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4-12 接近禁止令を出される私

「ふわあぁぁぁ〜……よく寝た……」


 翌朝、目が覚めた私は大あくびをしながらベッドの上をチラ見した。するといつの間にかクロードはベッドの上で眠っている。


「あら? クロード。いつの間にか部屋に戻っていたのね」


 クロードを起こさないようにそっと部屋を出ると、いつもの日課で場内のパトロール? を始めた。言っておくけど、犬の本能で散歩をしているわけでは決して無い。


 クンクン匂いを嗅ぎながら廊下を歩いていると、嗅ぎなれない匂いを感じた。


「あら? 何かしら? この匂いは……」


 よし、この匂いの元を辿ってみよう。早速自分の本能にしたがって廊下の匂いをクンクン嗅ぎながら、歩き始めた。


「ここね? 匂いの発生源は」


 そこは普段は使われていない部屋だった。きっとここに何かがあるに違いない。

私は器用に後ろ足で立ち上がると前足を使ってノブを回し、扉を開けた。


 キィィィ〜……


 扉を開けると、天蓋付きのベッドが盛り上がっている。誰か寝ているのだろうか?

 警戒しながら近づき……覗き込んでみると、眠っているのは『コーネリア』様ではないか。


「あら? ここで眠っていたのね?」


 なるほど、ここは客間だったのか。私がこの城にやってきてから一度もお客が訪ねて来たことが無かったので分からなかった。


 それにしても……じっと見つめれば見つめるほど、顔に幼さを感じる。

 う〜ん……もしかすると、まだ15、6歳位かもしれないなぁ……?


 首を傾げたそのとき――


 コーネリアがパチリと目を覚まし、私とモロに視線があった。


「ワオ? ワオンワオン」

(目が覚めた? おはよう)


 すると……。


「キャアアアアアアア!!」


 コーネリアは耳をつんざくような悲鳴を上げた――




****



「ワオン! ワオン! ワオン!」

(なんでよ! どうして! 閉め出さないでよ!)


 クロードの部屋の前でウロウロ歩き周りながら扉に向かって吠える私。


 結局、あの後私を見て泣き叫ぶコーネリアの声を聞きつけた使用人たちによって部屋から出されてしまった。

 更にコーネリアが私を怖がるので、近づかないようにと接近禁止令? を出されてしまった。

 その為に、現在クロードの部屋から私は閉め出されてしまったのである。


「うう〜……そんなに怖がらなくたっていいじゃないの……。この体そんなに怖いかしら?」


 私は窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめた。使用人達の会話で分かったことだけれども、コーネリアは後1週間はこの城に滞在予定らしい。


 ということは、私は1週間もの間クロードと会うことは出来ないのだ。

 何しろコーネリアは1日中、クロードに張り付いて離れないからだ。


「あれじゃ、幾ら何でもクロードだって参っちゃうわよね……四六時中、一緒だと疲れちゃうわよ」


 コーネリアが城にやって来たという話を聞かされたとき、クロードの表情が曇った気がする。

 ひょっとして、内心クロードは参ってるのかもしれない。


「はぁ……でも仕方ないわね……。この分だと、絶対に部屋に入れてもらえないだろうし……」


 ため息をつくと、私はトボトボとその場を後にした――





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