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17. 二度目の体験(後編)

俺の下半身あたりに覆いかぶさって俺のズボンを下ろした。


・・・


「ありがとう、すごく気持ちよかった」


精一杯の感謝を伝える。

少しでもたくさんこの想いが伝わるように。

それを聞いて大木さんは微笑んでくれた。


「してもらえてものすごく嬉しかったけど口止めって話じゃ」

「わたしの気が向いたから」


なんてことない顔をしてそう答える大木さん。

「気が向いたから」という理由はなにより嬉しい。

してくれる気になってくれたということだから。


「携帯の番号教えて」

「い、いいよ」

「部室に来てほしい時は連絡するから。通話料かかるから着信だけね」


初めて女子と電話番号交換してしまった。

(来てほしい時って、もしかしてまたしてもらえる?)

口に出して聞くことは出来ない。

もし違ったら大木さんが嫌な気分になるだろう。

(部室に呼んでもらえるだけでも幸運に違いない)


・・・


名前呼びの件は次の日さらに大問題になった。


「高木の裁判を始める」

「被告人を前に」

「異議あり!! 無実だ」

「それを明らかにするのが裁判だ」

「両手両足固めてやることかよ!?」

「逃走防止だな」

「高木は佐々木から名前呼びされるだけでなく名前で呼ぶことも許された、検察としては死刑を求刑する」

「いつ検察になったんだよ!?」

「弁護人としては、半殺しが妥当と考える」

「弁護しろよ!!」

「死刑を行ったら佐々木からの印象が悪くなるのでは?」

「それはたしかに……」

「もっと考えることがあるだろ!?」

「下手すれば介護フラグが立つ可能性も」

「許せんな」

「万死に値する」

「だからやめろって話だろ!?」

「そういえばなんで山本も名前呼びしてるんだ?」

「知らん」

「僕も知らない」

「二人が張り合ったからだよ……」


事情を説明し二人が張りあった結果として何とか許してもらった。

(ひどい目にあった)

島村さんが楽しそうに見ていたのが唯一の救いだったな。


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