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第120話 遺跡の……最深部??

 オレ達は空の魔王ヴォーイングに案内してもらいながら遺跡の踏破出来ていなかった場所を調べていった。

 オレ達が歩いてたどり着けない場所は、彼が運んでくれたのでオレ達は見逃す事なく遺跡の隅々までを調べる事が出来た。


 また、罠があったり、何かアイテムがあるが全員で行く必要の無い場所は、空の魔王ヴォーイング一人だけで物を持ってきてくれるのでオレ達は最短距離で遺跡を次々と踏破出来ている。

 さらに言うならば、空の魔王ヴォーイングは遥か昔から生きているので、古代人の使っていた文字が読めるらしい、どうやら彼に聞くと、かつて人間と戦っていた頃に人間の軍の作戦を解読する為、古代文字が読めるようになったという話だ。

 成程、必要に駆られて覚えた文字となると、長い時間を経たとしても覚えているモノなんだろうな。


 彼が文字を読んでくれるので、オレ達は以前には通れなかったショートカットルートを移動し、裏道ともいえる場所から安全に移動する事が出来た。

 以前に超巨大ゴーレムのコンゴウが外に出る為に一気に巨大ビームで天井まで焼き砕いたルートとは別の道なのでオレ達でも問題無く移動出来ている。


 そうか、ここの道は古代人達が安全にこの遺跡を移動する為に用意していた道という事か、だが、その道は文字が読め、なおかつ魔力を持つ者以外には移動できないルートだったともいえる。

 だから以前オレ達がこの古代遺跡に来た時には通る事の出来ないルートだったんだな。


 オレ達が遺跡の奥の方に向かうと、建物の感じが変化しているのが分かった。

 土や石で出来ていたフロアが表側の遺跡だとすると、アダマンタイトやオリハルコンと思われる金属で作られている場所は、古代遺跡の中枢部だと言えるだろう。

 実際オレ達がコンゴウを見つけたのはこの一角だった。


 だが、今回はコンゴウよりもこの遺跡にあると思われる古代都市に関するデータの方が目的だ。

 その為に古代文字だけでは解読できない謎を解いてもらう為、死者と話の出来るネクロマンサーのカシマールに付いてきてもらったワケだ。

 今回はフォルンマイヤーさんやモッカ達はウユニの方でみんなを守る為に残ってくれている。

 今回の遺跡探索に彼女達が来てくれても、多分役に立たないというかむしろ足手まといになってしまうかもしれない、それなら地上で避難民を守ってもらった方が適材適所といえるだろうからな。


「お兄さん、話が出来たのだ。どうやら、この中に古代の都市に関する事を知っている人がいるみたいなのだ」

「カシマール、それは本当か!」

「本当なのだ、この遺跡のもっと奥の方にいるらしいのだ」


 オレ達は遺跡の事をよく知っているという人物の魂と話をする為、コンゴウのコアがあった場所のさらに奥に踏み込んだ。

 ここは以前にオレ達が来た場所よりももっと遺跡の奥の場所だ。


「危ない、ここに罠があるぞ!」

「えっ!?」


 空の魔王ヴォーイングがオレとカシマールを抱え、とっさに飛び上がった!

