――――眠れ

　――――――――眠れ

　愛しき者よ。

　どうか、私の奏でるこの歌が。

　貴方の魂に癒しを与え。

　苦しみと、苛みから解き放たれて。

　永劫の安らぎへと導き給うことを願い――。

　どうか、どうか眠りたまえ――。

　――――あぁ、どうか

　――――――どうか、神様よ

　この哀れな者に。

　栄光と祝福を与えてください。

　呪われた鎖に囚われし、此の者に。

　どうか、どうか。

　その手を、差し伸べ導いて。

　安らかな眠りを授けてください――。

　――――救いたかった

　――――――救えなかった

　私は、あの者を導けなかった。

　愛しき、愛しき彼の者よ。

　どうか、私をお赦しください。

　いまも、囚われ続ける貴方の姿に。

　私の心は酷く狂わされ。

　あぁ、どうか。

　神様よ。

　この贖罪を以ってして。

　彼の者を、どうか。どうかお救い給え――。

　…………眠れ

　……………………眠れ

　苦しむ者よ。

　どうか、どうか眠りたまえ。

　顔を上げればすぐそこに。

　貴方を導く手があるの。

　どうか、どうかその手を取って。

　貴方だけでも救われてください。

　私の、私たちの。

　小さく可憐な愛しき者よ。

　あの時、貴方だけを置いていってしまったことを。

　どうか、どうか赦してほしい。

　この世の全てが、貴方を大切に想ってくださっているから。

　どうか、どうか。

　その手をお取りください――。

　…………あぁ

　……………………あぁ

　愛しき、愛しき我が娘よ。

　どうか、どうか。

　光ある道へと歩んでください。

　その魂をどうか。

　楽園へと誘われてください。

　そして。

　どうか、どうか安らかに。

　安らかに、お眠りください――。

　――――眠れ

　――――――眠れ

　愛しき愛しき、愛娘。

　我らが寵愛の、青薔薇の眠り姫よ。

　どうか、どうか眠りたまえ――。