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閑話1  富士山頂での戦いを語る ①

〇笹本リゾートホテル 最上階 スイートルーム


俺達は、犬飼会長の元にこの度のオロチの事、魔族のザビーネの事・・・そして


「まずは会長、富士防衛戦での勝利おめでとう御座います」


俺はまずは犬飼会長に深々と頭をさげる


会長はソファーを立ち上がり俺の前に立つと


ポンポン


俺の肩を優しく、そして力強く叩く・・・・


「それは儂のセリフだよ、龍道君・・・いや進君と呼ばしてもらってもいいかね?」


俺は頭を上げ照れながら後頭部を掻く


「そんな、照れてしまいます、好きなように及びください会長」


「ははははは、では進君儂の事も会長などと、堅苦しい呼び方はやめて源蔵と呼んでくれ」


「い、いやそれは、幾ら何でも・・・・」


「はははは、遠慮は無用じゃよ」


困って居る俺を見かね真理恵さんが助け舟を出してくれる


「ちょっと、御爺様、進さんが困ってるじゃないですか、いい加減にして下さい」


真理恵さんに怒られて少しバツが悪そうに笑う犬飼会長・・・・


「プッフフフ・・・・あははは」


「あははは」「アハハ」


俺は二人のやり取りに思わず吹き出してしまった、そして一緒にお邪魔している五月や雫も一緒になって苦笑する


「これは孫に一本取られたな・・・・所で・・・」


犬飼会長の視線が俺の・・・・背後に控えるピンクの髪の美少女を見据える・・・


俺は彼女の背中をそっと押して犬飼会長の前に立たせる


「初にお目にかかる、我は紅、誇り高き竜王オロチの娘にして紅蓮の翼で空を駆ける赤龍だ」


犬飼会長を前に腕を組み見下した態度を取る紅の頭を押さえ強引に頭を下げさせる


「なっ何をするのです、旦那様!?誇り高き竜王の娘にして、竜皇たる旦那様の妻の一人でるわたくしが何故人間如きに頭を!?」


俺に頭を押さえつけられバタバタと暴れる紅の様子に溜息をつき、軽く犬飼会長に頭を下げる


「申し訳御座いません会長・・・何分箱入りの娘でして礼儀と言う物がなってなってないので・・・ここは僕に免じてご容赦を・・・」


オロチの娘と名乗られ、驚き空いた口が塞がらない真理恵さんに対し、犬飼会長はさっきまでの和やかな雰囲気から一気に刃物の様な気配を放つ


「ほう・・・・これは詳しく事情を聞く必要があるようじゃ・・・」


「真理恵、何時まで呆けておる、今すぐ鳥飼と蜂須賀、それに十文字もここに呼べ」


源蔵の言葉に我に返った真理恵さんは備え付けの電話を手に慌ててフロントに連絡を取り出した



・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・



〇 20分後―――――――――――――


源蔵の泊まってるスイートルームに主要なメンツが呼び出された


「犬飼師匠、こんな夜に何かありましたか?って・・・・龍道?」


カジュアルな紺色のスラックスに薄紫のシャツ、白い薄い生地のジャケットを羽織った十文字は不自然にも腰に剣を携え入室してきた


「まぁ五月ったら私達の部屋にも来ないでこんな所に」


その後ろから、赤いワンピースに白いか―ディアンを羽織った美月が続く


「あら、美月私はてっきり雫と一緒に進君と、3人だけでベッドの上で最終決戦してるのかと思っちゃったけどぉ~フフフ♡」


五月の姿を見つけ、少し驚いた様子の美月の横に、白いズボンにクリーム色のノースリーブを着た雪菜が悪戯っぽい笑みを湛えながら顔を覗かす


「・・・・なぁ小五郎(蜂須賀 雪菜の夫)雪菜さんて、あんな感じだっけ?」


あずき色のジャケットを羽織り、同じ色のスラックスと白いシャツを着た傑が横の小五郎に小声で訪ねる


「あはっは、蜂須賀の女性は意中の男性には猛獣の様な肉食になるらしいよ~」


おっとりした雰囲気の、ちょっとポッチャリ体系の小五郎は青い桔梗柄の着流しに褞袍(どてら)を羽織ってニコニコしながら傑に答える


源蔵は尋ねて来た5人に目を向け


「夜分に呼び出して申し訳ないな・・・儂一人で聞いて後から伝えても良かったのだが、これからこの国を担うのはお前等だと儂は思っておる、だからお前等にも一緒に聞いて貰って判断して貰おうと思ったんだ」


源蔵の方を見ながら何の話かとお互いに顔を見合わす、傑達・・・・


そんな皆の様子を見て背後に控える俺の方を振り返り、静かに頷く源蔵に俺も頷いて答え源蔵の横に立つと、みんなが俺の方へと視線を向ける




「まずは皆さんに、オロチとの闘いの顛末とその経緯、それと魔族の陰謀についてお話しさしてもらいます・・・」















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