本日も夕方からログインする。
ゲーム内はこの時間は夜中だけど、プレイヤーは相変わらず活動している。
▼ログインボーナス
3日目 即時復活ポーション
運営さま、ありがとうございます。
ガチャするか。
▼ペットガチャ「ALL」
300ジェム/1回。3000ジェム/11回。ペットガチャ券5枚/1回。
イヌ各種、ネコ各種、ハムスター各種、ニワトリ各種、鳥各種、ウサギ各種、ミニブタ各種、ウマ各種。
確率は全種類同率。
何が出るかな、何が出るかな、るんるんるー。
じゃじゃじゃじゃーん。
>ルルがペットガチャALLで「ゴールデンハムスター」を取得
おおお、ハムスターだ。
『ハムハム』
おお、かわええ。
リアルのハムスターよりかなり大きい。
20cmぐらいある。
「ゴールデンハムスターと契約しますか、ご主人様」
「え、あ、うん。契約しないと?」
「アイテム化されたままですね。そのまま取引とかペットガチャ券1枚と交換ができます」
「もちろん契約します」
「わかりました」
>ルルと「ゴールデンハムスター」が契約
「名前とか付けなくていいの?」
「えっと、どっちでもいいですね」
「そうなんだ。じゃあ名前は『よぞら』」
『ハムハム』
よしよし。
「ちなみにですが、ペットはテイムで契約することもできますよ」
「つまり、野良ネコとかいるの?」
「そうですね。首輪していないのが野良ちゃんですね」
「なるほど」
町を歩いているとイヌとかネコとか見かける。
あとハトとニワトリ。
野良ニワトリなのだろうか。
「テイムするには?」
「テイムには好物の餌を与えるといいんですけど、肉が好物なら普通の肉とかでも代用できます」
「ほほう」
「あとは課金アイテムですね。合成とかでも作成できるので、ショップで買わなくても大丈夫です」
「なるほど」
タピオカさんと合流する。
「こんばんは、タピオカさん」
「こんばんは、ルルちゃん」
「それじゃあ、今日もちょっとネックレスの店に寄っていこう」
「はい」
スライムのネックレスのお店だ。
今日も似たような位置で出店していた。
材料が入手さえできれば、自分で取りに行かなくても済むのだろう。
材料の購入と販売がうまく回れば、定点の露店でも生活できそうだ。
「こんばんは」
「あ、昨日の。ありがとうございます」
「今日はイノシシの牙を持ってきたんだけど」
「あ、はい。Wikiが更新されててそれも載ってましたね?」
「そうみたいだね。合成お願いしてもいい?」
「いいですよ」
合成のスキルを自分で習得してやればいいと思うかもしれない。
しかしスキルレベルが上がると成功率が上がるらしい。
そしてスキルレベルを上げるには合成をしないといけない。
こういう作業でする売り物にすらならない合成品を「餌」とかいうけれど、そんな感じ。
イノシシの牙*5を渡す。
「では、合成します。『合成』」
ピカーンと光ったけど、う、そこに置いてあるのは黒い物体。
アイテム名は「ダークマター」それから材料のイノシシの牙*2。
合成失敗だ。
一応、約半分は戻ってくるのだろう。
「すみません、失敗しちゃいました……」
「いいや、しょうがないよ」
「申し訳ないです」
「いいって」
今回は合成の依頼で代金は成功報酬とした。
失敗時はダークマターは返してもらう。
残りのイノシシの牙は失敗したけどその報酬代わりとする。
まったくの無報酬では、俺の立場がない。
「気を取り直して、動物の骨もあるんだけど」
「あ、はい。骨のネックレスですね」
「うん」
動物の骨*20を渡す。
「では、合成します。『合成』」
ぴかっと光る。
またダークマターが鎮座していた。
失敗だ。
動物の骨*10個も残っているので、まあ、なんとか。
「すみません、すみません」
「う、うん。まあしかたがないよね。俺は運がなかった」
「そうですね……」
恐るべし。連続失敗。
確率は標準で50%くらい。彼女の合成レベルなら70%ぐらいらしいのだが、失敗する時は失敗する。
50%なら二回に一回は成功すると思うかもしれない。
しかし一回目も、二回目もそれぞれ50%なので、そんなことはなかった。
もちろん100回とかすれば、平均すれば50%に収束するだろうけど、連続して当たったり外れたりするはずだ。
「ルルちゃん、どんまい」
「あ、うん、ありがとう。タピオカさん」
こればかりは「乱数の神様」しだいなので、なかなか。
しかし失敗してしまえば、材料は半分以下になってしまう。
これは当たりはずれがデカい。
さて、そういえばアバターガチャも貰っていたっけ。
さくっと女性用アタバー装備ガチャを引こう。
>アタバー装備ガチャで「三日月のドレスアーマー」を取得
おお、なんだろう。
夜空と三日月がデザインされたミニスカートのドレスアーマーだ。
コルセットがあって胸の部分だけ金属風になっている。
布部分は濃紺に星が散っている。
胸の中央上の部分に黄色い三日月がある。
足はブーツとニーソックスになっていた。
「結構可愛いですね」
「あ、ああ」
「そういえば、タピオカさんはアバター装備ガチャ引いた?」
「ううん、まだ。今引いちゃうね」
「うん」
自分にはガチャの抽選画面が見えないので、待ちだ。
「あははは、変なの当たった」
「どれどれ」
タピオカさんが着替えてくれる。
なお、このゲームでは変身は一瞬で素肌を見せる必要はもちろんない。
「なんだそれ」
「水着みたいなヌイグルミだね、クマの」
「うん」
ビキニタイプの茶色のチューブ型ブラと丸い尻尾付きパンツと頭にかぶるタイプの頭部だ。
パジャマもどきというか、なんというか。
ヌイグルミみたいな毛の質感がかわいい。
そして胸が丸くて大きいので、たいへん似合っている。
露出しているオヘソと腰のくびれがセクシーだ。
本人そのものではないが、さすが蒔絵ちゃんだ。
体形に関してリアルアバターなのかどうかは知らないが。
「ちょっとこれは、恥ずかしいから脱ぐね」
「う、うん……」
薄桃の春ワンピに戻ってしまった。
あれはあれでアリだが、本人は恥ずかしいのだろう。
ガチャのほうは俺はアタリ。
タピオカさんのほうはハズレという感じか。
こういうガチャ要素、レア抽選みたいのはリアル運だから、何とも言えない。
そういえば、妹は何を引いたのだろうか、後で聞いてみるか。
昨日は普通の初心者アーマーだったけど。
「ちなみに不要なアタバー装備はアバター装備ガチャ券1枚に交換できるので、要らなければそうしてください」
「ほーい」
「それか、トレードで売ることもできますよ」
「そういえばそうだったな」
「はいっ」
エリスが補足してくれる。
「このクマのヌイグルミ水着みたいのは、いくらくらいなんだ?」
「えっとですね。これでアタリのほうです。800ジェムくらいでしょうか」
「ほう」
「タピオカさん、だそうだよ」
「そうね。でも
「グッド!」
俺が親指を上に向けてグーを作ると、タピオカさんはちょっとあきれた顔をした。
それから頬をちょっと染めて
「ルルちゃんが好きなら、取っておくね」
「あ、ああ」
俺、が基準なのだろうか。
いや俺にだけ恥ずかしいけど、見せてくれるって意味か。
なんだか少しうれしい。