「なんだ、ありゃあ……!」
「まさか、
一時的に静止していた
「ふふ、やはりあの女には、君のお姉さんには無理だったようだな、
正座して待っていた
「いえ、逆です」
「なに?」
「あれをご覧ください、似嵐さん」
「……!」
蠢いていた毒虫が、また静止した。
「なにも起こらんではないか。ガキが、ふざけたことを――」
「気づかねえのか、バカ親父?」
「ああ?」
桜の木にもたれかかっていたアクタが、『父親』を制した。
「お前までふざけるのはよせ、ゴミが」
「虎太郎くん、ありがとうな。君のおかげだ」
「僕はなにも。姉さんが、いえ、ウツロさんの力です」
似嵐鏡月など
「無視しおって。いったい、ウツロがなんだと――」
バキッ……
「……!?」
音が聞こえた。
「……な、なんだ……」
バキッ、バキバキ……!
「な、なんだ、この音は……!」
どんどん大きく、激しくなる。
「アクタさん」
「ああ、虎太郎くん。お姉さんが、ウツロが、
バチンッ!
「……ど、どういうことだ……!?」
毒虫の
「この光は、龍子の……!」
「ったく、心配かけやがってよ……」
星川雅と南柾樹が
「な、なんなのだ……いったいこれは、なんなのだ……!?」
似嵐鏡月が黒い
「姉さん……!」
「おせえぜ、ウツロ……!」
森の
(『第73話 説教』へ続く)