「で…だ…俺はここに飯を食いに戻ってきたはずなんだが…?」
「白夜…お前、暴力団ではない人間を一人殺したな?」
(あいつかぁ…)
俺は思い当たる人物を脳裏に浮かべながら弁明を図る。
「いや…俺の前で絶望するのが悪いよね」
その刹那、天地が反転した。
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「………?」
(あいつ…容赦なく首落としやがったな…)
俺は自身の首が落とされたことを知っている。だが俺はいまこうやって意識を保っている。となると…
「またやらかしましたね?」
案の定想像した人物の声がする。
「ハイ…やっちゃいました…蘇生ありがとミューア」
視界にはまるでRPGの回復術師のような恰好をしているミューア。だがその見た目から受ける印象はあながち間違いではない。
「お願いしていた男の蘇生は終わったのか?」
「ええ、もう完治していますよ」
笑顔を浮かべるミューアは首を切り落とされた死体を生き返らせることが可能…それどころか寿命以外の死因を持つすべての死者を蘇らせるほどの治癒力を持つ…れっきとした能力者であり
【治安維持局 医療部門最高責任者ミューア・レイア】 7名しかいないSランク能力者のうちの1人は女神のような笑みを浮かべるのだった。