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白い豆皿


私はさらだ。

白い豆皿である。


私は薬入れとしてダイニングテーブルの上に置かれることになった。

ご主人様は薬を飲み忘れることが多く、ダイニングで仕事するご主人様の目につく場所にと、この配置になった。

薬の包装シートがオレンジ色なので、薬が目立つ白い豆皿の私が選ばれたようだ。


もうすぐ夕方の薬の時間だ。


『そろそろ薬飲む時間だよ!』

『こっち見て!』


気づかないご主人様にやきもきしていたら、私の中にひとくちチョコレートとポテトチップス1枚が置かれた。

息子くんがホワイトデーだからと、食べていたお菓子を分けてくれたようだ。


息子くんのおかげで、ご主人様はお菓子と一緒に薬を飲んでくれた。

たまにはお菓子皿になるのも悪くない。


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母親(ご主人様) 「えっ? ホワイトデーか、ありがとう!」

息子② 「どういたしまして」


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ダイニングテーブルで仕事をしているとき、息子②がホワイトデーのひとくちチョコレートとポテトチップス1枚をくれました。

夕方のニュースでホワイトデーの特集をしていたのか、今日が3月14日だと気づいて何か渡さないと!と思ったようです。

白い豆皿に、薬とひとくちチョコとポテチ1枚がのっている状況が面白くて、しばらく笑ってしまいました。


ダイニングテーブルに白い豆皿を置くようになって、薬の飲み忘れも少なくなりました。

ダイニングテーブルがこげ茶色なので、白い豆皿が目立つのも良いようです。

お皿が頑張ってアピールしてくれているおかげでもあります。


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