それから数日間は平穏に……とはいかなかった。
次の騒動が起きたのは、たった2日後。まだ誰の禁も明けていない時だった。
その日、
「ねぇ、あれからそっちも苦労してるんじゃない? グループの頭数も2人足りないんだしさ」流はみどりんとチキンに尋ねた。
「そんなことないよ。それでもこっちは6人いるし」
「確かに、クロシーと赤音ちゃんって有力者が抜けた穴は小さくないですけど、それでも、
「あぁ。そっちはブレインが抜けてないか。こっちはユッスーがいないから、グループが機能不全になっちゃって。話し合いはまとまらないし、誰もどうしていいのか分かってなくて真王に怒られるしさ」流は溜息をついた。「改めてユッスーの偉大さを知ったよ。俺、
一行は通用門から校内に入った。
「あ。あそこの植え込み、何か引っかかってる」体育館横の植え込みを指してみどりんが言った。
「え? どこ? どこ?」
「待って。取ってくる」
みどりんはツカツカと植え込みに近寄って、枝の間に隠されるように置かれていた何かを拾った。次の瞬間、彼は血相を変えて駆け戻ってきた。
「ちょっ……これっ、これっ!」彼は拾った物を差し出した。そこには黒い油性ペンで“果たし状”と殴り書かれていた。
「え……果たし状⁉」思わず流は叫んだ。
「どうします?」心配そうにチキンが言った。
「一応、兄さんに見せて、どうするべきか聞こう」みどりんは言った。
「そうしよう、行こう」
3人は部室へと急いだ。
「明日夜7時。
普段、ユッスー主宰の水曜定例の勉強会『ミミル』で使われる以外に、余り使われない第2部室では、
上層部会とは、彼らの所属している『
この会への参加資格は、部の運営に関係する何らかの役職についていること。
流は金曜定例『何をしても構わない日』の主催者であったので、資格を持っていた。
しかし、チキンとみどりんはヒラの部員だ。緊張してるのかな? 流は思った。
「聖! キョーちゃん!」真王は言った。
「お前ら手分けして、ユッスー、クロシー、ベルギーを呼んで来てくれ」
「分かった」伝令部隊の長と副長は、揃って部屋を飛び出して行った。
「伝令部隊の帰還まで、一時休止だ」真王は宣言した。「マキコ、ヒカル。マサ
「マサ板は異常なしよ」マキコが言った。
「この間の件は1つも出てないよ」
「ゴシ板はバンバン流れてるよ」とヒカル。「だいぶ
「いいや。止めとく」真王は断った。
「え~つまんない」ヒカルはむくれた。
「ねぇ、流」みどりんが呼んだ。
「こっち来て」彼は流の腕を掴んだ。
流は廊下へ連れ出された。みどりんはチキンも呼び出していた。何のつもりだろう。
「ここじゃなんですから、こっちへ」そう言ってみどりんは廊下を歩き出した。
彼が立ち止ったのは、校舎の同じ階で逆端にあたるポイントに来た時だった。
「流、この1件、俺らでなんとかしねぇ?」みどりんは言った。
「この騒動の火種は
「でも、真王に散々脅されたばかりじゃん」流は指摘した。
「それはこれでお願いします」チキンが秘密にしてくれ、というジェスチャーをした。
「だけど……」流は反論しようとしたが、チキンとみどりんに、「上層部会では適当に流しておいて下さい。僕らはこれから作業に戻るので」と押し切られてしまった。
その後、議場に戻った流は、