〇白糸の滝 上流
先ずは入手が容易な親水を手に入れる為、白糸の滝に向う事にした
朝から俺の部屋にて紅が場所の確認をしていた
「旦那さま、このスマホという鏡は不思議なアイテムですね・・・地図が大きくなったり小さくなったり・・不思議」
紅は初めて触るスマホに興味深々だ、俺は上着を脱いで着替えを用意していた・・・
「あ、何か映りました・・・五月姉様!?」
『ちょっと!何で紅が進のスマホを触ってんのよ!ってまさか!?』
「おい!紅何勝手にテレビ電話を」
『はぁ?何で進上半身裸なの!?』
「ち、ちがう!?今着替えてて」
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色々あったが俺と紅は白糸の滝の上流に向っていた
「紅、あまり高く飛ぶなよ誰が見てるか分からないからな」
『畏まりました』
俺は今、赤龍化した紅の背に乗って白糸の滝の上流目指して山の上を優雅に飛行していた・・・
〇―――――――――少し時間をさかのぼり笹本ホテル併設ワーソン内
テレレ♪テレレ♪テレレ♪
「いらっしゃいませ―――」
「い、いらっしゃい、い、ませ」
たどたどしく店に来てくれたお客様に頭を下げるピンク色の髪をポニーテールに纏めた可愛らしい女の子
ワーソンの蒼い縞々の柄の制服がカジュアルなオシャレ着に見える程良く似合ってて来店するお客様が二度見三度見している
「アハハ、いや―――紅ちゃんが居るとお客の入りが心なしか多いような気がするよ」
奥のスタッフルームから煙草のカートンを抱えカウンターの中に補充している鰐淵さんがご機嫌な様子で紅の方を見て微笑む
「竜族の威厳が・・・・」
鰐淵さんの言葉にも全然嬉しそうでない紅は俯いてブツブツと呟いていた
「でも、紅が俺と一緒に働きたいっていたんだろ?それに接客を通じて人とのコミニケーションを学べるいい機会だよ?」
そう、昨晩に明日以降のスケジュールを紅と確認している時に俺の明日の夕方までの予定を尋ねられコンビニのバイトに入る事を伝えた所
「紅も旦那様と一緒にこんびに?とやらで働きとう御座います、前にお姉様方にお話しを聞いた時に旦那様と同じこんびにで働いていた相棒だったと聞いて私羨ましくて・・・」
「あ、相棒!?う――ん(いつも弄られて馬鹿にされていた記憶しか・・・・)」
「いまお姉様方がいらっしゃらない今こそチャンスなんです・・・旦那様ダメですか・・・・?」
潤んだ瞳の上目使いと破壊力抜群の大きな胸を押し付けられて断れる男は居るはずない・・・俺は翌朝、出勤して鰐淵さんにお願いすると「OK」とアッサリ了承され今に至る
「ほら紅、お客さんが何やら探してるよ?もしかしたら商品の場所を訪ねてくるかも知れないよ」
「は、はい・・・頑張ります」
すると俺の予想通り眼鏡をかけた男性が紅の元に寄って来て
「あ、あのぉ・・・店員さんに聞きたい事が・・・」
「なんじゃ・・いえ、は、はい・・な、なんでしょう・・」
「彼氏は居ますか?」
「はぁ?かれし・・かれしとは?あ、辛子ですか?でしたら・・あ、あちらに」
「い、いや・・・辛子では無くて彼氏・・恋人とか居ますか?」
「こいびと?すいません良く分からないです」
「はぁ~そんな身体してて初心気取りかよ―――お高くとまるなよこのアマ」
ん?なにやら紅とお客さんの様子がおかしいな・・・・
「てか解ってんだろ?幾らだ?3万か?5万か?」
「??何をいってる?訳が分からん、あまり意味の分からない事を言うなら帰ってもらおうか」
「てめぇ何客に向ってなめた口聞いてんだ?良いから幾らでヤラせてくれんだ?金が欲しいんだろ?5万で不足なら10万でもいいぞ?その爆乳を吸いつくしてやるよ」
会話の内容は聞こえないが段々と紅に怒りのオーラが立ち込めて来た
(不味いな・・・)
「あ、あのお客様、何かお探しでしょうか?私がお伺いしますが?」
「はぁぁ?退けよこのウスノロのクソオヤジが!俺は今この嬢ちゃんに話してんだ邪魔すんな!!」
プチッ
眼鏡の男性は俺に暴言を吐いた瞬間何か音がした様な気がした・・・・
「おい、貴様・・・誰に向って言っている・・・・死にたいのか?」
「お、おい紅!?まっまて・・・」
紅の言葉にイライラした男性客が紅の肩に手を掛ける・・・
「ちょっと可愛いからって調子にのってんじゃ!?ぎゃぁぁぁぁ熱い熱いぃぃぃぃ!!」
紅の肩を掴んだ瞬間。ジュと肉が焼ける音と匂いがして腕を押さえて悶絶して床に倒れ込んだ
「我の身体に触れて良い雄は此処に居られる、旦那様だけだ・・・その腕消炭にする事も出来たのだぞ?」
「うっってめぇぇさてはマジシャンだなぁ一般人に対して魔法を使うとか非常識だろ!!それに鰐淵組の若頭補佐である俺に対してこんな真似しやがって・・・覚悟は出来てるんだろうなぁぁ!!」
男は俺と紅を凄い形相で睨み付け自分が極〇の若頭補佐だと凄んでくる・・・が・・・
「知らぬな・・・貴様ら人間の決め事など我には関係ない・・・」
「おいおい、店の中でのもめ事はこまるんだが?」
鰐淵さんが呆れた顔をしながら俺の背後から現れ男性客の前に立つと
「あぁぁ?ババアの出る幕じゃねぇこんなチンケなコンビニなんか鰐淵組の力を使えば何時でも潰せるんだぞ、若頭補佐の俺の力を使えばな!!」
(ん?鰐淵組?)
