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閑話9  戦勝祝賀会①

〇笹本リゾートホテル  1F祝賀会会場


鰐淵さんの登場で立花さんの家の問題が一気に解決に向った・・・・俺も立花さんもどういう事なのかと鰐淵さんを問いただしたが


「まぁ私にも色々あんだよ、鰐淵の実家は実家、私は私まぁ解決したんだ細かい事は気にするな!アハハハハ」


「・・・・・・・・」「・・・・・・・・」


本心では納得は出来ないが、これ以上鰐淵さんの素性に探りを入れるのに恐怖を感じ無理やり納得する事にした


俺は時間も迫ってる事もあり、鰐淵さんと立花さんに断りを入れ早退させてもらい自室に戻るといつの間にかベッドの上に真新しいドレスコードが用意されていた


「ん?これは・・・笹本ホテル?」


封されている袋には笹本ホテルの印字が...どうやらホテルが俺に用意してくれた様だ・・・俺はその服に着替え


・・・・・今会場に来ている


会場には200名ちかいハンターやスタッフが祝賀会に参加していた、座席は50席程用意されておりビュッフェスタイルの立食形式でお酒もふんだんに振舞われ、各自テーブルで思い思いに談笑していた・・・


開会の挨拶は犬飼会長が行ったが一言「皆有難う!」だけ、その後すぐ乾杯があり早々に祝賀会は始まった



俺は一番角の席の前に立ち、以前 熊井旅館で失敗した事もありノンアルコールビールで喉を潤し我慢していた


「フフフ、こんな隅っこで一人で飲んでるの?」


「五月?お父さん達との話は出来たのか?」


「フフフまぁ多少はね」


五月は金髪のショートカットを後ろで束ね真っ赤なバラの髪留めで留めている


「そのドレス・・よく似合ってるね綺麗だよ」


「ふふ、有難う」


五月は真っ赤なチャイナ風のドレスに身を包みシルクのスカーフを巻いている、首元には金のネックレスがアクセントで輝く


俺の方へと近づいて来る五月の足元のスリットからはシミ一つない美しい太もももがチラチラと見え隠れする


「進も凄くカッコいいよ」


五月はオレンジジュースを飲んでる様だ・・・


「それにしても、こんなに大勢の人が参加してたのね・・」


五月は目の前に見える大勢が楽しそうに談笑してる光景を感慨深そうに見つめていた


「五月・・・俺について来てくれてありがとな・・」


「何よ今更・・・私は私の気持ちに従っただけお礼を言われる様な事じゃないわ」


「でも・・・お礼と言うなら・・・ねぇ進・・・」


五月はジュースのグラスをテーブルに置くと俺の腕をとり潤んだ瞳で俺の事を見つめる・・・


「五月・・・・」


「進・・・・・」


「すすむん~♡、ねぇ~私はぁ~?私も誉めてぇ~」


俺の腕をふくよかな双山で挟み込み耳元に熱い吐息を吹きかけてくる・・・凄く甘い良い匂いだ・・


「し、雫?」


「五月ばかり相手にしてないで私の事も構ってぇ~♡」


そう言いながら俺の腕を強く抱きしめる雫は、長い黒髪をサイドに纏めて前に流し右耳には青く輝く宝石のついたイヤリングが輝いていた、俺を見つめる長い睫毛から覗く黒い妖艶な瞳は愁いを帯びており、どこまでも引き込まれる様だ・・・・


「ねぇねぇすすむん私は?私の服はどう?」


雫は黒いレース柄の胸元を強調した服を身に着けていた・・・その破壊的なバストが今すぐにもはち切れそうだ、スカートも同じデザインのレース柄だがミニスカートな為、黒いニーソックスの隙間から見える絶対領域に周りの男どもはチラチラと視線を寄越しだらしなく鼻の下を伸ばしている


「あ、ああ雫もとても魅力的で綺麗だよ」


「あはっ♡襲いたくなっちゃった?すすむんならイイよぉ~」


「ちょっと!雫皆みてるのに進とあまりベタベタしないでよ!」


そう言いながら五月も俺の腕に絡み付く・・・


「グヌヌヌヌ・・・・」「ムムム・・・・」


「旦那様、このような人族の多い所・・・・紅は少し息苦しいです」


俺の背後に控えていた紅が口元を覆い眉間にしわを寄せながら声をかけてくる


紅はそのピンクの長い髪を頭の上でお団子にして、ピンクの桜柄をあしらった着物を着ている


(苦しいのはその大きすぎる胸が着物で押さえつけれられているからじゃ・・・)


「ちょっと~?すすむん?紅の何処みてるのぉ~?」


「あ、いや紅もすごく似合ってて可愛いよ」


「あ、有難う御座います・・・紅はうれしゅう御座います・・・」


紅は頬を赤く染め恥ずかしそうに俯いた・・・・


「アハハハハ、ドラゴンスレイヤー様はモテモテだな!英雄色を好む・・・正に!」


そう言いながら俺の席に来たのは顔中に古傷がある筋肉質な中年の男性だった・・・・ベテランの歴戦のハンターの雰囲気を全身からを感じる


「岩城さん!!」「あら、ご無沙汰です」


どうやら以前に五月と雫に聞いた東京のミッションでお世話になったハンターパーティーの人らしい


「こうして直接顔を合わすのは初めてだな、俺は岩城パーティーを率いてるAランクアックスファイターの岩城という」


岩城さんは俺に向けて右手を差し出した


「初めまして、龍道 進です」


俺は岩城さんの手を取り握手を交わす


「なるほど・・・師匠が未来を託したくなったのも頷ける・・・良い目をしてる」


「五月、雫、ご無沙汰」「元気そうでよかったわ」


「わぁぁ木津さん坂野さん!!」「お二人ともお元気そうで」


岩城さんの背後から現れた二人の女性・・・木津さんと呼ばれた大柄な筋肉質な若い女性はいかにも前衛職の物理アタッカーという雰囲気だ


もう一人の坂野さんと呼ばれた少しポッチャリした中年の女性は温和な雰囲気の優しそうな大人の女性だ


「龍道君、俺に一杯付き合ってくれないか?」


そう言うと岩城さんはビール瓶を手にして俺に向けて来た


俺は飲みかけのノンアルコールを一気に飲み干しグラスを岩城さんの方へと傾ける


コッコッコッ


小気味の良い音を鳴らしながら黄金の液体が俺の傾けたコップに注がれ白い泡が彩る・・・俺はテーブルにあるビール瓶を取ると今度は岩城さんの持つコップに注ぐ


「俺の事は進と呼び捨てで構いませんよ・・・それでは、皆さんの無事と勝利を祝して」


「フフフ、この国の未来を担う希望に」


「「乾杯!!」」カーン!


俺と岩城さんはビールを一気に飲み干しお互いに笑顔で頷いた・・・


ふと横を見ると、木津さんと抱き合って喜んでいる五月と坂野さんと楽しそうに談笑してる雫が目に入る・・・


「君が守った未来だ・・・誇ると良い」


俺は岩城さんの言葉に首を振り


「俺だけじゃ掴めなかったでしょう・・・彼女等やここに居られる皆さんのご尽力あっての未来です」


「フフフ、そうだったな・・・儂もまだまだ引退出来そうもない、この目で希望の行く末を見届けるまではな」


その後も暫く岩城さん談笑しながら酒を酌み交わす


この勝ち取った未来が少しでも皆にとって幸せな未来でありますように・・・・・








「五月ちゃん・・・雫ちゃん・・・皆ぁ~・・・なんか俺の事忘れてない?」
















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