江葉内斗
ミステリー推理・本格
2024年08月31日
公開日
17,876文字
連載中
東京都黄金区、人口三十八万人。
日本で一番、金持ちが集まる地方自治体である。
そしてそんな金持ち達を利用して金を稼ぐのが、自他ともに認める関東一の(守銭奴)探偵・東敏行(あずまとしゆき)。
金持ち相手に相場の何倍もの依頼料で行う仕事は、まさに黄金をまとったような輝き。
警察官の水沼祐基(みずぬまゆうき)や新任助手の桃山香菜(ももやまかな)も巻き込んで、東のやりたい放題が今日も炸裂する。
市民の笑顔とお金が大好きな探偵が、推理力と金の力で事件を解決する拝金主義ミステリアスコメディ!
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※「守銭奴探偵アズマ」はフィクションです。作中に登場する人物名・地名・団体名等は実在のものとは一切関係ありません。
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※この小説は食べ物ではありません。
※この小説を現実と創作の区別がつかない人に読ませないでください。金の亡者になる可能性があります。
※以下省略
プロローグ
私がこの美術館に就職してから二年がたった。
それは、私が陸上選手の夢をあきらめてから三年がたったということでもある。
私はこの生活に満足している。給料はいいし、館長さんも優しいし、それに給料も悪くない、むしろ東京都内でも高いほうじゃないかと思う。流石は金持ちの町黄金区というべきか。
でも、何かが足りない。
学生時代、毎日のように仲間と切磋琢磨しあって来た生活を思い出すと、この生活はまるで味気ない。まるでワインの搾りかすからさらに抽出されたワインのようだ。
このまま私は、ずっと味気ない生活を続けるのかな……
この時二〇二三年四月一日。
それから一か月後、彼女の人生は大きく変貌する。東敏行という、史上最強の癖を持った探偵によって。