「う〜ん……」
どの位眠っていたのだろう? 不意に私は目が覚めた。
「ふわああああ〜…あ〜よく寝たわ……」
思い切り伸びをし……私は自分がとても豪華な部屋の中にいることに気付いた。
見上げるほどに高い天井からは豪華なシャンデリアがぶら下がり、広々とした部屋の壁には巨大な風景画が全三方向に飾られている。
「あら? 一体ここはどこかしら……え!?」
その時私の目の前に、キャンバスに向かって絵を描いているクロードの姿が目に入った
「ニャニャン? ニャニャーン!?」
(どういうこと? 何故クローが!?)
「あ、目が覚めたんだね? ミルク」
クロードは手にしていたパレットと筆を傍らのテーブルに置くと私に近づいてきた。
え? 何? 何?
私は自分がカゴに入れられたふかふかクッションの上で眠っていた事に気付いた。
「ニャン! ニャニャニャニャニャン!」
(分かった! ここはクロードの部屋だわ!)
クロードは私が驚いてキョロキョロしている様子が面白かったのか、笑いながら近づいてきた。
「アハハハ……ごめんごめん。目が覚めたらカゴの中だったから驚いたんだね?」
そしてクロードは再び私の背中を撫でてきた。
うん、やっぱり彼の撫で方が1番心地よいかもしれない。喉をゴロゴロ鳴らした。
「実はね、アビーに頼んでしばらくの間君を借りることにしたんだよ」
「ニャ? ニャニャン?」
(え? 借りる)
「僕は生まれつき身体があまり丈夫じゃなくてね……季節や気候の変わり目で喘息の発作が出てしまうんだ。おまけに猫アレルギーもあるんだよ。猫が近くにいると喘息になってしまうんだけど……何故か君だけは平気なんだよね」
そしてクロードはヒョイと私を抱き上げた。
「実は、今大事なお客から猫の絵を描いて欲しいと頼まれているんだ。だけど、僕は子供の頃から猫アレルギーであまり身近に接したことがないんだよ。それでアビーに頼んで絵が完成するまでは、この部屋で飼わせて貰いたいって頼んだのさ。勿論彼女は喜んで承諾してくれたよ」
「ニャン? ニャンニャンニャン!?」
(そうなの? それじゃ一緒に暮らすのね!?)
「アハハハ……何だか僕の気のせいじゃ無ければ、随分喜んでくれているように見えるけど……そう思っていいのかな?」
「ニャンニャン!」
(当然じゃない!)
私は首を縦に振った。
蛙の姿でクロードと出会って、もうすぐ2ヶ月くらいになるだろうか?
今迄メタモルフォーゼ出来たのは全てクロードから感謝されてきたお陰だ。
今までは野宿? 生活だったけれども、猫の姿になって私の生活は大幅にレベルアップした。
しかも今度はクロードと一緒に暮らせるなんて……。
「ニャ〜ン……ニャニャニャ? ニャニャンニャニャンニャーンニャニャン!」」
(フフフ……覚悟してなさいよ? 必ず貴方に感謝されて今度こそ人間に戻るんだから!)
クロードに抱きかかえられながら、私は不敵? に笑った――