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第六章☆十三月革命

   第二部☆金星のリラ

      第六章☆十三月革命

 貯水池の管理人専用の住居へリラシナとミリーは向かった。

「ナノマシンを制御する器機の出力を逆回転させるんだ。そうしたら、争いは止み、逆に平和が訪れる」

リラシナが器機を調整している間、ミリーはイヤリングを片方はずして映像を送る準備をすると、擬似テレパシーでメイと連絡をとった。

メイの指示で、火星人の男を革命家たちは拘束した。

メイの持っている方のイヤリングを太陽系ネットワーク通信映像と繋いだ。

ミリーとリラシナの姿が世界に映し出された。

「こちらは十三月革命軍総指揮者・金星のリラ」

厳かな声が流れた。

「火星の王女ミリー・グリーンと金星のリラは和平交渉を行った。たった今、金星は火星の支配を受けず、独立することをここに宣言する」

ナノマシンを飲み込んでいる大勢の金星人たちが歓喜の声をあげた。

「金星は平和の星。戦いはいっさいのぞまない」

火星へ向かおうとしていた攻撃挺の一団は金星へ帰還する決定を下した。


 「ミリー!急いでここを離れるんだ」

不意にリラシナが血相を変えてミリーの腕をつかんだ。

二人が管理人専用住居を出た途端、ミサイルが住居を火の海に変えた。

「火星と金星の両方から追われる身になったね。空港で落ち合おう。僕はパイソンに別れを告げてくる。僕らはここでいったん別れよう。また必ず会えるから」

リラシナはミリーの頬に軽くキスをすると、そこで二人は別々の方向へ駆け出した。

「必ず、また会おう!」

かすかにリラシナの声を聞いた。

ミリーはその言葉を胸に抱いて空港へと急いだ。


   第二部☆完

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