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第35話 関係者による会談

「御爺様!!進様は私達を助けてくれた恩人です!!」


「ほう・・・・詳しく聞こうか・・・真理恵」


「進様は緊急クエスト中に襲ってきたウエアウルフを退け私達を助けてくれました、そして今日この協会に襲撃してきたウエアウルフを倒した方です」


「ほう・・・中級魔物をな・・確かに先ほどの一撃を見ては信じる以外に無いな」


バン!!とテーブルを叩き十文字は立ち上がる


「ふざけるな!!奴は俺のギルドメンバーを殺したんだぞ!!」


「十文字!!お前の部下は高崎に組して私たち達の娘を危険に晒し、あまつさえこの町を守護する結界を破壊する事に加担したんだぞ!!」


傑の指摘に悔しそうな表情を滲ませる


「そ、それは高崎が連中を騙して・・・」


「見苦しい言い訳だな・・・そもそも騙されていたからと許される事だと思うなよ!」


「鳥居ぃぃそもそもテメェの娘共が協会に侵入なんかしなかったらこんな事にならなかったんだろうがぁぁ!」


テーブルを挟んでいがみ合う二人の様子をオロオロしている真理恵の様子を見て源蔵は【ガン!!】杖で強く床を突く


「いい加減にしてもらおおう、孫の説明を最後まで聞け」


「・・・くっ・・申し訳御座いません」「取り乱して・・失礼しました師匠」


「真理恵、あの男がお前たちを助けた事は分かったが、そもそも奴は何だ?なんのタレントだ?」


「進様は、初めて聞くタレント・・Dニュートと言うらしいです・・詳しくは私どもも・・・」


真理恵の様子を見ていた間宮支部長は書類を取り出すと源蔵に手渡す


「なるほど・・・これは確かに無能と呼ばれても仕方ないな・・武器適性無し、魔術適性無し・・しかしあの時に見せた力は我らの常識を超えてる・・」


「それと進様は聞いたことも無いスキルで・・・瀕死の重傷を負っていた五月さんと雫さんを同時に一瞬で治癒しました」


「!?あの時の光の波動か!!」


「はい・・・竜の瞑想という名のスキルを使用されてました・・・」


源蔵は顎に手を掛け少し考えるそぶりを見せる・・・「竜の瞑想か・・・龍神と何か関係があるのか?」


「五月・・お前の言ってた無実の罪で囚われていたという恩人がこの進君という事なのか・・」


「ええ、彼に三度も助けられた、私は・・・」


何か言いたそうな五月の様子をみてそっと微笑む雫は意を決し話す


「すすむん・・龍道 進はこの世界の龍道 進であって、そうではないの」


「ちょっ!雫!!」慌てる五月に手をかざし微笑んで制する


「どういう意味?雫」


娘の言動に興味を示す雪菜は雫に話の続きを促す


「進はあの日公園で瀕死の重傷を負い、蜂須賀クリニックで傷の治療は出来たのですが目を覚ました彼は以前の龍道 進では無くなってました」


「彼は言いました、自分はこことは別の同じような世界の龍道 進だと、そして彼の世界には魔族も魔物も竜族も存在しておらず魔法も存在してないと」


「はぁ?そんなのでどうやって生きていく?生活は?」


「そこまでは・・・しかし・・・」雫はチラッと五月を見る


「しかし彼は緊急クエストの最中にこの世界の龍道 進としての記憶も取り戻した様です」


「!!?えっちょっと、雫本当なの?だとしたら・・・私達を公園で助けてくれたのは・・・」


「ええ、この人で間違えないわ・・」


そう言うと雫の傍らで眠ってる進の頭を撫でて微笑む


「そ、それなら・・・何故、進は私達に打ちあけてくれなかったの?」


雫はその五月の質問に首をふり答えを持ち合わせて無い事を告げる


「話が脱線した・・・つまり彼は我々のしらない未知のタレントを持ちこの世界とは別の世界の人間でもある・・・と」


源蔵はそうつぶやくと、支部長に資料を返し一同を見渡し結論を告げる


「龍道 進の処分については追って告げる彼には本日このまま協会にとどまってもらう・・そしてこの場に居るもの全員にこの件の口外を固く禁ずる」


真理恵、五月、雫は源蔵より帰宅する事を命じられ退出した、のこった源蔵は、間宮、十文字、星奈達、鳥居夫婦と雪菜に告げる


「龍道 進には本日中にこの町より出て行ってもらう・・・既に臨時の護送車を手配してる行先は・・・富士の樹海だ・・」


その言葉に星奈と由利が立ち上がり講義する


「ちょっと待ってください!進は私たちの命の恩人でもあります魔境に連れていくなんて!」「そうです、それなのあんまりです!」


「だまれ・・これは協会の決定事項だ、理由はどうあれこの町の結界は破壊され修復には時間がかかる、それまでに多くのヒーラーによる結界呪文が必要になる・・奴の様な得体の知れない異分子をこの町に置いておくわけにはいかぬ」


「・・・わかりました・・・・でしたら一つだけ提案をお聞き入れ下さい・・・」



・・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・・


「まぁ・・・よかろう「総局長!!」よい、儂の権限で許そう・・・孫を救ってくれた男に対してせめてもの礼だ・・」



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