「ドチクショウがあああああっ!」
地面に両手をつき、天を
「なんでだっ!? なんで思いどおりにならないんだっ!? わたしが支配者だぞ!? 帝王はわたしなんだ! なのに、なのにっ! なんでだあああああっ!」
それが満たされなかったときの
もはや自分ではコントロールできない。
だだをこねる子どもと同じように――
この様子に
「ははっ、これは
「うるさいっ、うるさあああああい!」
「ああ、
「言うな、言うなっ! わたしはあいつの、クソババアの人形なんかじゃなあああああい!」
「あはっ、ははっ。クソババアだって!? 雅よ、おまえ本当は、そんなふうに思っていたんだなあ! ああ、最高だ。ざまあみろ、姉貴いっ! あんたは弟も、娘さえも不幸にする、不幸製造機なのだっ! あーはははははあっ!」
腹を
その
これが夢であったらどんなに
あのお
事情はともあれ、少女ひとりをいたぶり、あろうことかそれを楽しんでいる。
子どもだ、まるで――
星川雅と似嵐鏡月。
ウツロとアクタは自分たちが受けた
それほどの
「ああ、はは。いやいや、楽しませてもらった。天にも
「ふう……ふう……」
やっと笑いを落ち着かせた似嵐鏡月に対し、星川雅は
「ああ面白かった。面白かったから、雅――」
「ひとおもいに
ウツロとアクタは
それだけはダメだ。
いくらなんでも、叔父が姪を手にかけるなど、あってはならない。
それだけはなんとしても
「お師匠様っ、おやめください!」
「相手はまだ少女でございます!」
二人は必死に
なんとかして止めなければ――
それだけをただ念じていた。
「うるさいぞおまえら、空気を読め。こいつを
絶望した。
いや、これがお師匠様の「正気」なのか?
これがこの人の本当の
わからない、何もかも。
いったい何を信じればいいんだ?
頭がおかしくなりそうだ。
どうすれば、いったいどうすれば――
ウツロもアクタも
「さあ、おねんねの時間だよ、
そうこうしている
「やめてくださいっ!」
「お師匠様あああっ!」
「死ねい、雅っ!」
「……」
「ああ、なんだと? 聞こえんな」
「……
「な――」
星川雅の髪の毛がしゅるしゅると
「なっ、なんだこれはっ!?」
意思を持ったかのような
星川雅はくつくつと笑いはじめた。
「ウツロ、見せてあげる。これがわたしのアルトラだよ」
(『第47話 ゴーゴン・ヘッド』へ続く)