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1−10 命がけの捜索

 キラキラと太陽の光が差し込む水の中を私は泳ぎ回りながらペンダントが沈んでいないか探し回った。


 けれど、池とは言っても中々の広さ。ましてや今の私は小さな蛙。当然捜索するのに時間はかかる。


『ぷはーっ!』


 息継ぎをする為に水面から顔を出す私。


 そう言えば……肝心なことを聞くのを忘れていた。一体どういう形状のペンダントなのだろう?

 自分の声が『ケロケロ』と鳴かずに、人の言葉を話すことが出来れば今から戻ってクロードに尋ねることが出来るのに……。


 仕方がない……諦めて、何でもいいからペンダント探しに専念しよう。私は思いきり空気を吸い込むと、再び水の中に潜った。



 う〜ん……中々見つからないなぁ……。


 何回目かの息継ぎのペンダント捜索。ひょとして魚に飲まれてしまったのではないだろうか……?


 けれど、そんな恐ろしい考えは首をブンブン振ってすぐに何処かへ追いやった。

 何を考えているの私! 魚にもし飲まれてしまったとすると……巨大魚? が潜んでいるということじゃないの!


 一瞬、自分が魚に飲まれる場面を想像し……ブルリと身体が震えてしまう。

 だ、大丈夫! 無事にペンダントを見つけだし、クロードから感謝をされて私はただの蛙から絶対にレベルアップしてやるんだから!


 闘志を新たに? 私は再びペンダント探しに集中した――



 どれくらい探し続けていただろうか……。ふと眼前にキラリと光る何かを発見した。


 あ! あれはもしや……!


 蛙泳ぎ?で急いで向かうと、水底にチェーンのついた銀色に光り輝くペンダントを発見した。


 これよこれ! 絶対に間違いない!


喜び勇んで、チェーンを口に加えてペンダントを拾い上げると一目散で私は水面を目指した。


 早くこれを届けて、うんと褒めてもらおう! いい加減、蛙の姿でいるのも飽きてきた頃だ。何より私は人間なのだから!


 その時――


 背後で何やらゾッとする気配を感じた私は振り返って仰天した。

 何と、巨大魚? が大きな口を開けて私に急接近してきているのだ。


 いや〜っ!! た、食べられるっ!!


 蛙の姿のまま、魚に丸呑みされるなんて冗談じゃない! 私は必死で泳ぎ続ける。そして背後に迫る巨大な魚。


 そしてついに水面が見えて来た。


「ケロッ! ケロケロケロッ!」


(えいっ! 蛙ジャンプッ!)


 私は水の中から跳躍しながら飛び出し……大口を開けた巨大魚もほぼ同時に水面から顔を上げるも私には届かない。


 ドッパーン!!


 まるでスローモーション動画のごとく、虚しく? 水中に落下していく巨大魚。

 そしてそのまま私は空中を飛び続け……。


 ベちゃんと音を立てて石畳の上に落下した。そしてカチャーンと響く金属の音。



「ケロケロケロ……」


(イタタタた……)


 かなり危険な目に遭ったけれども、ペンダントは無事回収できた。


 よし、偉いぞ私。


 その時――


「おーい! 白蛙さん!」


クロードと庭師さんがこちらに向かって駆け寄ってきた――



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