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第118話 大魔王……復活??

「間違いない、これは大魔王様の復活じゃ。しかし、なぜ今になって?」


 雷の魔王ネクステラは、大魔王の復活を確信し、各地の魔王や魔族に対し、その事を伝えさせる為に瞬間移動の出来るトーデン、カンデンを向かわせた。


 大魔王復活、この事を喜んだ魔族達は数多くいたが、四人の魔王はその事を快く思っていなかったみたいだ。


 何故なら、この大魔王を封印したのは、人間達では無く、四人の魔王だったからだ。

 大魔大戦の末期、戦闘が泥沼状態になっていた際、大魔王は人間の世界を滅ぼす際に多くの魔族も犠牲にしようとしていた。


 それを食い止めたのが四人の魔王だ。

 別に彼等は人間を助ける為に大魔王を封印したワケではない。

 彼等が協力して大魔王を封印したのは、人間を滅ぼすついでに犠牲になる魔族の数が多すぎた事と、世界が壊滅状態になってしまってはせっかく戦争に勝利しても得られるモノが無かったからだ。


 だが封印された際、大魔王はこの四人の魔王を恨み、呪いをかけながら封印された。

 その呪いがどのようなモノだったのかは今では誰も分からない。

 その大魔王をナカタはエシエス帝国の遺跡で封印の石板を見つけ出し、封印を解いてしまったのだ。


 このままでは大魔王とナカタによってこの世界が滅茶苦茶にされてしまう!



 オレはアンディ王子と水の魔王ベクデル、空の魔王ヴォーイングからエシエス帝国の話と大魔王の話を聞いた。


「なんてことだ、それでは早く大魔王を再び封印しないと、世界が滅茶苦茶にされてしまう!」

「そうね、アタシもちょっと世界の様子を見てくるわね。アタシを呼びたければ水のある所でアタシの名前を呼んで頂戴、そしたらすぐに来てあげるから」


 そう言って水の魔王ベクデルが姿を消した。


「我もジャルとアナと共に魔族の村が無事かどうかを確認してくる。さらばだ!」


 空の魔王ヴォーイングとその娘のジャルとアナは翼を広げ、村のある東の方を目指して飛んで行った。


「さあ、オレ達もどうにか動かないと。アンディ王子、色々と教えてくれてありがとうございます」


 オレ達はファイアドラゴンに乗せてもらい、王都を目指した。

 すると、王都は空爆の真っ最中で、五体の大型ゴーレムとコンゴウが人々を助ける為に奮闘しているところだった。


「みんな、無事か!」

「ふぇええ、お兄さぁん。どんどん人が死んでいってしまうのだー」


 そうか、ネクロマンサーの能力を持つカシマールは、亡くなった人がどこにいるのかが能力で分かってしまうんだよな。


「わかった、これ以上の犠牲を出させるわけには行かない。コンゴウ、あの空飛ぶ船を追い払ってくれ!」

「グォオオオゴゴゴゴッ!!」


 コンゴウはオレの命令で、思いっきり体を縮め、その後一気に高く跳び上がり、飛空船の上に乗った。


「グォオオッ!」


 下から見える形で、コンゴウが甲板にパンチをぶちかまそうとした時……船から巨大な魔力が放たれた!


「グォオオオッ!!」


 なんと、あの四大魔王すら圧倒するコンゴウが、船から巨大な魔力で弾き飛ばされ、遠くの山に落下、激突してしまった!


 その威力はすさまじく、まるで震度6の縦揺れ地震のような衝撃が王都を襲った。

 衝撃で家は次々と砕け、ダイワ王の住む宮殿もヒビだらけになり、崩れ出した。


 何という力だ、コレが大魔王の力なのか。


 オレ達が絶望していると、そこに伝声の魔力を使った声が王都だけでなく世界中に伝えられた。


「お前達は逆らっても無駄だ、この世界の支配者、大魔王ガーファの名の下に、全ては滅びるがいい。余に逆らう者には全て、死と滅びを与える」


 大魔王ガーファ!!


