■その161 囚われのお姫様達■
皆さん、こんにちは。ただいま、僕の主の
ホテルの一室みたいで、お部屋の真ん中にはキングサイズのベッドがドーン!!とあって、テレビも大きいです。付かないみたいですけど。カーテンを開けると、大きな窓の向こうは海です。
「車の中もだったけれど、危害を加えるつもりはないみたいね。今のところは」
大きなベッドに腰を掛けて、
そんな主達を、テレビの横の椅子に座って、ジッと監視している男の人が居ます。少し細めの体格に、黒いスーツと、黒のサングラス。主達、威圧感はそんなに感じてないみたいですけれど、会話する声はいつもより控えめです。
「でも、どうしようか? 荷物もそうだけれど、スマホが取り上げられちゃったから、三鷹さん達に場所がわからないよね。三鷹さん達が公園に行ったとしても、迷子を交番に預けに行ったとか、一緒に親を探してるかもとか、思っちゃいそうじゃない?」
主や桃華ちゃんの性格を考えれば、そうかもしれないです。桃華ちゃん、ちゃんと梅吉さんに『公園に迷子がいて…』って、連絡していましたし。
「まぁ、あの三人だから、きっと何とか探し出してくれるわよ」
心細く聞く主に、桃華ちゃんはあえて明るく答えました。主は、今まで以上にコソっと聞きます。
「そうだね。それまで、大人しくしてる? 逃げてみる?」
主と桃華ちゃんは、監視している男の人をチラッと見てから、桃華ちゃんの膝枕で眠っている
「今のところ安全なら、変に動かない方がいいかな?」
桃華ちゃんは和桜ちゃんが寒くない様にと、上掛けを捲って小さな体にかけました。
「そうだね。三鷹さん達がお迎えに来てくれるの、待とうか。それで、帰ったら、笠原先生に新しい
主は優しく、桃華ちゃんの艶やかな黒髪を撫でました。桃華ちゃん、大切にしていた簪を、車に乗せられたときに落としちゃったんです。あれだけ気に入って使っていた簪が、大切なお守りが無くなって、桃華ちゃんも不安だったんです。もちろん、主も僕と離れ離れになって不安になっています。僕、主の鞄の中ですから、取り上げられちゃったんですよね…。
「そうね」
主の手の感触に、桃華ちゃんは寂しそうに微笑みました。
「2人… と1匹が一緒だから、大丈夫よね」
「うん、大丈夫だよ、桃ちゃん」
桃華ちゃんと主は、ギュッと手を握り合って、笑顔を交わしました。
不意に、秋君が起きました。主の足元にストンと下りて大きく体を伸ばすと、入り口のドアに体を向けました。鼻に皺を寄せて、ムキッっと歯を剥き出しにして、姿勢を低くします。
「失礼」
トントンとドアがノックされて、男の人が入ってきました。主達の前にビシッ! と立つその人は、チョコレートブラウンのスーツをビシッ! と着ています。桃華ちゃんより小柄な体格と、オールバックにした寂しいグレイの髪、蛇みたいに細い目と大きな口。
「初めまして、三島
男の人は、細い目を更に細めて自己紹介しました。