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第9話

池からしばらく移動した私はボスのいるエリアにやってきた。

地形は【森】

森の中を【ハンター】は決まったルートで巡回する。

その巡回ルート上に待機した私はその辺に落ちている石を一つゲットする。


「見えにくいけどそこにトラバサミがある」


モニターに映る画画面の中央には巧妙に隠されたトラバサミが一つ見える。


「戦闘開始だね」


私はそのトラバサミに向かって石を投げる。完璧な角度で投擲された石は、トラバサミを起動させる。


「トラバサミの中央部分を狙うといいよ」


そんなアドバイスをした刹那、銃声が鳴り響いた。


「ショットガン…ハンターだね」


木に隠れながらハンターが接近するのを待つ。

私の持つナイフは基本近距離戦用で近づかなければ意味がない。

一応木などの遮蔽物はあるがショットガン相手に正面から突っ込むよりも初動を有利に進められる奇襲のほうがいい。


「ボス狩りってのは思ったより簡単でね?」


足音が聞こえてくる。

ボスのハンターの装備武器は、ダブルバレルショットガン、ボルトアクションスナイパーライフル、そして毒付きナイフと各種トラップ。


「遠距離で発見されたら基本勝ち目はないけれど…」


ボスの行動は一定のエリアを巡回。だが、トラバサミが作動すると獲物を確認しに近づいてくる。


「こうやってトラバサミを作動させておびき寄せればショットガンの距離に持ち込める。そこでナイフで首を刺しボスを倒す」


いくらボスでも大体は首を狙えば一撃で倒すことができる。

まぁ、首を狙うのは相当大変なわけだが。


「あれだ」


目元を開けた麻袋をかぶり、顔を隠している巨人が音を立てながら現れた。


「さて…やりますか」


わたしは颯爽と木の上に飛び乗り、走る。

音に気付かれハンターがこちらに向けてショットガンを構える。


「1発目」


発砲された弾丸は目の前の大木の幹にめり込んだ。


「2発目…ここだね」


2発目を打った瞬間、私はハンターの首めがけて走る。


「終了っと」


ハンターがリロードを終え構えたころには、私のナイフは首に届いていた。


「討伐完了っと」


経験値とお金、目当てのCCも少しだけ手に入った。


「このボスが一番効率的に倒せるからみんなもやってみるといい。まぁ効率面でいえばもっといいのあるけど」


同時接続数が0と1をさまよっている今の配信。見てくれてる人へのささやかなお礼として情報を出す。


「一番はPKが少ないことかな」


そんなことを言った刹那、ハンターのいない静かで深い森には一つの銃声が鳴り響いたのだった。

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