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第12話 協会は教会?

あれだけ派手な炎に包まれて何食わぬ顔の俺のとぼけた様子を見て呆れる二人は俺の周りをグルグル回りジロジロを舐めるように状況を確認すると


「確かに・・・なんとも無さそうね・・・」


「ええ・・・すすむんの身体だけでなく服にも焦げ一つ付いてないとは・・・信じられないわね・・」


俺は頭を掻きながら照れていると


「ちょっと!進は何照れてんのよ!これ・・どうするのよ・・・」


五月の指さす先を見ると、俺の足元には無造作なクレーターが店の中に出来ている


「どどどどどうしよぉぉ!!」


黙って俺たちの会話を聞いていた雫はそっと後ろを振り返ると何処かに電話を始めた・・・


『うん・・・頼みます・・』そう電話を切ると俺と五月の間にはいり両手を振りならがら


「あぁ~一応ここは何とかなりそうだから、「営業中止」の貼り紙して私らで片付けしよw」


「え?なんとかって・・・」「まぁ雫が何とかなるって言うならそうなんだろうし、やりますか!」


俺は二人に言われるままに「営業中止」の貼り紙をすると店内の片づけを始めた・・・






「ふぅぅこんなもんね!」汗をぬぐい腰をトントンと叩いて一息ついてる五月のと床の清掃をしてる俺の元に雫が「お疲れ様、休憩しようぉw」とコーヒーをもって来てくれた


「ありがと・・ってこれ売り物!」


「まぁまぁw固いこと言わないw」


「私は頂くね」そういうと五月は雫の手から缶コーヒーを受け取り片付けた荷物の入った段ボールに腰を落とす


「はいっw」雫は俺にブラックコーヒーを渡して自分は五月と同じ微糖のコーヒーに口をつける


「良く俺がブラック派って分かったね」と俺も一口、口にふくむ


「ああ~ついつい、この世界のすすむんが何時もブラックコーヒー飲んでたからw」


(へぇ~この世界の俺と多少の類似点があるのか・・・)そんな事を思いながら一気に飲み干すと


「あ、来たみたいねw」


そう言いながら店の入り口の方を振り向くと明らかにヤバそうなサングラスに黒いスーツの男数名に脇を抱えられた店長が真っ青な顔で店に戻ってきた


「は、はなせぇぇぇ」黒服の太い腕に抱えられて足が床に着いてない・・・雫はすっと店長の前の立つとこちらからは見えないが背後からでも凄い圧を感じる


「店長・・さっきは気が動転してて正気を失ったとはいえ、貴方は権限もないのに一般の民間人に魔法を使って攻撃しました、これは理解してますよね」


雫の話に俯きガタガタと震えてる様子が見える・・・


「私と五月も証人ですしあそこの防犯カメラでも確認できますよね・・・これを協会に持ち込んだらどうなりますかね?」


協会というワードに体がビクッとなり慌てて雫に懇願する


「ま、まってくれ雫君!あ、あのときは本当に我を忘れてて本当に悪気は・・」


「無かったと?」


「ああ、その通りだ!」


「でも彼が攻撃されたのは紛れもない事実ですし・・・」


「そ、そうだ!!龍道君!!今回の事はお互いに水に流すというのでどうだろうか!!」


「そ、そんな・・・店長おれの方こそ店をメチャクチャにして・・謝罪するのは【ギュウ――ッ】っえ?」


急に脇腹に違和感を感じそっちを見ると五月が怒った様な表情で俺の脇をつねりながら首を振って俺を制止する


「すすむん、店長はこう言ってるけど如何する?今回の事を水に流せばお店の床を壊した事は水に流すと仰ってますが?」


「お、俺の【ギュウ――】ああ、それで俺も構いません!」


「ということです店長?今回の事で龍道君に修理費を請求したり、不当に解雇や減給したら・・・わかってますよね?」


「ヒィィィ勿論です!!」「あ、あと商品が水浸しでダメになってますが此れは貴方の放ったファイアーのせいなので、すすむんには全く責任は無い、いいですね」


「は、はいぃぃ!」「では此方にその旨を記載した書面を用意したので捺印をお願いしますねw」そういうと黒服が用意した書面に拇印を押し解放されると、慌ててその場から逃げ出した


黒服達も雫と五月に深々と頭を下げるとその場から立ち去った


「ふぅ―――これで一先ず解決ですね、まぁ当分営業出来ないでしょうがw」


「雫・・君は一体・・・」「まぁいいじゃないwそれより五月そろそろ時間じゃない?」


「あ、本当だ!ほら進早く支度して協会に行きましょう!!」





俺たちは店を施錠してから、歩いてこの町にある一番大きな協会に向かう事にした


「こ、ここか・・」俺が見上げた協会第5支部と書かれた上には何度も何度もこの目に焼き付けたエンブレムが掲げてあった


(これって・・ドラゴンロードの教会のエンブレムと全く同じじゃないか・・・)そのエンブレムは中世の騎士の持つ盾の中に十字架が刻印されたマークだった


「ほら、わざわざ私らの為に営業時間を延長してもらってるんだから早くはいろう」


おれは五月に手を引かて協会の入り口から中に入ると


「お待ちしてました鳥居様・・・」そうシスターの様な服装に身を包んだ女性が深々と頭を下げて出迎えてくれた


「今日はお忙しい中無理言って申し訳ありません、本日は事前に申し入れした通り【タレント】の再鑑定を依頼にきました」


「伺っております、で、その方・・・・!?」


俺の顔を見たとたんに驚いた様子の協会職員の女性は薄っすらと頬を染めて瞳を潤まし両手で口元を押さえる


「あ、あのぉ本日は宜しくお願いします・・・龍道 進です・・」


「あ、あぁぁぁすすむ、すすむ、進様!!」そういうと職員の女性は俺に抱き付いてきた


「な!?」「はぁ!?」「え?!」突然の事で驚く俺達


「あ、あのぉこ、これは・・・・」動揺する俺の様子に職員の女性も驚くと


「お、お忘れですか!?私です!!真理恵です!!」


「真理恵?・・協会のまりえ・・・・教会のマリエ・・・ん?・・・!?マリエェェェェ?」





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