買い物してたら遭遇したんよ。んで、そのまま遊んでた感じ。そしたら...公園で知ってる人を見かけて...」
「なるほどね!ちなみに清人くんはちゃんと勉強してるの?」
「...う、うん」
やっぱりやってねーな。これ。
「海ちゃんはやってるよね?」
「う、うん...。ちゃんとやってる...」
「私もやってるし、碧くんもやってるんだけど...大丈夫?」
「いや、本当は大丈夫じゃない!やばいっす!」
「それなら海ちゃんに見てもらえばいいんじゃない!」
「え?...私?」
「そう!教えるの上手いし!」
「...私でよければ」
「よし!それじゃあ受験の方は解決!学祭の話に戻ろうか!」
「...劇って別に俺たちと本庄さんでしか話し合ってないし、決まりではないだろ?」
「いやいや、私がやりたいって言ったらいくらでも丸めこめるから!」と、独裁者的なセリフをかっこよく言い放つ。
「...」
「い、一応...お父さんに頼んで...台本は用意してもらったよ...?」
そういや、前にそんな話をしてたっけか。
主人公...か。今の俺に務まる役なのだろうか...。
そうして、話はどんどん進むのだった。