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閑話15  この地にて・・・③

〇富士の樹海 河川敷



俺と紅は残りのアイテムを求め富士の樹海内にある河川敷を捜索していた


流石にスタンピード後と言う事もあり、魔物の出現数も少ない・・・ていうか一匹も遭遇しない


「旦那様、妖馬の鬣というのはケルピーという魔物が落とすアイテムだと聞きましたが?」


紅がつまらなそうに後ろで腕を組んで俺の横を歩いている


今日の紅はいつも通りの巫女の様な服装で頭に鹿の様な角も生やしている


頭の角に関して尋ねてみると


「角を隠していると竜の術が上手に使えない場合があるのです」


「へぇ―――他に弊害は無いのか?」


「ウ―――ン・・・そうですねぇ―――あっ」


紅は考えた末何か思い当たる事があったらしい


「角がないと、感情の起伏が激しくなるのかもしれません」


「ほう?例えば?」


「妙に旦那様と繁殖したくなります」


「ブッ!!は、はぁぁ?」


口に付けた水筒からお茶を吹き出してしまった


「いや、ですから感情の抑制が出来なくなって旦那様の事を考えると直ぐに身体が熱くなって繁殖したくなっちゃうんです・・・」


「そ、そうなんだ・・・(いざと言うときは角を出すように命令すれば良いのか・・)」


「あ、でもそういう気持ちになっちゃったら角は生やせないですよ?」


「あ、あはは、だ、だよねぇぇ(ダメなのかぁぁ)」


「でも今はこうして旦那様を独り占めです」


そう言うと紅は俺の腕に抱き付て上目使いで甘えてくる


「だってぇお姉様方がいらしたら旦那様の両サイドは取られちゃうじゃないですかぁ―――」


「だから今は紅だけ見ていて下さいね♪」


なんだか二人でこうして河川敷を歩いていると恋人と散策してるみたいだな・・・恋人いた事ないけど・・・



「ふふ、逢引してるみたいで何だかドキドキしちゃいますね」


紅はこの状況を楽しんでいる様だった・・・・



【フフフ・・・こんな所で人間に出会うとは、昨日のリベンジと行きましょうか?私の名前はメズ・・ご存じの通りケルピーのネームドです】


目の前に現れたのは漆黒の身体を持つ馬の頭の巨人だった・・・


「旦那様?これがケルピーという魔物ですか?」


「うーん何か違うぽいけどな―――まぁ俺も見たことないから分からないな」


【何を二人でゴチャゴチャ言ってるんですか?恐怖で頭がおかしくなりましたか?無理も有りません何せ私はネームドのま!?ドォォォン!!】


何かしゃべっていたメズと言う魔物は紅のワンパンで上半身が吹き飛びその場で崩れ落ちる


「凄い弱いですね?ケルピーってこんな感じなんですか?」


「うーんなんか違う気がするけど・・・・ん?・・・何かドロップしたな・・・」


《忍者スキルでアナライズします・・・・解析完了まで1分・・・・・30秒・・・・5、4、3、2、1、0》


《レアアイテム 金の蹄鉄をドロップしました》


「違うじゃないかぁ!」


「あら、残念ですね」


俺は取り合えずドロップしたアイテムをイベントリに収納して次の標的を探して歩き出した・・・


「旦那様、私魔物を呼び寄せる為の魔素を放出できますが?」


「え?そうなの?それは助かるかも、お願いできるか?」


「畏まりました・・・・では」


紅は両手を胸の前で組んで何やらブツブツと唱え出すとその体から赤黒いオーラが立ち込める・・・・


(ん?周囲もなんだか暗くなって来たな・・・・・)


周囲を確認していると前方の闇が膨れ上がり・・・・


【フフフ、再びお目に掛かりますメズで御座います、先ほどは不意を突かれました・・・しかし今この魔素を受け我が力は更に、ドゴッ! ブヘッ!】


俺の打ち出した拳がメズの腹部にヒットするとメズの胴体に大きな風穴が出来再び地面に崩れ落ちる・・・


「私の魔素で強化してもやはり、全然弱いですね・・・ケルピーって最弱の魔物なのでしょうか?」


「うーん、なんか喋っていたからケルピーじゃない気もするけど・・・あら・・・今回はドロップ無しか・・」


「次々呼びますね」


「ああ、頼んだ」


紅は再び魔素を放ち魔物の呼び寄せを行う


【ちょっと、貴方達少しは私の話を、ドガッ!ガハッ!】


【だから少し私に話、バギッ!ギャァァ!】


【お願いですから私に話、バゴォォン!パピョ――ン!】


【いい加減に!ガシッ!ドハッ!】


【ガハァ!】【ピギャァ!】【アベェ!】


【・・・・・・】


「なぁ紅、アイツ急に何も言わなくなったぞ?」


「そうですね?少し聞いてみますね」


紅は攻撃の手を緩め、メズと名乗る魔物に近寄り・・・・


「少しお尋ねします、貴方はケルピーという魔物ですか?」


【・・・・・・】


「私共は妖馬の鬣というアイテムを探しているのですが?ご存知ですか?」


【・・・・知ってる】


「まぁでは教えて頂けますか?」


【嫌だ】


ドガッ!ギャハァァ!


「紅もっと辛抱強く交渉をしないと・・・」


「でも嫌がってるのに無理に尋ねるのも悪いと思いまして」


「まぁもう一度呼び出してみて」


「畏まりました・・・・・」


【・・・・・嫌だと言ったのは、もうお前たちと戦うのが嫌だと言いたかったのだ・・・だから妖馬の鬣は譲る・・】


そう言うとメズと名乗った魔物が自分の鬣を毟り取り俺に手渡した・・


《妖馬の鬣を手に入れました》


「おっ!これこれ、メズとか言ったな有難うな」


【・・・・もうこの地に用は無いはずです早く何処かに消えて下さい・・・・それでは】


そう言うとメズとかいう魔物は肩を大きく落として河川敷から川の中へと消えて行った・・・



「なんか思っていた入手方法と違ったけど・・・・まぁ良いか」




紅は俺の言葉に首を傾げながらも竜化して俺を背に乗せ飛び立った・・・




●富士の樹海内 河川内


【何なんですか・・・あの化け物共は・・もう二度とこの地に来ないで欲しいですね】


【メズぅぅ人間の肉ぅぅ】


【は――――・・・・うっせぇぇんだよクソ牛がぁぁ!!!ドガッ!!】


【ゲハッ!!】








残りのアイテム後1つ














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