「ユタ殿は、どの様な職業で、スキルなのですか? その体格ですと戦闘職では、あっ、先ほどのあの少年を戦闘不能した動きは中々のものでしたね!」
イケメンが隣の部屋ヘ進む俺の横に来てそんな事を聞いてくる。
いやいや、あんた今からそれ調べるんやろ!
「俺のですか? 鍛冶士ですよ、こんな事になったし、周りは皆12·13歳でしょ、48歳の俺は若い子達の体力にはついて行けないし、補助でも出来たらなぁって考えで支援職にしたんだ。スキルも鍛冶に必要そうな、鑑定、身体強化、アイテムボックス、後は耐性系で、戦う事もあるだろうしと考え精神耐性ですね。俺達は戦争のほぼ無い境遇で育ちましたから、まぁ、ケンカくらいはありますが命の取り取られは、まず経験しません。この耐性が無ければ皆精神が耐えられないと思いますよ」
「ほう! その様な事まで考え選ばれたのですね。しかし、精神耐性ですか······他の皆様はお持ちなのでしょうか? 無しですと、このままでは厳しい事になるのですが」
でしょうね~、いくら奴隷で言うこと聞かせられても精神に異常をきたせば、どうなるかわからないよな。
「そうなんですよね~、神様がオマケで着けてくれてると助かるんですがね~」
そこのところどうなんですかね神様、後、帰れないって何なんスかっ!
『皆には精神耐性なんぞ着けとらんぞ。着けたのはお主と、後は少女達じゃ! ほっほっほっ。少年達は修練じゃの』
どわっ!? 思わずビクッとなり小さくジャンプ!
「ど、どうされました」
おうイケメンすまんが後で
「いえ、何でもないです。裸足なので小さな石でも踏んだみたいです」
「は、そうなのですね、早めに靴を用意しますね」
「はい、宜しくお願いします」
お~い神様話せるので?
『うむ、まだ召喚の歪みが残っておるからの。もうじきに閉じるのじゃが、ほっほっほっ。して、先ほどの質問じゃが、お主は帰れないのぉ、子供達は相当苦労するが帰れる。が、そこの奴らの言っておった召喚時点に戻ることは無いのぉ、この時点で向こうでは数年の時が進んでおる、そこまで戻すとなると1000年は今いる世界全の者が魔力を集め、何とかなるレベルじゃ。ほっほっほっ。ちなみにお主は神に気に入られてるからの、その世界に順応しきっておるわ、ほっほっほっ。帰った途端に連れ戻されるの、ほっほっほっ』
無理じゃん! ってか帰らせてもらえない俺って! それに『ほっほっほっ』が多いよ!
まぁ、今まで、適当に流されて来て気が付いたらおっさんになってたもんなぁ~はぁ~
『そうじゃの、この世界に召喚されなければ流されたまま生涯を終えとったの、······ほっほっほっ』
はぁ~やっぱりそうか······って神様それ気に入ってるのね、ならもう使っても良いよ。
『あやつは、その事も気にしておっての、じゃから今回の······ふむ、時間じゃの、お主達者での余裕があればあやつにも会えると良いの。』
まぁ、何とか? まだわからないがやってみます。神様もお元気で?
『こんなところで良いかの?』
『創世神様、ありがとうございました』
『後はあやつの努力次第じゃからのぉ』
『はい。心根が優しく良い人でしたので、健やかに歩んでくれると』
『じゃな』
はぁ、どうしよっかなぁ······詰め込み過ぎだよほんま! ん~あかん! 悩んでるだけやと進まんな!
とりあえずは情報集めて行くしかないか、んで、タイミング見計らってこの国から脱走?
良し! 情報収集! と、ステータスの向上が任務であります! っと、まずは······聖と、紗々ちゃんと、打合せも······後の奴らは······。
時間が欲しいな考えがまとまらんし、早速だが、ステータスの調べるやつやった後やね。
おっ! 結構進んでるな、ふむふむ。
おっ糞ガキか
名前 ケンジ Lv 1
性別 ♂
年齢 12歳
状態 全身打撲·
職業 魔法剣士
スキル
剣術Lv 3
火属性魔法Lv 3
生活魔法Lv 1
アイテムボックスLv 1
おお! やっぱ馬鹿剣士って感じやね。
おっと、スキルにLv表記あるし! 状態か奴隷は表記無しにしてるんやねってか全身打撲! 笑!
装備もなるほどね、ちゃんど生活魔法と、アイテムボックスあるし、ん? 全身打撲の後の『・』は? これもしかして、確かめるには······ステータス!
名前 ユタ
性別 ♂
年齢 9
状態 健康·(奴隷)
職業 鍛冶士Lv 2(神鍛冶士Lv MAX)▼
スキル
鑑定Lv 1(神眼)
身体強化Lv 2(神体強化)
アイテムボックスLv 1(無限収納)
省略
装備
サイズ自動調節の腕輪
(生活魔法·アイテムボックス·(奴隷))
なるほどなるほど、隠したり出来るんやね。
とりあえずはこのままでいっかな、そろそろ順番かな?