 すると、その直後に地面からバチバチバチッと激しい光が放たれた。

 どうやら電撃ショックを与える罠が作動したらしい。


 オレ達は空の魔王ヴォーイングのおかげで、罠にかからずに先に進む事が出来た。

 どうやら地面に走る電撃が床一面を覆ったようだ、もしあのまま地面に足をつけていたら、オレもカシマールも黒焦げになっていた。


 今回は空を飛べる魔族、空の魔王ヴォーイングがいてくれたから助かったと言える。

 もしこれが雷の魔王ネクステラや火の魔王エクソンだったとしたら、オレ達はここで黒焦げになってしまっていただろう。

 そうなっていたら、オレという司令塔を失った人間達や魔族は指示系統に混乱をきたし、全滅していたかもしれない。


 また、この人数だったからヴォーイングも二人を抱える事が出来たが、コレがあと一人でも多かったら誰かが犠牲になっていただろう。


 つくづくこの人選が正解だったと言える。

 オレとカシマールは、空の魔王ヴォーイングにそのまま運んでもらい、遺跡の最奥部に到着した。

 そこには、責任者の椅子と思われる物があり、無人の椅子の後ろには様々な機械がそびえ立つように置かれていた。

 どうやらここが遺跡の司令部ともいえる場所だったんだろうな。


「カシマール、誰かそこにいるのか?」

「いるのだ、白いひげのお爺さん、どうやらこの遺跡の責任者だったらしいのだ」


 カシマールは遺跡の責任者らしい魂と会話をしている。

 オレと空の魔王ヴォーイングはその人物と会話が出来ないので、会話はカシマールに頼る事になってしまう。


 そして、彼女はオレ達にこの遺跡に関する事を伝えてくれた。


「お兄さん、どうやらこの遺跡は、浮遊都市の軍事関係の工場だったらしいのだ。浮遊都市の起動に必要な動力部は別の場所にあるのだ」


 え?? ここが工場だとして、別の場所にあるって……この辺りにそんな場所あるのか? 

 というか、やはりこの場所は浮遊都市だったのか、って……この巨大な遺跡が工場に過ぎないって、いったい、この場所がもし浮遊都市の一部だとして、全体のデカさってどれくらいなんだ?


「カシマール、すまないがここの責任者にこの場所が浮遊都市だとして、どこに起動用の動力部があるか聞いてくれないか?」

「わかったのだ、聞いてみるのだ」


 カシマールは遺跡の司令官らしい魂にオレの聞きたい事を聞いてくれたようだ。


「お兄さん、凄いことが分かったのだ」

「凄い事? それは一体どういう事なんだ?」

「この浮遊都市、起動させる為の動力炉があるのが以前お兄さんの立ち寄ったボリディア男爵の土地にあるらしいのだ」


 な、何だってぇー!!

 それってめちゃくちゃ遠すぎるだろ。

 何、ひょっとしてこの盆地全部が古代文明の浮遊都市だったなんて無茶苦茶な話だっていうのか?

 いや、流石にそれはありえないだろう。

 もしここが巨大浮遊都市だとしても、ボリディア元男爵の住む土地までここから百キロ近くある。

 そんな遠い場所まで全部が浮遊都市って事はどれくらいのエネルギーが必要なんだよ。


 流石にそれはありえないだろうから、安全確保の為に起動用の動力炉や制御装置が別の場所にあると考えた方が良いだろう。


 だがそれでも浮遊都市が実在したってことが分かっただけでも良しとしよう。

 それもわざわざ探しに行かなくても、今オレ達の避難してきたウユニ近辺が浮遊都市だったってのが不幸中の幸いと言えるだろうな。


「カシマール、ありがとう。これで大体の事はわかった、他に何か聞けそうな事はあるのか?」

「わかったのだ、もう少し話を聞いてみるのだ」


 カシマールは遺跡の司令官に他に何か聞ける事が無いかを聞き出してくれた。

 その話を聞いたカシマールの顔が青ざめたのを、オレは見てしまった。


「どうしたんだ、カシマール。何かわかったのか?」

「お兄さん……ボク、恐ろしい事を聞いてしまったのだ。かつてこの世界は一度滅びているのだ、そしてその後この世界は作り直され、その際に世界の再生の期間にわずかに生き残った人達が避難場所として使っていたのがこの遺跡のある浮遊都市だったのだ……」


 そうだったのか!

 やはり、この遺跡は浮遊都市に関係する物だとは思っていたが、まさかこの世界が一度滅びていたとは。


「我も聞いた事がある。かつての大魔王ガーファ様と創世神の戦いの話だな」

「すみません、それってどういう話なのでしょうか?」

「我も詳しくは覚えていないのだが、かつて大魔王ガーファ様がこの世界の創造主と戦った頃の話だ。我はかなり昔過ぎる話であまりよく覚えていない、他の魔王ならだれか覚えている者もいるかもしれんがな」


 この話、今後の為に聞いておく必要がありそうだ。

 だがそれよりも今聞くべき質問は、この場所が浮遊都市として再度起動する為には何が必要なのか、それを知らなくては。


 オレはカシマールに、遺跡の司令官の魂にこの遺跡を再度起動させる為に何が必要かを聞いてもらう事にした。

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