他の子の初配信も私の様な事故はなく普通に終わり、今度は振り返り配信のためにお互い通話を繋ごうとしていた。
私も二人の初配信を見ていたが、結構いいキャラ設定が多かった。
私の次に配信をしたのは大口 クロウ、狼耳が特徴の活発系だ。赤くて胸元まであるロングヘアに、とても綺麗な黄色の目、ちょっと露出の多いセーラー服という感じで、趣味がスポーツという運動系女子、球技が好きらしい
二期生初配信レース最後の配信をしたのは三川 マリヤ、おっとりした感じのお姉さんキャラで、優しい声色で一気に同接を増やした実力者でもある。腰までくる長い茶髪に、おっとりとした茶色の目、服装は白いシャツの上にクリーム色のロングコートを着ただけのかなり簡素な服装だった。
あかり「あー、お二人方聞こえます?あかりです」
クロウ「おっ、繋がったか、聞こえてるぞ」
マリヤ「聞こえてますよ〜」
そうして三人で通話を繋げ、通話環境を再確認する。ただまぁ事前に何回も練習してるし特に問題はないとわかったため、そのまま振り返り配信の準備をする。
あかり「あと10分ぐらいか、何か少し話します?」
マリヤ「それは配信中に言わないとだめなのでは...?」
あかり「そうだったわ」
クロウ「うーん、やることねえな、あ、お互い初配信見たよな?」
あかり「私は見たよ」
マリヤ「私も見させていただきました〜」
なんというか、話すことがない。話すこと自体はあるのだがそれは配信中に話したほうがいいだろう、そんな若干気まずい空間の中、クロウがとある提案をする。
クロウ「...暇だしもう始めるか?特段待機することもねえしさ」
あかり「あー、いいと思うけど一応運営に確認取るか」
マリヤ「マネージャーに相談したらおーけーでましたよ〜」
クロウ「さっすがまりやん仕事が早い」
なんというか、クロウは陽キャ属性があるのか人と慣れ親しむのが早い様だ。私もまりやんって呼ぼうかな...
あかり「んじゃあもう始めちゃうか、ポチッとな」
クロウ「おっ、始まったな」
ちなみに、この配信はトロイメライブ公式の方のチャンネルでやっているが、私が2期生代表として配信のいろんな権限を持っている。なぜ私なんだろうか
===コメント===
・あれ?始まった?
・始まっちゃったけど
・早いな、まだ時間あるぞ
・早速のコラボ楽しみ
・どうなるかなぁ
・ミスって配信始まった?
・んん?
あかり「はい、この三人で話すことも特にない気まずい時間を終わらせるため予定時間よりちょっと早く始めました。ということで!はいどうもみなさんこんにちは!トキメク魔法をあなたの心に!トロイメライブ二期生の琥珀あかりと」
クロウ「トロイメライブ二期生所属の運動会系女子高生!大口クロウと!」
マリヤ「みんなの心の落ち着く拠り所へ、トロイメライブ所属の二期生、三川 マリヤです」
あかり「ということで!初配信を終えたこの三人で、初配信の振り返りをしながらちょっとした雑談をしようという配信になっています!」
それぞれが自分の挨拶をし、配信の始めを彩る。というか、振り返り配信って何するんだろうか、周りに合わせよう。
クロウ「いやぁ、初配信緊張したわ、あかりん事故ってたけど大丈夫か?」
あかり「いやぁ、むっちゃ冷や汗かいたよ、最初の配信で事故るのはきつい...」
マリヤ「まぁあかりさんは初配信で緊張していたでしょうから...」
あかり「まりやんー、ありがとー」
===コメント===
・てぇてぇ
・あかりちゃんの事故はもはや芸術だった
・マリヤの声好き
・こう見ると全員個性あるな
・わいは二期生箱推しや
・一期生とのコラボはやるんかな
・どんな感じのコラボ配信になるかなぁ
あかり「えーっと、初配信振り返りって言っても振り返ることないんだよな、どうしよう」
クロウ「んまぁ確かにな、緊張したけどできたーぐらいしか話すことないぞ?」
マリヤ「それでしたら、それぞれ質問タイムを設けるのはどうですか?」
クロウ「あーいいなそれ、じゃあ配信順であかりんに質問してくか」
あかり「唐突...まぁいいけどね」
唐突に指名されたが、質問し合うというのはいいと思う。お互いにもっと深く知れるし、いいアイデアだ、これが咄嗟に思いつくまりやんすげぇ
クロウ「んじゃもう私からすっごい気になっていること聞くんだが、あの...二重人格について詳しく聞いていいか?」
===コメント===
・それはそう
・まじで気になる
・あの設定気になりすぎて夜しか眠れなかった
・そもそもあの声どこから出てんだ
・いきなり本題ぶっ込んでくるタイプか
・初配信まだ見てないから唐突な知らない情報に困惑してる
あかり「あーそれね、あれは設定とかじゃなくて一応マジモンの二重人格だよ」
クロウ「は?」
マリヤ「あら〜そうでしたか」
===コメント===
・んん!?
・えっ今なんつった
・設定じゃないの?
・えっ?えっ?
・おっとぉw
・唐突な告白
・ウッソだろ
・まさかの実話
・マジか
・コメント欄ありえんぐらい加速してて草
クロウ「えぇ...っと、マジの二重人格なの?」
あかり「うん!ちゃんと精神科の人に相談したよー、なんか、イマジナリーフレンドの延長線の様な物って言われた」
クロウ「すごいな、あんまそういうの知らんけど大丈夫なのか?
