目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
#019. マイ島


 フィールドボスを倒した後、またダンジョンで狩をした。


 チャラーン。


 >ルルがLv5になりました


 おお、やった。

 狩りの結果、俺は無事レベル5に到達することができた。

 フィールドボスの経験値が思いのほか多かった事と、集中狩りで、思ったより早くレベルが上がった。


 ▼観光ガイドブック

 ・Lv5 一次転職をしよう

 ・Lv5 マイ島をもらおう


 一次転職のほうは、案内ガイドだった。

 内容は以前の通り。いくつかの職業に転職できる。

 場所は神殿だ。

 説明を読んだら完了になった。


 >「一次転職をしよう」完了。10ジェム。8000TEA取得


 ふう、実際に転職までしなくていいらしい。

 冒険者のままを考慮してあるのだろう。


 次。もう一方のほうを見てみる。


「あのさ、マイ島をもらおうっていうガイドが出てるんだけど」

「はい。エリスにお任せください。マイ島というのは、いわゆるハウスとファームですね」

「ああ、家を買ったり農園ゲームをしたりする?」

「そうです。あのチュートリアル島もマイ島の一つと共通の見た目なので、あんな感じを想像していただければ」

「分かった」

「今、貰いますか?」

「いや、妹とタピオカさんがレベルアップしたら一緒に進めよう。別々だろうけど」

「はい、了解です」


 ということで、もうしばらくミルシーダ・ダンジョンの1階で戦闘を続けた。

 先にタピオカさんがレベル5になり、たった今、妹のほうもレベル5に上がった。


「レベルアップおめでとう、ウタカ」

「おめでとうございます」

「ありがとうお兄ちゃん、お姉ちゃん」

「よし、転職もしたいところだけど、先に島をもらおう」

「はい」

「うん」


 ダンジョンから出て来て、南門前のゲートエリアに移動する。


 ▼マイ島を選択してください

 ・温暖な島

 ・四季のある島

 ・常夏の島

 ・常春の島

 ・ジャングルの島

 ・雪国の島

 ・極寒の島

 ・天空の島


 お、おう、思ったより種類がある。

 ちなみにチュートリアルの島は常春の島、なんだそうだ。


 四季のある島は冬は雪も降る。

 温暖な島は春夏秋冬あるけれど、冬も比較的暖かく、雪は降らない。


「温暖な島にしよう」

「了解です」


 一番上にあることからして、これが通常ルート、いわゆる運営のおすすめ、なのだろう。

 俺は通常プレイ第一主義なので、こういうときはそれっぽいのを選ぶと決めている。


 転移門、いわゆるゲート前に行くと、ホログラムメニューが出るので、そこで自分の島を選択する。


 緑色の謎の魔法の環が俺を包んで、明るくなった次の瞬間、俺は転移していた。


「島だな、普通の」

「そうですね。ここが以降、自分の島になります。地図上にはありません。インスタンスフィールドとなっています。海の向こうには何もないので、孤島です」

「なるほどね」


 大きさは周囲1kmあるかどうかぐらいだろう。よく分からないが。

 確かに何万も地図上の島を割り振っていたら、あっという間に足りなくなるだろう。

 こういうものはインスタンスになってるらしい。


 >「マイ島をもらおう」完了。10ジェム。8000TEA取得


 ジェムも貰えたし、よしオッケイだ。


「それではまず、アイテムがございます。転移門です。その辺でいいので、設置してください。後でも動かせます」

「あそうなの、じゃあ、はい設置」


 俺の目の前に緑色の石でできた遺跡というかマンホールみたいなものが地面に置かれる。

 これが転移門だ。


「はい、いいですよ。ありがとうございます」

「おう。どうするか」

「島探検をしてもいいですし、みなさんと合流して一緒に島を見てもいいですね」

「あ、そうだね」

「どうしますか?」


 エリスが聞いてくる。


「ちなみにこの島、無人島なの?」

「はい。動植物はいます。あとスライムなんかもいますね」

「スライムか」

「はい」


 ちょっとソロで見てみるか。

 久しぶりだな、ソロは。


 この辺はただの草原になっている。

 ベース基地を置くのによさそうな平らな土地だ。

 そのすぐ先は、林になっていて、そして山がある。

 当然のように山は木がいっぱい生えている。


「お、これ、アクリル草じゃね?」

「そうですね」


 視線を集中すると白い文字で「アクリル草」と浮かんできた。


 さくっと採取してみる。

 採れた。やったぞ。


 ミルシーダにはほとんどアクリル草は生えていなかった。

 あるのはところどころにワイルドベリーくらい。


 なるほど、島には生えているのか。

 そうやって区別というか、フィールドの特性があって、それぞれに価値を生み出していると。


「これは、ねこじゃらしだよね」

「そうですね」


 うん、ねこじゃらしだ。アイテムとしては識別されているけれど、特に利用価値はなさそうだけど。


「お、これは、ミントだよね?」

「はいっ、ミントです」


 ミントだ。

 ミントはワイルドベリーなどと一緒にサラダの材料なので、取っておこう。


 こうして草原を歩いているだけでも、かなりの種類の草が生えている。


コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?