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Episode8 - SP1


--マイスペース


「えぇーっと、まずは……あったあった。『特殊戦利品について』」


マイスペースへと戻り、適当な机の上に白い何かが中に入っている水晶を置いた後、私は追加されていたトピックスを呼び出した。

いつの間にか色々と追加されていた様で、『魔煙術について』、『菜園について』など後で確認しておいた方が良さそうなものもある。


「何々……『特殊戦利品とは、ボスなど一部の特殊な敵性モブから特殊な方法で入手できるアイテムの事を指す』。特殊が2つ続いてるけど、まぁ確かに特殊ではあったなぁ」


扉の先に居た、白い私。

今まで見てきたどの敵性モブよりも特殊であり、尚且つ使ってきたものも特殊……というか。ほぼ私の様なものだった。

その胸の中心から抜き取った水晶は、確かに特殊な物品であると言えるだろう。


……ボスからも取れる、って事は……分かりやすい所だと『信奉者』のネックレスとかも取れるのかな。

試す価値はあるだろう。

今までは倒す為に破壊してきた物ではあるが、何かしらの利があるなら試すべきだ。


「『特殊戦利品の使い道は特殊戦利品ごとに様々であり、一様に同じとは限らない』。成程ね」


確かに、水晶と推定特殊戦利品であろうネックレスでは使い方は異なるはずだ。

片方は素材として、もう片方は問題がないならそのまま装備品として使えるのだから。


トピックス自体はここで終わりであり、次はようやく目の前の水晶の詳細の時間だ。

内容によってはメウラに加工してもらうかもしれないし、死蔵する可能性だってある。

何なら一回限りの煙草に変えてしまうのも手だろう。


「一応【観察】はぁー……うん、変な所は無し。よし詳細」


『真斬のピアス』のように、変なオーラ等、目視できる異常がない事を確かめた後に詳細を開く。


――――――――――

白紫煙の継晶

種別:特殊戦利品

品質:-

効果:煙質変化コンテンツの解放

説明:内部に紫煙のような何かが込められている水晶

   周囲の紫煙を吸収し、肉体を、自我を得ていたが、今はもう動かない

――――――――――


「……うぼぁ」


口から変な音が漏れた私の気持ちも考えて欲しい。

正直、そろそろ新しいダンジョン以外の新コンテンツの追加はお腹いっぱいなのだ。

だというのに、ここに来て特殊戦利品によって追加が確定してしまっているという現状。

……えぇっと……うん。掲示板での言及は無し。これも縛りの範疇か。


コンテンツ、と銘打っている時点で大なり小なり掲示板では話題に挙がる筈。

しかしながら、今検索したとしても特にそれらしいスレッドも、レスポンスも見つける事は出来ない。


「ま、あって損じゃないし。取るか」


【白紫煙の継晶を消費します】

【煙質変化コンテンツを解放しました。トピックスを追加します】

【プレイヤー情報確認……獲得可能な煙質が存在しています】


「おっと?」


ログが流れると共に、私の目の前に2枚のウィンドウが出現する。

だが、それを見る前にトピックスを開いて内容を確認していく。


――――――――――

■煙質変化


今までのプレイ状況によって、STを含めた紫煙に対して変化を齎します。

変化した紫煙は煙質と呼ばれています。

プレイヤーによって獲得できる煙質は異なります。


※変化は不可逆であるので、獲得する場合はよく考えて選択してください。


――――――――――


「……成程?」


詳しい内容自体は分からないものの、結局の所。

私のプレイによって獲得できるようになるもの、と考えれば良いだろう。

紫煙に関係しているコンテンツという事で、【魔煙操作】の操作感などが変わらなければ良いのだが。


「えぇっと、獲得できるのは……アレ?2つとも獲得できるのかコレ」


紫煙外装の強化のようにどちらか片方だけかと思ったものの……両方共に獲得する事が出来るようだった。

だが貰えるものは貰っておいて損はないはずだ。多分。

改めて出現した2つのウィンドウを見てみると、少しだけ笑みを浮かべていた私の表情はどんどんしかめっ面になっていく。

そこには、


「【狼煙】は良いとして……【怨煙変化】、ねぇ……うん……」


どう考えても、『切裂者』との戦闘による影響が出ているであろう煙質が表示されていた。


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