中学生の
ーーさっきの雷すごかったなぁ。すぐ雨が降ってきそう
そう思って、小走りに境内を進むと、犬の像の前に小さな段ボールが置かれているのに気が付いた。
「なんだろう・・・」
いつもの帰り道。そのような段ボールが置かれている事は無かったので、とても気になった。
三保がのぞき込むと
「わあ、犬だぁ」
そこには、小さな白い子犬がこちらを見ていた。
「かわいい!」
子犬は、こちらに近づこうと、尻尾を振りながら前足を動かしたが、そのまま伏せて寝てしまった。
「このままじゃ、雨に濡れちゃう。連れて帰ろう」
三保は子犬を連れて帰った。
急いで家に帰ると、リビングに犬を寝かせインターネットでなにやら調べはじめた。
「子犬 ごはん 手作り・・・」
動物を飼った事のない三保の家にはドッグフードなどなかったので、手作りで犬のごはんを作ることにした。
「キャベツ・・・ブロッコリー・・・さつまいも・・・」
台所にあった食材を集め、子犬のためのごはんを作った。
底の低い皿に、手作りしたごはんをのせ、リビングに戻って子犬の傍にそっとおいた。すると、子犬が目を覚まし、あたりを見渡して、大きなあくびをしたあと、
「ワン!」
かわいい鳴き声が、家中に響き渡った。
「わ~! 鳴いた。 元気そう・・・よかった~」
それを、聞いた母親が2階から降りてきた。
リビングにいた子犬を見て母親は驚いた。
母親が口を開くまえ前に、すかさず三保が言う。
「光前寺の境内に居たの! ねぇ、この子飼ってもいい?」
母親も即答ではなかったが、犬好きだったのが功を奏した。
「・・・・ちゃんと面倒みるのよ」
「うん!」
三保は子犬のモフモフした頭を撫でながら言う
「君の名前は、
三保は満面の笑顔で早太郎を抱き上げた。