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第6話

結論から言うと勝つことができた。

私をあれだけ煽ってきたプレイヤーはPVPにて私に一つもダメージを与えることができていなかった。


「弱すぎる…」


本当に勝つつもりだったのかという疑問が真っ先に来た。

そしてその疑問の答えもすぐに分かった。


答えはNOだった。


あの勝負以来、私のDMにはとんでもない数の略奪戦申し込みメールが来ていた。

つまりあのプレイヤーは自らを引き金役としたのだ。


最速でカギを取ったプレイヤーより先に鍵を見つけるのではなく、鍵を持ったプレイヤーからカギを奪えと。


「やってくれたね」


私はすぐにDMを切りそれまでに略奪戦を申し込んできたプレイヤーを全員返り討ちにした。

だがその間に日は進み、【青のカギ】についての情報がすでに出回っていた。


「プレイヤーの誘導が得意なプレイヤーのサブ垢かな…あのプレイヤーは」


冷静に考えればあんなに弱いプレイヤーはそうそう見ない。

いくらデータがリセットされるといってもプレイヤースキルまでリセットされることはない。

だがレベルは初心者とは言えなかった。


本垢とは言わずとも、情報屋系のサブ垢…そう考えるべきだろう。

そして、あのプレイヤーはPVPにて鍵の掛け金としてみたこともないアイテムをかけたのだ。


「500円玉…?」


なぜこのゲームの世界に500円玉があるのかは謎だが、今まで長いことやってきた私でも見たこともないアイテムだった。おそらくはレアアイテムだろう。


「だけど鍵と同じ価値があるとは思えないけど…システムが略奪戦を成立させたのはバグ…?」


そんなことを頭の片隅に置きながら、私は次のカギについての情報を集めるのだった。

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