目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
第63話 二人と一匹で一人前の戦隊員!!

 皆さん、おはようございます。ミタカさんのワンコの『秋』です。

 病気に負けないお注射、頑張って終わりました! 迷子になっちゃった時、直ぐにボクを見つけられるように、マイクロチップも埋め込んでもらいました。痛くなかったですよ。


「そろそろ、散歩するか…」


 ご主人様の何気ない一言は、昨日の夜でした。ご飯を食べた後、皆でリビングでまったり。お父さんお母さん組は、食後の珈琲を飲みながらテレビ。オウメちゃんとモモカちゃんは食事のお片付け。双子君達、ウメヨシさん、カサハラ先生とご主人様は、モノポリーをやっている時でした。

 ご主人様のそんな一言に、皆、一斉にテレビの前でウトウトしていたボクを見ました。


 日曜日の10時。今日は久しぶりにサッカークラブの練習がないからと、ウメヨシさんが車を出してくれて、皆で隣町の大きなショッピングセンターに来ました。

 まずは、ボクの首輪を買ってくれるそうです。


「やっぱり、首輪は目立つ色がいいわ。お散歩は夜も行くんだから、地味な色は危ないわよ。秋君が黒いんだから」


 大小色も様々な首輪がズラ~っと並んでいます。真っ赤な首輪を持って、モモカちゃんが言いました。


「でも、赤は女の子みたいだよー」


 トウリュウ君の手には、青い首輪があります。


「でもでも、戦隊もののリーダーは赤だよ! リーダーって、カッコいいよね!!」


 戦隊ものが好きなカコ君は、ちょっと鼻息が荒いです。いつもはサッカーの練習があるんで、戦隊ものは録画で見ています。ボクも一緒に見てます。


「リーダーが赤なら、尚更駄目だよ。僕たちのリーダーは、ウメ兄ちゃんだから、赤はウメ兄ちゃんの色だよ」


「あ、そうか」


 トウリュウ君に言われて、カコ君は納得しました。


「じゃあ、リーダーの補助をするブルーは、笠原先生だから、ブルーもダメだね。ピンクはお姉ちゃんだし、黄色はモモちゃんでしょー… グリーンは?」


「その並びだと、三鷹みたかさんじゃないの?」


 ボクを抱っこして、事の成り行きを見守っていたオウメちゃんが聞きました。


「タカ兄ちゃんは、後から仲間になるブラックだよ。助けてくれるけど、皆とはちょっとポジションが違うんだ。3番目のグリーンは、元気が良くってヤンチャなんだよ。秋君にピッタリでしょ? 」


 カコ君、得意気ですね。


「元気でヤンチャな3番目なら、龍虎りゅうこがピッタリじゃない。

秋君とお揃いで買う?」


 モモカちゃんが、小馬鹿にしたように笑いました。龍虎は、皆が双子君達をまとめて呼ぶときの名前です。


「あ、お揃い、いいかもー!」


「秋君とお揃いー!」


「ワン!」


 ボクも、お揃い、嬉しいです。


「そうね、二人の首輪はサイズがないだろうから、反射板をお揃いにすれば?」


「反射板?」


「あ、学校の交通安全教室で、お巡りさんからもらったやつ!」


 オウメちゃんの提案に、カコ君は首をひねって、トウリュウ君は授業を思い出しました。


「そうね。夜のお散歩は、危ないからね。さ、選びましょ」


 選んでくれた首輪は、細めの濃い緑色。リードも、緑色になりました。お散歩の時に首輪に付ける反射板は、双子君達とお揃いの黄緑色のカエルです。

もちろん、チョイスはオウメちゃんです。


「僕と夏虎かこと秋君で、戦隊グリーン!」


「皆で、戦隊グリーン!」


「ワンワンワーン!!」


 ボクのご飯とか、おやつを選んでたご主人様達と合流して、お会計です。

お会計して直ぐに、ご主人様は買ったばかりの首輪と反射板を付けてくれました。双子君達も、背中のリュックに反射板を付けました。




コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?