糞ガキはヨタヨタ歩いてたから最後の方みたいやし、次は俺かな?
などと考えてたら呼ばれ、確認され、皆が終わったようだ。
「はい、これで皆様のステータスが確認出来ました。戦闘職7名、魔法戦闘職5名、支援職5月名、と、なります」
「ふむ、支援職が思ったより多いが」
「支援職と、言いますが、武器、防具、アクセサリーを作成出来る鍛冶士、治療薬、毒消し薬、を作成出来る薬士、ポーション系、HPやMPの回復はもちろん、薬士では回復出来ない魔法系の状態異常の回復ポーションの作成が出来る錬金術士、魔法職では有りますが、ヒール、キュア等の回復魔法士、最後に召喚以前の食生活が、ないと精神的に厳しいのですが、今回は調理士の方がいらっしゃいました!」
「ほぅ。召喚されて下さった人数に対して多いと思ったが良いではないか。」
「はい! 後方支援部隊としてパーティーを組む事を提案します!」
「良かろう。そのように進めよ!」
「はっ!」
「後は、戦闘職の皆には低級でも良い、回復魔法も修練いたせ! 突発なケガ程度はパーティー内で応急措置した方が良かろう」
「はっ! 修練担当の者に伝えておきます!」
「では、戦闘系12名と支援系5名に分かれ、修練担当の
「はっ!」
1人の兵士が、部屋から駆け出て行く。
結構な人数呼ぶんやね~。白髭爺さんとイケメンは、何やら話してるし、このまま待ってれば良いのかな?
「ねぇねぇユタさん。」
「はぁ、勇大な。んでどうした? 腹でも空いたか?」
「そうお腹ペコペコで······違っ!」
「ボケツッコミ上達してきたか?」
「そうじゃなくて! これからどうなるのかな? って不安で······」
そうだよなぁ、俺は神様にある程度聞いてしまったからマシだが、コイツ達は神様に職とスキル貰って戦うぞ~くらいしか分かってないしなぁ。
説明出来なくはないが、こっちに来て間もないから不安だろうし、も少し後にした方が良いかな。
聖の頭をナデナデ。
「ふみゅ~ユ、ユタさん? 今のユタさんだと顔が目の前にあって······ゴニョゴニョ······」
ん~も少し様子見だな。
ん? 聖の顔が目の前? 赤くなってる?
おう! 可愛いとこあるやん! ちょっと悪戯······。
下を向いているので聖の顎にそっと手を添え軽く正面を向かすと目と目が合い、じっと見つめてやる······。
すると、胸の前で手を組み、うるうるしている眼を少しずつ閉じていく······。
ん? ヤバっ! これはキス待ち!?
はっ! 完全に眼が閉じられた! ど、どうしましょう!
わたわたしてると真横に紗々が······ガン見!
コクコク、って頷きクイックイッ! と行け行けと聖の方を指差す。
良いのか! イヤあかんやろ! ってか寄って来てるし!
ヤバいヤバい! はっ?
俺の後頭部に手が添えられグイっ!
ちゅっ
なっ!?
微かに残る唇の感触、やってしまいました? やってしまったのだろう、父と娘ほど年齢の差があるのに······
あれ? 何だか抱きつかれてますけどいつの間に?
完全に俺に抱きついている聖、俺の左頬に聖の左頬が引っ付いている。
いつの間にか聖の背後にまわった紗々が聖をサンドするように抱きついてくる。
「勇大さん、私もお慕いしておりましたのよ」
ちゅっ
へっ?
いやいや! なっ! 何が? どうなって?
左頬は聖、右頬は紗々······。
「あの~」
返事は無い。
「もしもし?」
返事は無い。
「お2人さん」
返事は無い······。
背後に気配が······。
「あの~、どんな状況かわからないのですが、支援職で集まってとの事なのです。が、お邪魔ですの?」
「これこれ! これぞ異世界名物ハーレムじゃ! 邪魔するでないぞ!」
「はっ! ハーレムですの! みっちゃんに読まされた本にあったのですの!」
「そうじゃ! 異世界転移でのテンプレ! 元の世界で同じ屋根の下の女性! 家族ぐるみでの付き合いのあった女性! まぁ、幼馴染みのレア版じゃの。しかも! ユタ殿は、クラス転移に巻き込まれたとなると、主人公の可能性大じゃ!」
「ほわぁ~あっ! それに、生産職ですの! 成り上がりですの! 王女様に聖女様に他種族の王女様に貴族令嬢から奴隷の女の子ですの! あっあ、後は、ダンジョンでは最下層に落っこちてレベルアップですの!」
「うむ。その通りじゃ! して妾と葉月お主もハーレムメンバーじゃ!」
「ほえぇ~! 用務員さん確かにダンディーマンでしたの! 今は凄く可愛いですの! 美味しいご飯食べて欲しいですの! 宜しくお願いいたしますですの!」
「善き哉善き哉。ユタ殿、妾は三葉、こやつは葉月、葉っぱ繋がりで幼少の頃よりの
はっ! 何がどうなって?
とりあえず、このメンバーがパーティーのようです······。