目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
第50話 地元の知り合いとの遭遇

〇 運命の狭間の世界にて


「本当に・・・オロチが復活する・・・のか?」


《人類が多くの犠牲と伝説級の武具で封印を施していたオロチへの楔が今しがた打ち払われた》


「!?」


『進・・・この状況は非常に危険だよ君の大切な人達を救う為にどう行動するかが今後の命運を握る・・』


《この世界の龍道 進よ我もこちらの進もお前にすべてを託した身だ、我らは貴様の決断を尊重する》


「お前がそんな事を言うとか・・・すこし気味が悪いぞ・・」


《再び運命が交錯する狭間であいまみえよう》




・・・・・・・


「戻って来たか・・・・」


俺は起き上がると由利さんが心配そうに肩に手を充てて抱き起してくれる


「あ、申し訳ありません・・治療して頂いて有難う御座います」


「ふふ・・元気になって良かった」


そう言いながら俺の腕に抱き付き体を寄せる


「うぇ?由利さん!?」


「あれぇ?由利?由利じゃないか!!」


そんな時茶店に入って来た1人の男と2人の女性がこちらに気づいて声を掛けてきた


「え?・・・・もしかして時夜(ときや)?」


声をかけてきた男の方を向き驚いた表情を見せる


時夜と呼ばれた男は、高級そうなスーツに身を包み腕には金色に輝く高級そうな時計を嵌めており指には邪魔になることを気にしてないのか大きな宝石の付いた指輪を指という指に嵌めている、身長はそこまで高くなく160㎝位だろうか、体系もやせ形の様だがお腹だけはポッコリと出ている、ワックスでピッシリと七三に分けられており黒縁の眼鏡の奥は濁ってヤラシイ目が覗いている、しかし一番目を引くのは額の真ん中に大きな黒子だ


「おいおい久しぶりじゃないかぁ~きいてるぜぇ旦那と死に別れて笹本姓に戻ったらしいじゃないか」


男の態度はとても友好的に感じない、明らかに由利さんを見下した様なしゃべり方だ


「と言う事は星奈もこっちに戻ってきてるのかぁ?くくく、そろいも揃って同じ男に嫁いだは良いけど、へましてくたばっちまう様な使えない男と結婚したお前らが、今どうしてるか俺なりに心配してたんだよぉ~くくく」


「くっ・・・アンタこそ暫く見ない間にずいぶん態度がデカくなったじゃない・・・昔は私と星奈の後ろに隠れてビクビクしてた小心者だった癖にw」


由利さんも負けじと嫌味たっぷりと言い返すと男の表情が一変し一気に顔が赤くなる


「てめぇぇほいほいと地元を捨てて、チャラいハンターの男に簡単に股を開く様な阿婆擦れの癖に舐めた事いってんじゃねぇぞぉ――あぁん!」


急に怒鳴り散らす男に茶店の従業員の女性が慌てて仲裁に入る


「申し訳御座いません・・お客様・・店内でもめ事は・・」


そう注意しようとした女性を「きゃぁぁ」急に殴りつける、殴られた衝撃と驚きで倒れ込み頬を押さえ恐怖に震えている


「たかがアルバイトが、この黒原(くろはら)時夜に意見するとか身の程が分かって無いようだなぁ!!」


時夜の暴挙に由利は驚き怒鳴る


「時夜ぁぁあんたぁぁ!!」


倒れてる女性に対し足を蹴り上げ様としてる時夜


【バシッ】


「あぁん?なんだぁ?てめぇは・・・邪魔だそこをどけよ・・」


俺は女性が蹴られる直前に時夜の足を左手で受け止め、キッと時夜を睨み付ける


「はなせ・・・その手をどけろ・・」


イライラしながら俺を睨みつける時夜


「由利さんや星奈さんは旦那さんを亡くされて悲しんでいるんだ・・それを心無い言葉で傷つけて・・その上無関係な女性に手を上げるなんて・・・それでもあんた男かよ!」


「てめぇぇ・・いい度胸してるな・・・覚悟は出来てるんだろうな・・・この町で黒原に逆らうって事がどういうことか・・・」


「ふふふ・・まぁまぁ此処は目立ちます、いったん引きましょう貴方」


時夜の後ろから現れたのは黒いドレスが、大きく盛り上がったバストに引き締まったウエスト、はち切れそうなヒップを強調し、長いウェブかかった黒髪が片目を隠し見えてる瞳は長いまつげと垂れ気味の妖艶な輝きを放っていた、真っ赤なルージュを纏った唇から覗いた舌はそれだけで男の欲情を駆り立てる


「ちっぃ!!くそっ!、お前ら行くぞ!!」


そう捨て台詞と共に店の扉を蹴り飛ばして時夜は店から出て行った、その姿を馬鹿にした様に笑う黒い女は男の後に続いて店を出ようとする際にチラッと俺の方を見て軽くウインクした


もう一人の女性は清楚な白いワンピ―スで茶色い髪の毛を後ろに束ねている、落着いた感じのする美人だが・・・・その表情は人形の様に無表情だった白いワンピースの女は軽く俺たちに頭を下げると二人の後を追いかけて店から出て行った


「大丈夫でしたか?」


女性従業員を立たせると、何やら顔を赤くして俺に何度も頭をさげてお礼を言ってくた


女性の頬の腫れは由利さんが初級治癒魔法であっと言う間に治療してくれた


「ねぇ由利さっきこの店から出てきたのって時夜じゃない?」


暫くすると星奈さんは後ろをチラチラみながら店に戻ってきた


「あ~ぁ進体調は良くなった?」


「はいお陰様で、星奈さんもありがとう御座いました」


「星奈・・時夜のこと・・後で話すわ取り合えず戻りましょう」


俺たちは星奈さんが近くに停車した車で旅館に戻る事にした







コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?