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第二十一話 見極め

《ルイ視点》


ハンターを送り出してから6時間経ったが森の中は静まり返っていた

俺がため息をつくと隣にスコットがやって来た

「やはり、裏切りましたかな」

「もしくは殺されてしまったのかもしれないな」


どちらにしても山賊達が動きを見せないのでは算段は崩壊したと言っていいだろう


「追撃が無いか確認のために斥候を向かわせろ」

「承知しました」


そうしてしばらく斥候の帰りを待っていると森の方から騎兵が駆けてきた

「砦に白旗が上がっています!」

「はぁ?もう何から何まで訳がわからないな」

俺がこの状況をどう咀嚼するか悩んでいると続く2人目の斥候が白旗を抱える1人の山賊を連れて来た


「貴様らは降伏すると言うことで間違い無いのか?」

「へ、へぇ。あっしらは降参しやす」

どうにも怪しい。こちらを誘き寄せる作戦かもしれない

そう思って俺は山賊の事をじっと見つめる

当の山賊はと言えばシールズ家の兵士に囲まれてキョロキョロと周囲を見回して兵士と目が合うとびくりと肩を震わせて小さくなっていた


こんな、男に大それたホラはふけないか……。

「よし、砦の山賊達にこう伝えろ。砦を出て、降伏の意を示すのならその降伏を受け入れよう」

そう言って、山賊を砦へ帰した

しばらくした後、今度は先程の山賊を含む5名程の山賊が揃って俺たちの前へやって来た。山賊達はガリガリに痩せていてとてもでは無いが強そうには見えなかった

「全員を連れてこいと言ったろうが!」

俺の怒鳴り声に山賊達は慌てて砦へと戻っていき、今度はハンターを戦闘に15名程の山賊を引き連れて戻って来た。


「おぉ、生きていたか」

スコットはにこやかに笑っているがその目は笑っていなかった


「あぁ、まぁな。ルイ様あの砦の山賊達は既に懐柔しました。ただ、血気盛んな者たちは砦から撃って出てルイ様を挟み撃ちにするつもりで森の中に控えてる」

「そうだったのか…。だが、初めからお前が来ればいいじゃないか」

俺がそう言うとハンターは首を横に振った


「いやいや、俺が初めから出向いたらお前は俺が山賊側に寝返っているかもと要らぬ勘ぐりをしただろうが。こうして降参した山賊達を何度も連れてくるのが重要だったんだ」


全部お見通してわけか。

俺はポリポリと頭をかくとハンターはニヤッとイタズラっ子の様な笑顔を浮かべた。


「よし、褒美は期待してくれ!者ども、策は成った!これより反抗する山賊どもを殲滅するぞ!」

「「おぉ!!」」


「よし、スコット。お前にも手柄を立てて貰うぞ」

「はっ!」

スコットは俺の前に跪く


「兵を150人預ける。砦から出て森に隠れている山賊達を討て。俺は残る100人を率いて砦に入る」

「承知!シールズ家の者はワシに続け!」

そう言ってスコットは馬に飛び乗ってかけていった


俺も父から借りている兵100人を率いて砦へと向かった


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