「ねえねえママ」
「なあにヒロム?」
「ハイ、とりっくおあとりーと!」
「あらハロウィンはまだだけど?」
「えっ、こう言ったらおやつもらえるんじゃないの?」
「合ってるけど違うかな」
「え〜?マコトくんがおやつもらえるじゅもんだって言ってたのに」
「ウフフ…今ママ達で来週の三十一日にオバケの格好をしてお友達の家を回る計画立ててるから、その時言ってごらん。いい事あるわよ♪」
「オバケのカッコすんの?わあ、おもしろそう!」
「何のオバケがいいかしら。
ドラキュラ?
フランケンシュタインかな?
ろくろ首…はやめとこうか」
「オバケといえばさママ、真見センセの怪談おもしろかったね〜!」
「ホントね〜。
あのコは変わってるけど相当頭いいし、鍼のウデも確かで凄いなとは思ってたのよ。でもまさか、怪談を創る才能まであるなんてね!
ぎゃらん堂のシャーロック・ホームズだけじゃなく、ぎゃらん堂のラフカディオ・ハーンでもあるわ〜」
「らふか…なんとかはわかんないけど、シャーロック・ホームズは知ってる!特命係の右京さんといっしょだね」
「アハハ、ホント『相棒』好きねヒロム。
ウチの整骨院は頭脳派の真見ちゃんと肉体派の薫ちゃんセンセが、コンビで肩凝りや腰痛を解決してく相棒よ」
「そっか、ママは『じんざいのはかば』ではたらいてるんだね。すごい!」
「意味分かってないでしょ、あんた…」
「ママは
「ヒマか?なんてね〜」
「アハハハッ……
…でもそっか、じゃあその相棒の二人で解決してくれないかな……」
「え?何の事?」
「うん…学校でね、こわいうわさがあるの」
「噂?」
「うん……初めはただのうわさだったの。
でもね、野球部のシンくんも
「見た?」
「うん」
「何を?」
「うん………
オバケ」
──当初十二月アップを予告してました第四話『オノマトペの経外奇穴』ですが、思いがけず早く作業が進み、間もなくお届けできそうです。クリスマスよりハロウィンの季節に似合う内容でもあるし……
という訳でお楽しみに!