小学三年生の佳代子は、担任教師から酷い嫌がらせを受けてしまった。
大学を出たての、まだ若い教諭だから仕方がないのだろうか。
担任教師は、佳代子の目の前で、自分の、ジャージ姿の下半身に手を入れると下着の中からケツの毛をむしり取って、佳代子に見せた。
「かよちゃん、これが先生のケツゲ!」
担任教師は、どちらかと言うと暗い性格の佳代子を笑わせようと思ったのだった。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。
佳代子はショックを受けてしまい、そのことを、夕飯のときに両親に言った。
「お母さん、今日担任の先生がケツ毛をむしり取って私に見せてきたの。」
「担任の先生ってすごくハンサムよね?・・・なんでかしら!」
すると奥の部屋で野球中継を見ていた伯父が食卓の居間にやってきた。
「かよちゃんは、そういう星の下に生まれた女の子なんだな!ほらっ!」
なんと、伯父も、ケツ毛をむしり取って佳代子に見せた。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。
「かよちゃんは、イイ男がケツ毛をむしり取って差し出して見せる、そういう女の子に生まれたんだよ!」
伯父はそう言った。
「三人目が王子様だ。次にケツ毛をむしった男が、かよちゃんのための王子様だからね!」
伯父は、にかっと笑った。
その後。
佳代子は高校に入ると野球部の女子マネージャーになった。
同じ学年の男子部員と仲良くなり、友達以上恋人未満。
そのかいあってか、男子部員はチームの四番打者に成長した。
名は、野村と言う。
夜。夏の地方予選で決勝まで進んだ日の夜、明日の決勝戦を前に野村は佳代子を呼び出した。
よく二人で歩いた神社の脇道は、夜になると少し顔色が違うのも気にならないくらい、二人の心は一つだった。
「かよちゃん、甲子園って本当に違うな、行けるのかなって思うと、バットの重さも感じないが、手の甲から骨が飛び出そうなくらい今から緊張してる。」
「・・・野村くん。」
「かよちゃん、本当に好きだ。かよちゃん・・・」
ブチッッ!!!ブチブチブチッッ・・・・!
野村は、ケツ毛をむしり取って佳代子に見せた。
引きちぎったケツ毛を手のひらで差し出して、見せた。
「ケツに毛が生えている理由がやっとわかった・・・。かよちゃんにむしり取ってあげるためだとしか思えない。・・・好きになった日からずっと、ケツ毛をむしるのを我慢してた。」
佳代子は照れくさそうに言ったのだった。
「なんでそんな我慢したんだろうな。野村君じゃなくて、他の人がやってくれちゃったら、どうしてくれたんだろうな。」