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18. 三人での勉強会(前編)

「今日はこのくらいにしよう」


もう大体の計画は立てることが出来た。

次回ぐらいで終わりかな。


「えっと次回は」

「試験あるから流石にやめたほうがいいんじゃないかな」

「しけん?」

「なんでそんな鳩が豆鉄砲食ったような顔してるのよ」


佐々木さんからの指摘でようやく思い出す。

まずいまずいまずい、試験なんて全く頭になかった。

そういえば夏休み前なんだから有って当然だ。


「もしかして哲也って頭悪い?」

「せめてもう少しオブラートに包んでもらえると」

「高木君は顔だけじゃなく頭も劣っているねー」

「これは暴言と言っていいのでは?」

「哲也くんの頭がお花畑なのね」

「もう分かってるから追い打ちはやめて」


大木さん以外から盛大に突っ込まれる。

ただなんか話の輪に入れた感じがして嬉しい。


「みんな成績いいの?」

「当たり前でしょ」

「人並みには」


たしかにやり直し前の記憶でも、

山本さんと佐々木さんは成績良かった気がする。

斎藤さんの返事がないのはまあそういうことなんだろう。


「きちんと勉強しなきゃ駄目よ」

「はい……」

「希望お母さんに教えてもらえばー?」

「ちょっと友里恵、誰がお母さんよ」

「希望ちゃん人に勉強教えるの得意だからちょうどいいよね」

「だからお母さんじゃないって」

「いやいや、迷惑になるよ」


そりゃ一緒に勉強できるなら嬉しい。

でもさすがに俺と二人きりで勉強会なんてしてくれないだろう。


「あ、二人きりと思ってる? 私も一緒だから安心だよ」

「友里恵は勉強教えてもらいたいだけでしょ」

「バレたか」


便乗だったみたいだけど、

山本さんに教えてもらえるなら全然構わない。


「私が教えてあげてもいいんだけどな」

「あたしが先に聞かれたのよ?」

「やりたくない人に教えてもらうよりやりたい人に教えてもらうほうがいいよね」

「やりたくないなんて言ってない!!」

「哲也くんは山本お母さんと佐々木お姉さんのどっちに教えてもらいたいの?」

「あたしよね!?」


(どっからお姉さんとか出てきたんだよ!?)

そう突っ込みたくなる衝動に駆られる。

しかも教えてもらわないという選択肢もないし。

(……でももしかしてからかわれているんじゃなくて本当に教えてもらえるんだろうか)

それなら相手は決まっている。


「今回は山本さんにお願いしたいです」

「当然よね」

「なんで敬語なの?」

「教えて貰う立場なのに選ぶなんて恐れ多くて……」


その言葉で佐々木さんも気分を良くしたみたいだ。

山本さんが満足げに頷いているし、

とりあえず選択は失敗していないだろう。


「なら週末にあたしの家に来て」


こうして初めて山本さんの家に行くことになった。


・・・


今俺は山本さんの家の前に立っている。

一応普通の格好で来たけど大丈夫だろうか。

制服のほうが良かったかもしれない。

でももう来てしまったし……。

しばらく悩んだ後、意を決してチャイムを鳴らす。


「はーい、あ、哲也、いらっしゃい」


玄関のドアが開いて山本さんが出てきた。

薄手の上着キャミ?にミニスカートと、

普段のイメージとまったく違う開放的な格好だった。

迎えてくれた時の声も普段と違ってちょっと甘い感じ。


「どうしたの? 部屋は二階だからね」


(何かいいことあったのかな?)

まあ教えてもらうのだから機嫌が良いに越したことはない。

とりあえず山本さんの後ろについていく。

目的地は二階なので階段を登るんだけど……。

(けっこう急な階段だな)

昔の家によくある段差が大きい階段だ。

(子どものころは登るのに苦労するんだよな)


見上げると山本さんのスカートの中が丸見えだった。

(見ちゃ駄目だ、見ちゃ駄目だ)

振り向かれたら一瞬でバレる。

もしスカートの中覗いてたなんてバレたら軽蔑される。


なんとか上を見ないようにして階段を登り目的地についた。


「あ、高木君遅いよー」

「友里恵が早く来すぎたんでしょ」

「そうだっけ?」


既に斎藤さんが部屋にいた。

薄い水色のワンピースで胸元が大きく開いている。

(すごい……)

普段から大きいとは思っていたけど、

私服だとさらに際立つ。

(この胸を押し付けられたんだよな)

あの時背中に感じた感触は今でも覚えている。


「哲也は友里恵の隣に行って」

「わかった」


斎藤さんの隣に並ぶ。

肩が当たるぐらいの距離なのでちょっと緊張する。


「じゃあ始めるね、哲也は何が苦手なの?」

「社会と数学が……」

「私は数学と国語」

「友里恵は知ってるわよ」

「忘れてるかと思って」

「いつも教えてるでしょ」


楽しそうに会話する二人。いつも勉強教えてるのか。

面倒見いいんだな。


「二人まとめて出来る数学からするからね」

「お願いします」

「はーい」


・・・


「ああ、そこはね」


机を挟んで向かいに座って教えてくれるのはいいけど、

なぜそんなに顔を近づけてくるんだろうか。

前かがみになってるから視線を落とすと胸が見える。


「こうなるわけよ、わかった?」

「もう一度……」

「もう、ちゃんと聞きなさいよ」


そんなこと言われても気が散るのは仕方ないと思う。

普段ならかろうじてブラが見える程度なのに、

今はブラが丸見えでブラの隙間から肌色が見えている。

(も、もう少しで先端が)

しっかり教えてもらっているのに、

そういう邪な考えは捨てないと。


「ちょっと休憩しよっか」

「そうだねー」

「わかった」

「あ、哲也の紅茶なくなってるしついでに何かとってくるね」


そう言って部屋を出ていった。

(ふう、一息つこう)

改めて部屋を見渡す。

(ここが山本さんの部屋……)

全体的に可愛らしい部屋で、

意外とぬいぐるみが多い。

(猫のぬいぐるみが多いのは猫が好きなんだろうな)

漫画とかもちょっとだけ置いてるけど知らない作品だった。

(もし漫画が好きなら話のきっかけになるんだけど)


「希望ちゃんの部屋そんなに興味あるんだ」

「え、あ、いや、女の子の部屋って初めてだから……」

「ふーん」


キョロキョロと辺りを見渡してたのが不審に見えたのだろう。


「希望ちゃん、普段あんな格好しないんだよ」

「え、そうなの?」

「ミニスカートなんて初めて見たし胸元もぱっくり開いてるし」


てっきり普段からああいう格好なんだと思ってた。

すごく似合ってるし。


「高木くんは希望ちゃんのおっぱい凝視してるし」

「み、見てないよ」

「ブラのサイズあってないから乳首見えたんじゃない?」


見えたと言っても見えてないと言っても駄目だ。

下手に返答したら痴漢とか変態とか言われてしまう。

そもそもなんでこんな話になってるんだ!?


「高木君が来るからあーんなエッチな格好したんだよ」


えっ、つまりそれって……。

そう言いながら斎藤さんの手が股間に伸びてきた。


「斎藤さん、やめて」

「ん? 本当にやめてほしいの? 建前だよね?」

「本気だよ」

「下半身はそういってないけど」


そういって斎藤さんがあれを指ではじいた。

顔は笑ってるけど目は笑っていない。


「脱がすから腰上げて」

「やめて」

「もし言うこと聞かないなら高木くんに襲われたって言うよ」


そういって斎藤さんがワンピースを上半身までめくり上げた。

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