あかり「うん、自分でも制御できるしネタにできるぐらいには楽しんでるしね。呼んでこようか?」
クロウ「あぁ、せっかくだし頼む...」
===コメント===
・ホラー要素満載やん
・唐突なホラー展開
・まぁそういう事例もあるらしいし?(震え声)
・これは一人二役と言えるな
・二期生はもしや四人ユニットだったのか
・これはもう一つの人格が推しになる人出てくるぞ
ちなみに、色々誇張表現はしているが事実である。前世の記憶と今世の記憶は混ざることなく乖離している。なので違う人格と言っても過言ではない。
あかり?「あー、えっと、これでおけ?どもどもこんちゃ」
クロウ「おー、本当に人が変わったみたいだな」
あかり?「まあな、どうせだしこっちで質問受け付けるか、質問あるか?」
マリヤ「それでは私から...その、お名前って本当にないんですか?」
あかり?「そうそれ、本当にないんだよね、名前...あったと思うんだけど忘れちゃった」
クロウ「名前って忘れるものか...?」
前世の記憶は、時々記憶が曖昧なところがある。それが名前だ。どうしても前世の名前が思い出せないのだ。
あかり?「せっかくだしおいおいリスナーに名前つけてもらうわ、それじゃあ他質問は?」
クロウ「んじゃー...そうだ、お前とあかりんと違う点は何かあるか?」
あかり「んー、特に変わりはないんじゃないか?強いて言えば、俺の性別は男だ。この体慣れないんだよ...」
===コメント===
・まさかの男女混合ユニット
・男きたこれ
・えっ、つまり女の体を持つ男...いいねぇ
・これ以上視聴者の性癖を曲げないでくれ
・一人だけ設定濃すぎるだろ
・なんだこれは(白目)
・女性Vtuber事務所に男がいても炎上しない奇跡
クロウ「よし、とりあえず気になりすぎるから一回置いておくか。どうせだし今のまま配信するか?」
あかり?「んまぁ、飽きない限り」
クロウ「よし、じゃあ進めるか、次私なー」
と、こんな感じでホイホイ進んで行った。一人だけの配信とは違って話す相手がいる場合は、かなり会話は弾む様だ。
マリヤ「クロウさんは球技が好きと言ってましたけど、球技の中でも何が好きなんでしょうか」
クロウ「それはもちろんバスケだな、中高ずっとバスケやってたからな、楽しいぞ」
あかり?「俺は...そうだな、ゲームとかそういうのはやるのか?」
クロウ「うーん、やるにはやるけどあんまりやらないかな、これを機にやる機会が増えるかもしれんけどな」
===コメント===
・バスケやってたのか
・バスケうまそう
・中高やってたは経験は豊富だろうな
・ゲームあんなやらんのか
・まぁスポーツ特化ならゲームとかやらんのだろうな
・色々なゲームしてほしいなぁ
・スポーツ配信とかあるのだろうか
クロウ「んじゃ、まりやんは苦手なものとかあるのか?」
マリヤ「苦手なものですか...食べ物で言えば苦いものですかね、あとは...頭を使うスポーツなどでしょうか」
あかり?「そいや、なんでそんな服装なんだ?」
マリヤ「この服装であればロングコートを脱ぐだけで薄着になれますから〜、体温管理が簡単なんですよ〜」
===コメント===
・苦いものが苦手なのか
・苦いのはワイも苦手やで
・苦いのを食べる配信待つか
・頭を使うスポーツってなんや
・咄嗟の判断力が求められるスポーツ?いや全部じゃね?
・そのロングコートそんな意味があったのか
・服装はわいも気になってた
・それ本当に体温管理できるのか()
と、こんな感じでそれぞれ質問をぶつけながら何巡かし、視聴者の質問にも答えながら雑談配信を続けていく。
大体1時間ぐらい経った頃、枠の時間がなくなりそうだったので、そろそろ締めに入ることにする。
あかり?「んじゃあ時間も時間だし俺は一回戻るわ、それじゃまた」
クロウ「じゃあな、...今度あいつの名前を考える配信でもしようかな」
マリヤ「その時はぜひ呼んでくださいね〜」
あかり「ん、なんかあいつに枠のほぼ全て吸われたんだけど、まぁいいか、それじゃあ画面に注目〜、これがそれぞれの一週間のスケジュールです。配信見にきてね〜」
クロウ「結構話すのって疲れるんだな」
マリヤ「私は話し慣れてるので大丈夫ですよ〜」
あかり「私自身はほぼ喋ってないから大丈夫、ということで配信以上!これからよろしくね〜」
===コメント===
・後半無理矢理やなw
・まぁ普通に考えて1時間話し続けるってきついよな
・一週間スケジュール結構詰まってて楽しそう
・一期生の反応の後で見に行ってみるか
・よっしゃ寝るぞー
・お疲れー
・お疲れ様です
・これは大型新人の予感
そうして、配信を無事に終えて軽い雑談を交えそのまま通話も切ることにした。明日は普通に雑談配信をする予定なので今日はもう寝よう...ただ、こうやって同期と話すと自分もついに推しのいるVtuber事務所に入ったんだなぁという実感が湧いてくる。
こうして、ついに念願のトロイメライブに所属することができ、推しとイチャラブするという目標に一歩近づくことができた。しかしこの時の私は知らなかった。こっちが一歩進んでいる間に向こうから助走をつけて走ってきていることに...