極東支部トーンギルドにおける、冒険者パーティについて。
主力その一、ジスタパーティ。
前衛盾役でリーダーの、ジスタ。
スキルは『片手剣士』で使用武器は長剣とアームシールド。
盾で弾いて剣で捌くを基本として、多少の防御魔法も使えるので戦闘継続能力に
戦況を自身を含めて客観視するのが得意で、マルチタスク気味に思考と行動を分けることが出来る。
引き際や攻め際を見極めるのも上手い。勝ちの流れを知っている。
酒を飲むと泣く。
デコが広い、昔からと言うが昔より絶対広がっている。
前衛火力の、ミラルドン。
スキルは『侍』で使用武器は刀。
魔法の才はからっきしだが、剣の腕はトーンのギルドでも随一で鉄をも斬り裂く。
身のこなしも素早く軽快で腕力もあり、まさに前衛火力。
寝坊が多い。
猫舌。
後衛サポート
スキルは『魔法速射』で魔法使い。
魔法の才があり、元々はサウシスの魔法学校で優秀な成績を誇り騎士団の魔法指南役を勤めていたこともある。
前衛二枚で火力ゴリ押しの印象を受けるがテラの後衛サポートによって成立していることも多い。
頑固。
何故かけん玉が異常に上手い。
総評。
前衛後衛と非常にバランスが良く、勝機には力押しで敗北の匂いがした時には
主力その二、シードッグパーティ。
前衛火力でリーダーの、シードッグ。
スキルは『重戦士』で使用武器は両手持ちの大剣。
元軍人で連携を何より重視し、情報共有を徹底して依頼ごとに攻略に対する作戦をしっかりと立てる。大剣での攻撃も鋭く、リーチもあり突破力が高い。
大剣に魔法を纏わせ身体強化と併せて『山割り』はトーンにおける最大級の火力を誇った。
指揮力指導力ともに若手であるアカカゲやキャミィに連携を仕込むのにベテラン勢の中では適任である。
めちゃくちゃ大食い。
辛党。
前衛回避盾役兼サポートの、アカカゲ。
スキルは『忍者』で使用武器は短刀や暗器類など。
公国内にある隠れ里に暮らす暗殺者一族の末裔で、躰道という武道や一族に伝わる身体操作や暗殺術を
しかし感情の起伏に乏しく閉鎖的な環境で育ってきたせいかコミュニケーションに難があり連携が取りずらく、死生観などの価値観もやや特殊で自身の生命に執着がなさすぎるというか無頓智過ぎた。
さらに卓越した対人戦の技量を持つが、それが故に魔物相手に人間の急所を狙ってしまったり駆け引きを迫ってしまう癖があったが。
シードッグとキャミィによって修正し、しっかりと連携もできるようになり魔物戦にも対応出来るようになった。
辛いものが苦手。
隠れ巨乳好き。
後衛回復役の、キャミィ。
スキルは『復元』で使用武器は徒手空拳。
当ギルドが誇る凄腕美人ヒーラーで、アイドルのような存在だが本人はまるで気にも留めていない。
無茶というか己の命に無頓着なアカカゲを毎日回復してヒーラーとしての技量が上がり、さらに狙われやすい後衛回復役でも最低限自身を守れるように武器を持たない一番弱い状態で戦える徒手空拳での戦い方を学んだ。
アカカゲから習った躰道ベースの運足で立ち回り、打撃は身体操作と運足から生まれる推進力や抗力などを束ねて放ち、自身と同じくらいのサイズの魔物であれば単独で討伐するに至った。
さっぱりした性格だが世話焼き。
戦い以外なんも出来ないアカカゲの世話を焼くのが趣味。
総評。
若手二人が一人前になったとこでかなり強力な連携を発揮するに至った。アカカゲが撹乱しシードッグが蹴散らし負傷しても
おまけ。
ジスタ、ミラルドン、テラ、シードッグ、アカカゲはみんなキャミィが大好きである。
実際キャミィは多分公国内でも指折りの美女だし、さっぱりとした性格でかなり好感が持てるのはわかるが。
同年代のアカカゲはともかく二十歳そこそこの小娘に、とんだ助平オヤジ共だ……と思っていたがどうにもそういうわけでもないらしい。
