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第18話

 キッチンでお湯を沸かしコーヒーを淹れる。レオさんはお砂糖1個とミルク、私はお砂糖3個とミルク、好みのコーヒーを淹れて食卓に置いた。


「ありがとう。さあ食べよう」

「はい、いただきます」


 レオさんが買ってきた、サンドイッチは具がたくさん挟んであった。ティーラがよく作っていたハムとチーズ、薄焼き卵のサンドイッチとは違う。


(一口で、口いっぱいだわ)


 その大きなサンドイッチを、ライオンの姿に戻ったレオさんは二口で食べてしまう。ティーラはあまりの食べっぷりに、これから作る料理を考えた。


「ティーラさんどう?」


「このサンドイッチ、すごく美味しいです」

「それは良かった、たくさん買ってきたから食べてね」


 具沢山のサンドイッチ二つでお腹いっぱい、レオさんはそのサンドイッチを三つ食べ残りは冷やし庫という、食材を冷やす箱にしまった。


 この冷やし庫はレオさんのお友達が作った、魔導具というものらしい。初めてみたときティーラは感動した。


(今まで、食べる量しか買えなかったけど。この冷やし庫、食材を冷やせるなんてすごい)


 この家には他にもたくさんの魔道具がある。レオさんが冒険者ギルドでモンスターを倒して、魔石手に入れて、お友達が作るみたい。


 この屋敷には他にも、手を触れれば灯りがつくランタン。手をかざせば火がつくコンロ、水が流れるトイレ、どれもティーラには初めての道具ばかりだった。


「ティーラさん、明日からこの服を着てメイドの仕事をして」


 それはメイド服、ティーラは初めて着る服だ。マント家でティーラは他のメイドとは違い、ワンピースにエプロンだった。それは雇われたメイドとは違う、メイドよりも下だという意味。マント様の娘、セジールがそうしたのだった。


「ありがとうございます。でも、このメイド服、凄く生地がいいですが?」


「その服の生地がいい? だろうね。そのメイド服は、王城のメイドが着ていた服だから……今度、デザインを新しくするらしいから、いらなくなった服を貰ってきた」


 洗濯は済みだけど、サイズが違うとも言った。

 だけどティーラは自分の服を直したり、ワンピースを作っていた。裁縫は得意なのでサイズを直すのは朝飯前だ。


「サイズ直しなら、大丈夫です」

「そうなの? じゃ、この尻尾穴が空いた服も直せるね」


「え?」


 レオさんはニコニコと、片付けが終わった食卓に箱に入った服をドンと置いた。



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