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背中合わせのわたしたち
風月那夜
恋愛現代恋愛
2024年09月04日
公開日
181,565文字
完結
『受け身のなかに幸せはない』
何もせず幸せを望んでいませんか。あなたが少し動くだけでその先にたくさんの幸せが溢れているとも気付かずこのまま何もせず過ごしていくの?

姉の直子は運動も勉強もそこそこ出来て、仕事に生きてきた。やっぱり子どもは産みたいと思うけど恋人はいない。このまま子宮を使わずに死んじゃうのかな?

妹の真樹は姉と比べ出来の悪い子として育ち、お見合い結婚を経て3人の子どもの育児に励んでいる。だけど旦那の様子が少しおかしい?もしかして浮気?

序章

 アラフォーの私たちは、ただそれが欲しいだけ。


 不倫も浮気も求めていない。

 だけど、どうしてもそれは手に入らない。


 ……なんて言うのは言い訳だと気付くのはまだまだ先のこと。


 手を伸ばせば届くかもしれない、現実に抗えば変える事が出来るかもしれない、そんな風に思える自分にならなければ、今ある小さな幸せさえも見逃してしまうのだろう。


 いつまでも受け身のまま不幸せに浸る暇があるのなら幸せを掴みに一歩踏み出せばいい。




 高齢出産とされる年齢は35歳以上。



 女として生まれたからにはこんな私でも一度や二度くらい子どもを産むことを考えたことがある。


 30歳を過ぎてからは仕事に忙殺され結婚相手には巡り会えなかった。いや、今思えばそれも言い訳かもしれない。仕事を理由に見ないふりをしたのは私なのだから。


 35歳の時、自分の年齢が高齢出産に当てはまると知ってから、私は子どもを産むことを諦めた。いや、それもただの言い訳だ。現実から目をそらしたかったのは私自身なのだから。


 産みたい、産みたくない、産めない、産まない……、様々な理由の中、年を重ねる毎に「産めない」の幅が広くなり、「産みたい」の幅が狭くなる。と同時に出産のリスクが高まっていく。


 世の中には望んでいても授からない夫婦もいるというのに……。



 そうして私、久保田直子くぼたなおこは40歳になっていた。




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