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第六十八話

やりたいことは後に回すよりも先にやってしまうほうがいいと思ったので

翌日は魔法学校へ行くことにした。


ミスティさん達に今日は魔法学校にいくと話すと「そうか、なら私も用意するので少し待ってくれ」

と言われた。


ミスティさん達も魔法学校に用事があるのかな?


とりあえずミスティさん達の用意がおわるまで、ルーネと遊ぶ。


「いくよルーネ」

アルージェからは何人たりとも近寄らせないただならぬオーラが放たれる。


ルーネもそれに呼応してにらむだけで人を失神させそうな雰囲気とオーラを纏う。


「お座り」

アルージェから命令が出されたと同時にルーネはすぐに反応しお座りをする。


「やるね、だがこれならどうだ」

アルージェはニヤリと笑い。


「お手、お代わり、伏せ、ねんね、ち〇ちん!」


すべての命令が届くと同時にルーネは完璧に命令を遂行する。


「さすがルーネやるじゃん」

とアルージェが褒めるとルーネは当たり前だいわんばかりに「フンスッ!」と鼻息を漏らす。


「少年とルーネの息ぴったりだな、ただやる場所は考えたほうがいいのではないだろうか」


宿屋のロビーで遊んでいた為、公衆の面前でアルージェはち〇ちんと叫んでいた。


そのことを理解したアルージェは恥ずかしくなり

「ミスティさん早くいきましょう」と早足で宿屋を出ていく。


「ルーネと遊ぶのに熱中しすぎた・・・」

アルージェはトボトボと魔法学校に移動する。


「まぁ、見た目はただの少年だし、そこまで気にすることないんじゃないか、なぁマイア」

ミスティが馬車の窓から励ます。


「そうですね、そこまで気にすることはないかと」

馬車を操縦しながらマイアもミスティの言葉に同意する。


「だといいですけど・・・」

いまだに現実を受け入れることができないアルージェ


「それにしても、ルーネは伝説の月狼族もビックリの本当にきれいな毛並みだな」

ミスティが風呂に入れられて綺麗になったルーネを見てしみじみと話す。


「月狼族??」

アルージェが気持ちを切り替えて質問する。


「あぁ、物語にもよく出てくるもう絶滅したと言われている伝説の狼一族で、高い知能と強度の高い肉体を持ち魔法も使えたらしい万能な狼だったらしいぞ」

ミスティが月狼族が出てくるおとぎ話こんなにあるんだぞと名前を挙げ始める。


「へぇ、すごい狼がいたんですね、確かにルーネも当てはまりますけどねぇ、絶滅しちゃってるならルーネはただ頭のいい狼なんでしょう」

ルーネのことを褒められてアルージェは少し鼻が高くなる。


「そうだな、もう五百年以上も昔の書物に絶滅したと書いていたからな、そもそも月狼族を知っている人もいないだろう」


「僕はそんな昔から書物があってさらにそれが今も残っていることに驚きですけどね」


「何をブツブツと言ってるんだ?ほら、もう魔法学校が見えるぞ」

ミスティが指を差す方を見ると大きな門が見える。


「あれが魔法学校ですか、門が大きすぎて奥が何も見えないですね」


門にたどり着くと石でできた甲冑姿の置物が近づいてきて、

「こちらはルミアス魔法学校ですが何か用御用ですか?」と尋ねられる。

優しそうな男性の声が聞こえてくる。


「石像がしゃべった!!どうなってんだ!?」

アルージェがルーネから降りて石像の周りをぐるりと回るが動力源などが見つからない。


「これはゴーレムと言って、人の生活を豊かにできる可能性がある魔法として非常に注目されて・・・・、おっと失礼しました、つい魔導人形の話になると熱くなってしまうのです。それでどういった御用ですか?」


「あっ、すいません、これ知り合いに貰ったものなんですけど」

そういってアイテムボックスからカレンにもらったキーホルダーのようなものを取り出す。


「あぁ、学生の親戚ですか、ちょっとこの子の手の上置いてもらえますか?」

アルージェは言われるがまま、石像の手の上にキーホルダーを置く。


「おや?カレンさんのではないですか、最近見ないと思っていましたが、スカウト活動でもしてるんでしょうか」

石像からブツブツと聞こえる。


「あ、あの!僕付与魔法について学びたいんです!可能なら中に入れてもらえないですか?」

アルージェが目を輝かせて石像にお願いする。


「付与魔法?なるほど、であれば私と同じ道を進む可能性もありますね、その時はよろしくお願いしますね、さて、カレンの知り合いでしたら見学することは問題ありません。そちらの貴族様も一緒に見学でよろしいですか?」

石像がミスティ達のほうを向き、声をかける。


「あぁ、頼む」


「かしこまりました」

石像は門の近くに移動し、大きな門に手を触れると門が音を立てて開く。


「今、門開けました、出るときはまた声をかけてください、では中へどうぞ」


「ありがとうございます!」

アルージェはルーネに跨り、スタコラと門の中に入っていく。


ミスティ達も続けて門に入る。


アルージェ達の眼前には先ほど門が開いた時には見えなかった、広大な土地や大きな建物があり、

入口からまっすぐと道が続いている。


「この道の先にあるあの一番大きい建物が校舎なのかな、他の建物も何をするかわからないけど大きいな、チェスの駒のルークみたいな形してるし」

アルージェはキョロキョロと辺りを物色しながら大通りを進む。


「少年、何やら学生に見られているが何かしたのか?」

ミスティは近くにいる学生がアルージェを見ていることに気づき指摘する。


「えっ?そんなにみられてます?」


「私の勘違いではないはずだ、なぁ?マイア」

ミスティが馬車からマイアに確認する。


「そうですね、確かにアルージェさんが学生の近くを通るたびに学生の方がアルージェさんを見てますね」


「やっぱり、部外者がいるとまずかったですかね・・・?街に戻りましょうか」


そんなことを話していると学生?教員?みんなローブを着ているのでわからないが一人近寄ってくる。


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