「おい!起きろ!碧!起きないと...」と言われて目を覚ます。
すると、気持ち悪いキス顔で近づいてきた。
「うおっ!?気持ち悪っ!!」と、飛び上がる。
「おいおい、失礼だなー。親友ならキスぐらいできるだろ?」
「...ないない」
そうして、笑い合いながら部屋を出ると、同じタイミングで出てきた真凜ちゃんと目が合う。
「んでさー、この
「あっ、天使様!」と、そのまま真凜ちゃんの元に走り、「色々と心配と迷惑をかけました!」と深々と頭を下げる。
「いやいや!大丈夫、大丈夫!」
「この通り仲直りしましたので!」と、俺の肩を掴む。
「そっか!...良かった!」と、少し涙ぐむ真凜ちゃん。
そうして、朝食を3人で仲良く食べていつもの日常に戻るのだった。
◇
「はーん。そういうことだったんか。まさかそんな時から真凜ちゃんと関わりがあったんか」
「...俺は全く覚えてなかったけどな」
「あの時は色々あったからしゃーないわな」
「まぁ...そうだけど。あんなに可愛い女の子普通忘れるか?」
「...確かに。そんだけ参ってたってことだろーよ」
新幹線で揺られながら清人とそんな話をする。
すると、またしてもあの男が現れる。
「やぁ、やぁ!奇遇だね!天使様と旦那さん!」と、昨日の面倒なやつ佐渡であった。
「おっ、
「誰かと思えば清人じゃないか」
「...この人と顔見知りなの?」と、清人に耳打ちする。
「おう。何回か遊んだこともあるぜ」
「まさか清人とも友達だったとはね。運命を感じるよ!是非、僕とも友達になって欲しいな!」と、手を差し出される。
「...ノーサンキュー。あなたとは馬が合わなそうなので」
「あらあら!女の子に振られたことがない僕が男のことに振られるとかがくるなんて!」
「...うっとしいっすね」
「まぁ、また来るよ!それじゃあ」と、去っていく。
「...なんなんだよ、あいつ」
「佐渡総一。イケメンで金持ちのよくいる坊ちゃんだ。ちなみに頭は相当悪いらしい」
「...変なやつ」
そうして、新幹線は札幌に到着するのだった。
◇
「おお!ここが札幌か!人だらけだなー!ふむふむ。なんか工事してんな」
「2030年に函館から札幌までの新幹線が通るとかそんなんじゃなかったか?」
「ふえー。詳しいな」
「一般常識の範囲だっての」
「あっ、それ私が教えた情報だけどね!」と、真凜ちゃんが割り込んでくる。
「...」
「...うわー、碧。他人からの情報を我が物顔で出すのはダセーよ」
「...うっせ」
「今日は班行動の日だからね!みんな私についてくるように!」
「おー!」「「...おー」」
2日目の予定としてはホテルに荷物を預けたのちに班ごととに決まったルートを歩くというものだった。
ちなみに昼ごはんは各班ごとに取ることになっていた。
「札幌といえば!時計塔だよね...って!やっぱしょぼ!何度見てもしょぼ!」
「...真凜ちゃん。あまり人いるから静かにしようね」
「しょぼっ!めっちゃしょぼ!」
「...うっさい、清人」
「しょ...ぼ!!//」
「海ちゃん...無理して合わせなくていいよ」
騒ぐ真凜ちゃんと清人となぜかそれを真似する海ちゃんを何とか止める俺。
「うわ、何あの美少女」「可愛い...」
「連絡先聞いてこいよ」「お前がいけよ!」
どこに行っても目立っちゃうよな...。
どうやら真凜ちゃんもその視線に気づいたらしく、「ダーリン!」と俺に抱きついてくる。
「何?マイハニーって言って!」
「...何?マイハニー」
「いやん!だーりんだいしゅきー!」と、右腕に抱きつく真凜ちゃんと、「い、いゃん...だ、ダーリン...」と左腕に対抗する海ちゃん。
「え、なんであんな男が美少女を二股してんの?」「きもっ」
不用意に煽られる行動はやめてくれ。
「モテモテで羨ましいなぁ...」
「...普通に結構力強く引っ張られてるから痛いよ」
「ばっか!それぐらいは当然の報いだ!」
「...すみません」
そうして、事前にリサーチしていたラーメン屋に行き、30分ほど並んでみんなで食べる。
「...うまうまっ!!味噌ラーメンうま!」
「これは美味いな」
「これが北海道のラーメンか!海鮮もいいけど...最高すぎる!俺就職したら北海道にくるわ!」
「...美味しい」
そのまま、その後は市長のありがたい言葉をいただいたり、ノースサファリという動物たちと間近に迫れて、ピラニアの海とかいう超危ないところに入ったりと、修学旅行らしく楽しむのであった。
「いやー超疲れたな!」
「だな。マジでクタクタだぜ」
「こっちきてからちょっとも勉強してないけど大丈夫かな?」
「まー問題ないっしょ。なんとかなる。てか、毎日勉強してたん?」
「できる日は可能な限りな。真凜ちゃんと同じ大学行きたいし」
「...東大か。壁は厚いな。現在の予想合格率は?」
「20...%あればいい方だな。一応1番簡単な学部でもいいと思ってるから」
「20%かー。辛いな」
「まぁ、甘めに見た目もってもそのくらいだからな。基本的に無理だとは思ってるよ」
「無理だったらどうするん?浪人?」
「いーや、普通に別の大学行くかなー。まぁー、無理なら無理でオッケーって感じで」
「そかそか。行けるといいな」
「おう。明日は函館か」
「だな」
そうして、灯を消して眠りにつくのだった。