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閑話11  戦勝祝賀会③

〇笹本リゾートホテル  1F祝賀会会場



十文字さんの質問攻めを何とか交わしながらアタフタしていると、流石に見かねた小五郎さんが助け船を出してくれ、駄々をこねる十文字さんを伴い他のハンターの席へと連れて去ってくれた


『進君、お義父さんも君に会いたいと言っていたよ・・・また近いうちに会おう』


去り際にウインクしながらそう言い残して・・・雫の御爺さん?神医が?・・・


小五郎さんと十文字さんが去った後からは数人のハンターの方々が俺に挨拶しに来てくれた


皆が口々に俺の事を誉め称えてくれ正直こそばゆい、しかし酒の力も有り皆の賛辞も素直に受け入れる事が出来た


中には俺なんかと記念撮影を申し出てくれる人やサイン(書いたこと無い・・・)を求めて来る人がいて困る事も有ったが


皆いい人ばかりで改めてこの会に参加して良かったと思う・・・・


「フゥ―――――少し飲み過ぎたか・・・」


自分の吐く息にアルコールの匂いが混ざってる事を自覚して手にもっていた飲みかけのグラスをテーブルに置く


「あらあら、進君飲み過ぎたのかな?」


「凄い人気だったもんね~」


「まぁ今日の主役だからな、これも使命だと思う事だな」


「あっ・・・傑さんに・・美月さん、雪菜さん、ご挨拶に行けず申し訳御座いません・・」


俺は少しふらつく頭で3人に頭を下げる


「ふふふ、良いのよ~それよりうちの雫とはどうなの?アッチの方は上手く出来てる?」


雪菜さんは、いきなり下世話な話をしてきた


「ふぇ?どどどど、どういう意味ですかぁ~?」


美月さんは少し恥ずかしそうに額に手を置いて頭を振ってる・・・傑さんは苦笑いだ


「やぁ~ねぇ―――もう、母親が言うのもあれだけど、ほら雫ってすごく発育いいじゃない?だから抱き心地とかって最高でしょ?」


「ちょっ・・雪菜さん酔ってます!?」


「やぁ~ねぇ~私が酔う訳ないじゃない~ねぇどうなの?身体の相性の方は、私的には五月ちゃんも可愛いしいい線行ってるけど雫の方が一枚上手だと思うのよねぇ~」


「い、いやだ、だから・・・何の話を・・」


「いや、雪菜今の言葉聞き捨てならないんだけど?」


と、ここで先ほどまで恥ずかしそうに話に加わらない様に気配を消していた美月さんが俺の腕を押しのけ雪菜さんの前に詰め寄る


「ん?何が?」


雪菜さんは本当に何の事か解って無い様で顎に人差し指をあて首を傾げる


「五月が雫ちゃんより魅力が無いって言った所よ!!」


美月さんの言葉に「あ~あぁ」と納得したような雪菜さんだったが・・・悪びれる様子も無い


「えぇ~でも、うちの雫の方が出るとこ出てるしぃ~女性としての魅力と言う点では上なんじゃない?あ、五月ちゃんも可愛いとは思うのよ?でも・・お・こ・さ・ま・じゃない?」


「はっ、はぁぁぁぁ?何言ってんのよ!五月はああ見えて男性に尽くす大和撫子なんだから!女性の魅力は体つきじゃないの器量よ、器量!!」


雪菜さんは美月さんの言葉に少しコメカミがピクピクと動き一歩前に出て美月さんを睨み付ける


「へぇぇ器量と言うのは、ちゃんとした料理が作れる様になってから言って欲しいわねぇ~雫の作ったカレーを進君は美味しい美味しいって3杯もお代わりしたのよ?」


「そ、それはうちの五月も手伝ったって聞いたわよ」


「野菜を切っただけって聞いたけどぉ~」


美月さんと雪菜さんの舌戦はヒートアップしている、傑さんは・・・・苦笑いして周りを気にしてる・・・


ん?周り?


周囲を見渡すと少し離れた席から美月さんと雪菜さんのヒートバトルをクスクスと楽しいそうに眺めて楽しんでるギャラリーが大勢居た


そんな時ギャラリーの壁が真っ二つに割れる


「ママぁ!!」「お母さん!!」


会場に若い女性の怒号が響く


「さ、五月!?」「雫ちゃん?」


人だかりが割れた所に現れたのは、腰に手置いて明らかに怒り心頭の五月と雫だった


「ママってば!こんな衆目の中で何しょうもない事で喧嘩してんのよ!!」


「はぁ~お母さん・・・そのくだり前にもう終わってるの・・・今更ぶり返さないでよ・・・しょうもない」


美月さんも雪菜さんも娘の圧力に先ほどまでの熱量はすっかり冷めてしまい苦い顔をしている


「そ、そうだぞぉ二人とも、皆の前でみっともない喧嘩は止めなさい」


「そ、そうですよお二人とも、少しお酒に酔ったかな?アハハ」


愛想笑いをする俺とその場を取り繕う傑さん・・・・そんな俺たちの元に五月と雫がツカツカと近づき


「パパ・・・ダサ・・・」


「すすむん?何他人事みたいに言ってるの?そもそも すすむんがハッキリしないからじゃない?」


こういうのを何というのか・・・藪蛇?自爆?・・


俺と傑さんは五月と雫に一喝され小さく縮こまっていた



・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


「ホントにねぇ~雫みたいな魅力的な女の子のアプロ―チに耐え切るとか中々の難敵ねぇ~」


「ホントそれ、五月のあざと可愛いにも屈しないなんて・・・この子ったら学校の外でもメチャクチャモテる超優良物件なんだけどね、何でだろ?」


「まぁそれが、すすむんの良いところだしねぇ~」


「好きな人以外に告白されても困るだけなんだけど・・・興味もないし時間の無駄よ・・」


「それに進ったらまた新しい女の子も見つけてくっるし―――」


「あ、それ紅ちゃんだっけ?あの子もめちゃくちゃ可愛いよね?で、あの子とは上手くつきあえてるの?」


「まぁそれは大丈夫だよ?ねぇ五月」


「ええ、紅は年上だけどなんか妹みたいで可愛いし、まぁ実際私らの事をお姉さま達って呼んでるから余計にそう思うんだけどね」



・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


もう完全に傑さんと俺は蚊帳の外だ・・・


「進君・・・隅で二人で飲もうか・・・」


「ですね・・・」


見眼麗しいい女性4名が集まって話す内容が俺の事・・・


少し居心地が悪いが席を離れる訳にも行かず、傑さんと席の隅でグラスを傾け話に花を咲かす女性陣の方を見ながら無言で酒を飲むのであった・・・・











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