元々シードッグがジスタのパーティにいたが若手育成の為にパーティを分けた。故にこの二つのパーティは行動を共に取ることが多い。
ベテラン勢でしっかりと比較的若手であるアカカゲとキャミィを育てている。
どちらも当ギルドが誇る、主力パーティである。
中堅その一、バリィパーティ。
後衛サポートでリーダーの、バリィ。
スキルは『狙撃』で使用武器はやたら硬い
分析と攻略の天才であり、戦況に応じた対策などを考えるのに非常に長けている。
魔法使いとしての才能はお世辞にもあるとは言えないが、偽無詠唱や魔法の発動溜めを
魔力量が少なく大出力の魔法は使えないが、これ以上無いタイミングでの魔法援護や設置型の魔法罠を使いこなす。
後衛が狙われても最低限自分の身を守れるように合気ベースの
後衛から戦況を見渡して魔物のパターンを分析して、的確な指示出しで確実に討伐する。
リコーとは恋仲であり、ブラキスを弟のように可愛がっている。
めっちゃくちゃ巨乳好き。
前衛盾役の、リコー。
スキルは『重戦士』で使用武器は大盾と短剣。
防御に特化した純粋な盾役で、盾を使ったいわゆるパリィでの崩しや押しに対するいなしや耐久力は当ギルドで一番。
体力もあって腰も強い、機動力や近接火力は乏しいが下がらないし抜けさせずに引き付け続ける。
戦闘継続持久力には、三日三晩戦い続けると豪語するほど自信を持っている。
バリィとは恋仲であり、ブラキスを弟のように可愛がっておりよく肩を揉ませている。
めちゃくちゃ巨乳。
前衛火力の、ブラキス。
スキルは『潜在解放』で使用武器は大斧。
近接火力に特化した純粋な前衛火力で、特注の馬鹿なサイズの大斧を超絶腕力で振り抜いて一撃で相手を消し飛ばす。
単純な腕力や近接火力は当ギルドで一番。
身体も大きく凄まじい筋量を誇る大男だが、まだまだ当ギルド最年少組で若く精神的に未熟な部分も多く特に単独での戦闘に対する恐怖への向き合い方に難がある。
だが、仲間をしっかりと信頼と尊敬することで連携の中ではしっかりと役割に
スキルの補正もなく己の肉体と身体操作から生まれる過剰な威力の一撃をもってすれば瑣末な問題である。
ギルドの冒険者全員から可愛がられている。
好き嫌いせずに何でも食べる。
総評。
最強の盾で捌き、最強の矛を蹴散らすというシンプルな戦術を、複雑な戦況を分析し最強の頭脳で通す。各々の役割が明確化していてパーティ内でお互いを信頼しあっていて呼吸単位で連携を合わせる。
魔物討伐においては文句のつけ所のない、パーティ。
中堅その二、ブライパーティ。
前衛盾役兼火力でリーダーの、ブライ。
スキルは『双剣士』で使用武器は双剣。
対人戦では最強格の実力を持つ、だが暗殺思考のアカカゲとは違い武術的思考に長けている。
自身に流れる力の流れと相手の流れ、さらに状況という流れそのものに身を預けて途切れたところを斬り込む。
戦闘状況に適応する能力が凄まじく高い。仲間に一番やりやすいようにやらせて生まれた流れに身を投じて戦闘時のストレスを一手に引き受けることで連携を成立させる。
しかし、そんな優秀さをかき消すほどの癇癪持ちで怒りやすく物事の解決に暴力を用いらずには居られないヤバいやつ。
セツナとメリッサが抑止力として働いてはいてだいぶ丸くなったし、若手のメリッサにもしっかり身体操作や武術思考を教えてはいるが、それでも問題行動の多さの方が勝つ。
動きが
魚は皮も頭も食う。
後衛火力兼サポートの、セツナ。
スキルは『魔力操作』で使用武器は自作魔動兵器。
サウシスの魔法学校出身で魔道具や魔動装置に明るく、魔法の才にも長けていてスキル補正も合わせて単純な魔法使いとしての技量はテラにも
しかし育ちが良いせいなのか、やや戦闘面においての
ところが、ブライの影響なのか元々の性分なのか、しっかりと戦闘面での精神的な成長をして立派な後衛火力となった。
自作の魔道具や魔動兵器を用いて攻撃魔法だけでなく多種多様な遠距離攻撃を使う。
