第60話 似嵐鏡月と魔王桜
「起動したファントム・デバイス……そこに放り込まれたわしは……気がつけば深い、真っ暗な闇の中にいた……そして一つ、また一つと、鬼火がともり、突如としてあれが……魔王桜がその姿を現した……わしは恐怖よりもむしろ美しい、そう思ったよ……そしてやつは、魔王桜は……その触手のような枝でわしを絡め取り、わしの脳天を貫いた……何かが、わしの中で何かが目覚めたのを感じた……それがこの能力、ブラック・ドッグだ……しかしすぐに、わしはもっと驚くことになる……あの恐るべき、『実験結果』についてだ……」
(『第61話 実験結果』へ続く)