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波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
七瀬 みお
異世界恋愛ロマファン
2024年09月03日
公開日
7.8万字
連載中
【不定期更新・原稿モード推奨】
『おとなしく私の妻になってくれれば、私もおまえの望みを叶えてやる。』

強力な癒しの力を持つ聖女ユフィリアは、
《予知夢》によって知らされた悲劇と
愛する夫、王弟陛下を死なせる未来を避けるため
強大な力を持ちながらも《無能なクズ聖女》を演じている。

王族に嫁ぐことは避けられたものの、
今度は《予知夢》で死ぬ運命をたどった夫——
アルハンメルの王弟レオヴァルトが
黒騎士に扮しユフィリアの前に現れた。

互いの繋がりを知らぬなか、ある事情を抱えたレオヴァルトは
ユフィリアに契約婚を持ちかける。

突然始まったいけすかない黒騎士の溺愛モードに戸惑うユフィリア。
どうにか嫌われようと我がままを加速させるが、
なぜだかレオヴァルトの溺愛モードまで加速していって……?!


『自由になった聖女様』アン・ミカエル・ゴーン著(1)



『自由になった聖女様』アン・ミカエル・ゴーン著



 * * *



 星降る国の最果ての地に、優れた聖女様がおりました。

 聖女様は『グラシア』という名の不思議なちからを持っていて、傷ついた者たちに癒しの加護を与えることができました。


 聖女様が暮らす場所は月の光が当たらぬほど背高い岩山に囲まれていて、人間たちが近寄ることはできません。


 太陽が支配する昼間は、太陽の子たちの傷を。

 宵闇が支配する夜間は、闇の子たちの病を。

 聖女様は、命じられるままに治していました。


 太陽と宵闇は、ご褒美として、聖女様に煌めく宝石を与えました。

 聖女様は寂しそうに、まばゆい宝石の山を見つめました。

 聖女様は、その真ん中にぽつんとひとり、座っているのです。


 月の綺麗な夜、東の土地からひとりの旅人がやってきました。

 旅人の男は魔法が使えましたので、岩山を砕き、聖女様が暮らす神殿にやってくると、聖女様に言いました。


「私と一緒に行きませんか。岩山の向こうには、広い世界とあなたを求める多くの人間たちがいます。けれど人間たちは貧しくて、あなたに与えるものを何も持たない。それでも彼らには、あなたが必要なのだ」と。


 聖女様は迷いませんでした。

 なぜなら聖女様は、自由がほしかったのです。


 どんなにまばゆい宝石よりも、

 ただ、自由が──。




 * * *



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