まあ、私情を挟まず客観的に見ても新人の頃から最も精神的な成長をしたのは彼女だ。
箸の使い方が綺麗。
朝に弱い。
前衛回避盾兼サポートの、メリッサ。
スキルは『盗賊』で使用武器は大きめのナイフ。
トーンの町の悪ガキで、もっと子供の頃からギルドに捕縛依頼がくるほどの悪童だった。
今はその逃げ足を回避盾として有効利用し、敵陣に突っ込んで挑発して回避で撹乱したり、相手の武器を盗み取ったり。今や見事な冒険者だ。
ブライを反面教師にしたのか、少しは大人になったのか癇癪はだいぶ治まり丸くなった。
あとはもっといっぱい食べてすくすくと大きくなってほしい。
魚が苦手。
でも町が好き。
総評。
全員が臨機応変に役割を変えて、様々な状況に対応することに長けたパーティ。
駆け引きが重要な対人戦を主軸に戦い、かなりの結果を残している。
対人戦では当ギルドで一番といえるが、それ以外の依頼にはあまり積極的ではない。
おまけ。
元々バリィ、リコー、ブライ、セツナの四人はほぼ同期で新人時代は四人で組んでいたが、ある程度の練度になったところで新人としてブラキスとメリッサが入り、育成も
魔物討伐専門と対人戦専門と別れて、どちらもギルドを支える重要なパーティである。
ライト帝国軍第三騎兵団、山岳攻略部隊について。
ここのところ忙しくてノートを取れていなかったが、そろそろまとめ直そうと思う。
山岳攻略部隊は強力な魔物がひしめく山脈を越えるに至った屈強な部隊である。
帝国軍は騎兵団と海兵団と空挺団に別れており、各方面の侵攻を担っている。
第三騎兵団は西方担当であり、山脈の先にあるセブン公国へ侵攻を行う為の先陣として山脈のルート開拓と山脈を超えた先に帝国領にすることを目的とした部隊である。
騎兵団の特長として馬身強化や人馬一体といった馬を用いた戦術を基礎とする強化魔法をほぼ全員が扱える。
隊長の、ガクラ。
スキルは『観察』で使用武器は槍。
屈強な山岳攻略部隊を纏めあげるほどの人望と、指揮力がある。
馬で山脈を越えるという馬鹿げたことを可能にするほど馬の扱いに長けている山岳攻略部隊の中でも馬の扱いに
鑑定魔法と身体強化、馬身強化と人馬一体の魔法を得意として個人の技量としてもかなりのもの。
馬上からでも届く槍を使い、馬の重さを使って威力も凄まじい。
酒が弱い。
米が好き。
副隊長の、ジャンポール。
スキルは『知覚強化』で使用武器は長剣。
一言でいうなら、天才。
もしトーンギルドに冒険者として居たのなら間違いなくエースだったくらいには剣の腕も、魔法の腕も、策略的な思考力も、一番ではないが全部がトップクラスに高い。
努力も
だが、それ故にやや自信過剰で慢心しやすい。
定期的に心を折ってやらないと、ただの天才止まりになる。
教えた疑似加速をあっという間に習得し、基礎的な身体操作についても徹底して使いこなしつつある。
でも意外とマヌケな性格。
その癖にかっこつけたがる。
その他の隊員たちに関しても、技量や連携、役割に関する理解度は申し分ない。
彼らに帝国軍の強さ、いやライト帝国という大陸一の大国の強さの一端を見たと思う。
総評。
第三騎兵団の中でも精鋭揃いの山岳攻略部隊だが、もし他の帝国軍人たちもこの練度ならば確かに帝国はどんどん侵攻をしていつか大陸統一を実現するだろう。
非の打ち所のない、屈強な部隊である。
恐らくセブン公国でこの練度の部隊を作り上げるのは、困難だと思われる。
おまけ。
ガクラもジャンポール君も気のいい奴らで、他の隊員も良い奴ばかりだ。
少し僕の持っている基礎の知識や鍛錬方法や策略や魔法を伝えておけば、十分トーンの町を任せることは出来ると判断した。
人道的な対応もして貰えるということなので、彼らが来てくれて本当に助かった。
町は安全になった。
だからそろそろ、僕は動こう。
待っていても仕方がない。