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第六十六話

どうも、皆さんごきげんよう、アルージェです。


町を出て一月半が経ちました。


王都遠いですね。

まさか一月半もかかるとおもってなかったです。


この一月半の間で初めに弱音のあげたのはまさかの僕だけ。

いやね、野営舐めてましたすいません。


ニツールからフォルスタに来たときは一人だから辛かったんだよと思ってましたが、

まさか人がいてもつらいとは、朝頭の近くにでかい虫が居たとき本当に泣きそうになりました。


まぁそんなことはさておき、

今居る小高い丘から見下ろせばすでに王都の城壁が見えています。

この距離から見てもわかりますがかなり広いです。


あれが、王城で、あれがルミアス魔法学校かな。

ここからでもわかる大きな建物がいっぱいあるなぁ、王都すげぇな



ささっと王都にいって僕もシティボーイになるぞぉ!

じゃなくて、付与魔法めちゃくちゃ勉強するぞ!!


あっ、あと知ってましたか?

ミスティさんの側付きをしてるミスティさん昔は盗賊やってたみたいですよ。

二週間くらい経った時にルーネとマイアさんが小競り合いをして、初めて荒い口調で話してたのでびっくりしました。


マイアさんは完璧メイドだと思ってたんですが、ギャップがすごくてあれはあれでアリですね。


えっ?町を出た当日??色の書の話をしてる時??

何の話をしてるんですか!?あの日は早く寝・・・・た?あれ思い出せない。


「少年、どうした考え事か?それともまたホームシックか?」

ミスティがアルージェの様子を見て馬車の扉を開けて声をかける。


「ミスティさん誤解を招く言い方やめてください!ホームシックじゃなくてちょっと疲れてただけだから!」


「もうやだぁ!って明らかに泣いてた「誤解ですって!」」


「ふむ、私は年相応のアルージェが見れてよかったがな」


この一月半ミスティさんとマイアさんとはかなり距離が縮まったと思う。、


ルーネもミスティさんとちょくちょく話してるのを聞くし、距離縮まってるのかな?


ただルーネとマイアさんはちょくちょく小競り合いをしていて、縮まっていない気がする。


ミスティさんマイアさん、ルーネと話していると王都の城門に到着。

中に入るための列に並んでいると門番の兵士が慌てて近寄ってきて

「失礼します、無知で大変申し訳ございませんが、家紋から察するにどこかの貴族様ではないでしょうか」


馬車を操縦するマイアさんが対応する。

「辺境伯家のご子女様でございます」


「やはりそうですか、それであればこちらで対応しても問題ないですが、貴族様用の門があちらにありまして、あちらだとここより早く中に入れると思います、お急ぎであればあちらにご案内しますがいかがでしょう?」


マイアがミスティに確認する。


「それではお願いします、あとこちらの魔獣と少年も関係者なのですが、一緒で大丈夫ですか?」


兵士は少しほっとした様子で「大丈夫ですよ!では案内します!」とそのまま貴族用の門まで連れて行ってくれる。

よほど貴族様を対応したくないのだろう。


貴族側の門はほぼ確認もなく、かなりスムーズに入場できた。

マイアさんが家紋付きの書類を見せて、僕とルーネの主従契約だけ確認するだけだった。


本当に貴族様様です。


王都の中に入ると、まず目についたのはかなり大きな噴水。

「王都すげぇ!」

アルージェが目を輝かせているとルーネが気を利かせて噴水の近くに寄って見せてくれる。


「ルーネ、王都ってすごいね、建物もフォルスタと比べてもかなり大きいし、馬車用の道路もある、王都って感じだ!」


アルージェがうろちょろしているとミスティが馬車から降りて近寄ってくる。

「少年、本当に君は本当に行動が読めないな、大人っぽいのかと思えば年相応の反応もして、まぁ元気なのはいいことだがね」


「いやぁ、すいません、ここまで大きな建物久しぶりに見たので浮かれちゃいました」


「そうかそうか、なら宿はこちらで取っておくから、ルーネと街を見に行くといい」


「いいんですか!?ありがとうございます!ほらルーネ!お座りしてる場合じゃないよ!早く行こ!」


ルーネを引き連れてアルージェは街の探索に向かう。


「行動が早いな、さてマイア私たちは宿を取りに行こうか」


「はい、ミスティ様」


ミスティ達はアルージェの背中を見送り、宿を取りに向かおうとするが

「ん?そういえば地図やら何も持たずに行ったが場所とかわかるだろうか?」


「あの犬がいるから大丈夫かと思います」


「マイアは本当にルーネが嫌いなんだな」


「いえ、そんなことは」


「いい加減負けたことなんて忘れて仲良くすればいいと思うが」


「負けたからではありません、それにあの犬とは今の距離感が適正だと考えていますので」


「それならいいがな」


「えぇ、問題ありません」


「マイアは頑固だな、まぁいい、それよりマイアこの宿という仕事、私がアルージェの側付きになって初めての頼まれた仕事なんだ、一緒に宿を取るの手伝ってくれるな?」


「かしこまりました」


「助かるぞマイア!」

今度こそミスティたちは宿を取りに向かう。

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