フィールドボスを倒した後、またダンジョンで狩をした。
チャラーン。
>ルルがLv5になりました
おお、やった。
狩りの結果、俺は無事レベル5に到達することができた。
フィールドボスの経験値が思いのほか多かった事と、集中狩りで、思ったより早くレベルが上がった。
▼観光ガイドブック
・Lv5 一次転職をしよう
・Lv5 マイ島をもらおう
一次転職のほうは、案内ガイドだった。
内容は以前の通り。いくつかの職業に転職できる。
場所は神殿だ。
説明を読んだら完了になった。
>「一次転職をしよう」完了。10ジェム。8000TEA取得
ふう、実際に転職までしなくていいらしい。
冒険者のままを考慮してあるのだろう。
次。もう一方のほうを見てみる。
「あのさ、マイ島をもらおうっていうガイドが出てるんだけど」
「はい。エリスにお任せください。マイ島というのは、いわゆるハウスとファームですね」
「ああ、家を買ったり農園ゲームをしたりする?」
「そうです。あのチュートリアル島もマイ島の一つと共通の見た目なので、あんな感じを想像していただければ」
「分かった」
「今、貰いますか?」
「いや、妹とタピオカさんがレベルアップしたら一緒に進めよう。別々だろうけど」
「はい、了解です」
ということで、もうしばらくミルシーダ・ダンジョンの1階で戦闘を続けた。
先にタピオカさんがレベル5になり、たった今、妹のほうもレベル5に上がった。
「レベルアップおめでとう、ウタカ」
「おめでとうございます」
「ありがとうお兄ちゃん、お姉ちゃん」
「よし、転職もしたいところだけど、先に島をもらおう」
「はい」
「うん」
ダンジョンから出て来て、南門前のゲートエリアに移動する。
▼マイ島を選択してください
・温暖な島
・四季のある島
・常夏の島
・常春の島
・ジャングルの島
・雪国の島
・極寒の島
・天空の島
お、おう、思ったより種類がある。
ちなみにチュートリアルの島は常春の島、なんだそうだ。
四季のある島は冬は雪も降る。
温暖な島は春夏秋冬あるけれど、冬も比較的暖かく、雪は降らない。
「温暖な島にしよう」
「了解です」
一番上にあることからして、これが通常ルート、いわゆる運営のおすすめ、なのだろう。
俺は通常プレイ第一主義なので、こういうときはそれっぽいのを選ぶと決めている。
転移門、いわゆるゲート前に行くと、ホログラムメニューが出るので、そこで自分の島を選択する。
緑色の謎の魔法の環が俺を包んで、明るくなった次の瞬間、俺は転移していた。
「島だな、普通の」
「そうですね。ここが以降、自分の島になります。地図上にはありません。インスタンスフィールドとなっています。海の向こうには何もないので、孤島です」
「なるほどね」
大きさは周囲1kmあるかどうかぐらいだろう。よく分からないが。
確かに何万も地図上の島を割り振っていたら、あっという間に足りなくなるだろう。
こういうものはインスタンスになってるらしい。
>「マイ島をもらおう」完了。10ジェム。8000TEA取得
ジェムも貰えたし、よしオッケイだ。
「それではまず、アイテムがございます。転移門です。その辺でいいので、設置してください。後でも動かせます」
「あそうなの、じゃあ、はい設置」
俺の目の前に緑色の石でできた遺跡というかマンホールみたいなものが地面に置かれる。
これが転移門だ。
「はい、いいですよ。ありがとうございます」
「おう。どうするか」
「島探検をしてもいいですし、みなさんと合流して一緒に島を見てもいいですね」
「あ、そうだね」
「どうしますか?」
エリスが聞いてくる。
「ちなみにこの島、無人島なの?」
「はい。動植物はいます。あとスライムなんかもいますね」
「スライムか」
「はい」
ちょっとソロで見てみるか。
久しぶりだな、ソロは。
この辺はただの草原になっている。
ベース基地を置くのによさそうな平らな土地だ。
そのすぐ先は、林になっていて、そして山がある。
当然のように山は木がいっぱい生えている。
「お、これ、アクリル草じゃね?」
「そうですね」
視線を集中すると白い文字で「アクリル草」と浮かんできた。
さくっと採取してみる。
採れた。やったぞ。
ミルシーダにはほとんどアクリル草は生えていなかった。
あるのはところどころにワイルドベリーくらい。
なるほど、島には生えているのか。
そうやって区別というか、フィールドの特性があって、それぞれに価値を生み出していると。
「これは、ねこじゃらしだよね」
「そうですね」
うん、ねこじゃらしだ。アイテムとしては識別されているけれど、特に利用価値はなさそうだけど。
「お、これは、ミントだよね?」
「はいっ、ミントです」
ミントだ。
ミントはワイルドベリーなどと一緒にサラダの材料なので、取っておこう。
こうして草原を歩いているだけでも、かなりの種類の草が生えている。