「へぇぇ・・・・鰐淵組の若頭補佐って?それは怖い怖い」
そう言いながら鰐淵さんは何処かに電話を掛け始めた・・・・
「ああ、5分以内に私の店にこい」
「てめぇババア何処に電話してんだ?あんま舐めてるとドラム缶に詰めて駿河湾に沈めるぞ!!」
「鰐淵さん!」
鰐淵さんに手を掛けようとしていた男の手を掴んで阻むと、力を込めて男の手首を締め上げる
「ぎゃぁぁぁいでぇぇ腕が折れる!!」
ミシッ
男の腕の骨が軋む音が聞こえる・・・
「進君、その辺でいいだろ・・・もうケリがついた」
鰐淵さんが俺の肩に手を置いてコンビニの入り口を指差す
テレレ♪テレレ♪テレレ♪
「お嬢、お呼びですか?」
「おお、来たか早かったな須藤、コイツお前の補佐してるらしいじゃないか?どういう教育してんだ?あぁん?」
須藤と呼ばれた男の人は俺よりも更に背が高く190㎝を超えている、目元はサングラスで分からないが短く刈り込まれた髪の毛、ラグビーでもしていたのかと思うようなガッシリした肉体そして何より・・・手首には派手な入れ墨が・・・
「若頭補佐?・・・コイツがですか?」
須藤さんは男の顔を覗き込んで俺たちに見えないがサングラスを外して睨みつけて居る様だ
「ひっ!?」
此方から見える男の表情が恐怖に染まる
「鰐淵組の若頭補佐だと?俺が鰐淵組の若頭、須藤だがお前なんか知らんな・・・何者だ?鰐淵組の構成員か?」
「い、いや・・・その僕は・・・」
「まぁいい、どのみち組の事務所で話を聞かせて貰うからな?構成員ならお嬢に対する暴言の詰めで指9本詰めて貰うか・・・もし組の名前を語ってたんだなら・・・・」
「ドラム缶に詰めて駿河湾に沈めてやるからな」
「いやぁぁぁぁぁ!!!ゆるしてぇぇぇぇ」
須藤さんに首を太い腕で掴まれて足が床から離れバタバタしている
「お嬢お騒がせしました、私はこれで失礼します」
須藤さんは鰐淵さんに頭を下げると俺達にも軽く会釈し暴れる男性客を抱え店から出て行った
「あ、あのぁ・・・あのお客様は・・・?」
恐る恐る鰐淵さん尋ねると
「アハハ、あれはちょっと脅してやっただけだよ、冗談冗談」
先程の一連のやり取りを冗談だと笑い飛ばした鰐淵さん・・・本当に冗談なんだよな?
〇―――――――――そして今現在
『私は人間の社会でやっていく自信が無くなりました・・・』
「まぁそんなイキナリ溶け込めとは言わないよ・・・徐々にでいいんだよ」
『はい・・・あ、そういえば、あの失礼な雄の言っていたかれし?こいびと?とは何ですか?』
「あ、ああ彼氏、恋人というのは好きな人の事だよ」
『ああ成程、人間のいうとことの番な訳ですねだったら私には旦那様しか居ません!』
「あ、ああ有難うな紅」
少し照れながら紅の背に乗って白糸の滝の源泉付近で降り周辺を探して・・・・
「あ、有りました!」
紅は岩肌から滲み出てる湧き水を見つけた
「では採取するか・・・イベントリ」
俺はイベントリより水筒を取り出し湧き水を採取して大事に蓋をして再びイベントリに収納しその日の予定を終了した・・・
残りのアイテムは後2個・・・