 まさか、本当にナカタの奴、大魔王を復活させていたとは……。


 だからアイツはこの国から姿を消し、エシエス帝国に行ったんだな。

 だが、全てを滅ぼすって言っているから、そのエシエス帝国も滅ぼされると思うんだが、アイツみたいな特権階級気取りは自分だけは特別だと思い込むんだろうな。


「コバヤシッ!! 聞こえるかッ! オレ様だ、火の魔王、エクソン様だッ!!」

「え? いったい、どうしたんですか、その姿は!?」


 なんと、火の魔王と恐れられたエクソンが、ボロボロの姿でオレ達の前に姿を現した。


「情けない話だッ! オレ様とした事がッ、あの飛空船に手も足も出せずこのザマだッ!」

「しゃべらないで下さい、その怪我では」

「なあに、オレ様は人間ではないッ! だからここに来た。ここなら今は火の力が大量にあるはずだからなッ! だが、どうもそんな悠長な事を言っている場合ではなさそうだなッ!!」


 どうやら彼の話によると、空からいきなり現れた飛行戦艦が攻撃をしてきて、火の魔王エクソンの城を完全に破壊したらしい。

 その際に部下の大勢が犠牲になったと彼は言っていた。


 また、折角オレが石油やガスを採掘できるようにした油田も燃やされてしまい、また地獄の噴門が復活してしまったという話だ。


 それで這う這うの体で逃げて来た火の魔王エクソンは、ここでどうにか傷を癒そうとしている。

 実際火の魔王エクソンは燃え盛る火の力を吸収し、自らのモノとして傷を治しているようだ。


 幸いそれがこの王都の大火災の火を吸い取ってくれているとすれば、自然の消火作業になっていて人々の犠牲を減らす事になってくれるのかもしれない。


 だが、王都はもう壊滅状態だ、ダイワ王達も王宮にはいられないようで、全員が城から外に出て来た。

 その際に役に立ったのがあの俺が初期のころに作った架道橋だ。

 未曽有の災害に備え、橋を上げていた事が幸いし、橋は通行可能になっている。

 また、混乱を避ける為、ある程度の人が橋を渡ったら再度跳ね上げる事で、ドミノ倒しのような二次的な人的被害は避けられたようだ。


 全員が王宮から脱出すると、その後で城郭が完全に瓦解し、瓦礫と化してしまった。

 もしここであの橋が無ければ、もっと多くの被害が出ていたかもしれない……。


 シャウッドの森も空爆の被害に遭ったらしく、モッカの父親とその仲間達も王都に避難してきた。


「ちちうえーっ、モッカ、なにもできなかったっ」

「わかっておる。ツラいオモいをさせたな。もうダイジョウブだ。イチゾクのモノ、ゼンインここにいる」

「まったく、何だってんだ。せっかく作った建物が全部おシャカにされてしまった。まあ命あっての物種じゃから、建物はまた建て直せばいいんじゃがな」


 イツマの棟梁達も町が空爆されたという事で、フォルンマイヤーさんの部下の指示で全員ここに避難してきたらしい。


 徹底的に空爆を重ね、王都を離れた飛空船は大型水路の方向からまた別の場所に向かったようだ、ナカタの奴、アイツ……大魔王の力を使ってオレの造った建物を全て壊そうってつもりなんだな


「はーい、コバヤシちゃん。大変な目に遭ったみたいね。どうせここもあの大魔王ガーファ様の力で滅茶苦茶にされたんでしょ」

「ベクデル様、今までどこに?」

「安心なさい、アンタの心配している土地の子達は全員アタシの力で安全な場所に送っておいてあげたから」

「あ、ありがとうございます! それで、彼等はいったいどこに?」

「そうね、あの塩の湖の所なら何もないはずだから、ある程度の広さもあるし安心でしょ。あ、そうそう、水が無いと困るからついでにダムからの水が流れ込むようにあそこに水も用意しておいてあげたからね」


 助かった、どうやら水の魔王ベクデルは、オレの心配していたパナマさんの領地にいた人達をウユニの塩の湖に避難させてくれたみたいだ。


 さらにここに避難してきたモッカの一族やイツマの棟梁達の居た町の人達も全員ウユニに送ってくれると言ってくれている。

 流石は水の魔王、全員を瞬時に移動できるなんてすごい魔力だ、改めて彼(?)がオレ達の敵じゃなくてよかったと痛感している……。


「あ、そうそう。そういえばね、そこの湖に連れて行った子の誰かが、この世界で大勢の人が住んでいたっていう空中の島の話をしていたかしらね」

「空中の島ですか!?」


 まさか、それって古代文明で作られた人工島の事なのだろうか。

 オレは水の魔王ベクデルに話を聞いてみる事にした。

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