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第30話 日曜デート(?)開始

「やあやあ、モテ男さん。土曜日、日曜日と連続で女とデートだなんて、暇なしだな」


「………………」


 欅宮さんとのデートを終えた翌日。日曜日。


 昨日の夜、茶谷さんが送ってきたチャットには、確かに『昼の十二時集合だ』と書かれていた。


 ところで、現在の時刻を見てみよう。


 13:14


「……あの、ちょっとさすがに遅れすぎでは?」


「む、なんだ? デートだというのに、いきなり女が来てお説教開始か? モテないぞ、そんなことしてたら」


「どの口が言うんですかそれ……。それに、いいですよモテなくても……。俺、十一時の五十分くらいにはもう着いてたのに……」


 げんなりしながら言うと、茶谷さんもなぜかげんなりして、


「十分前か……。はぁ。やっぱりダメだな、君は。女とのデートならば、普通十五分前集合だろう? やれやれだ」


「ほんと、どの口が言うんですかねそのセリフ! ったく! 俺もう帰ろうかと思ってましたからね!」


 そうやって言う俺を見て、茶谷さんはまた「はぁ」とため息をつく。


 で、やれやれのポーズ。


 俺、今日この人と何するためにここにいるんだっけ。


 呆れすぎて、今日の目的すらも忘れてしまう始末。


 まあ、もう会えたからいいけどさ……。はぁ……。こっちがため息つきたいよ。


「じゃあ、とりあえず合流もできましたし、話し声が漏れないところにでも行きますか?」


「えぇぇ……? 変態、会っていきなりヤるタイプか? さすがは変態だなぁ……」


「やるって会話をやるんですからね? 勘違いしないでくださいよ? 間違っても『や』の文字をカタカナにしないでくださいね?」


「変態に付き合う世の女たちは大変だ。私はもう膝をつきそうになってるぞ……」


「だから、訳わかんない苦労しないでいいですから。ほら、行きますよカラオケハウス。あそこなら声漏れないし、会話してても誰かに聞かれることないですし」


「お、犯す気か……?」


「犯さねーよ! だから何でそうなるんだよ!」


 つい、タメ口になってしまう俺だった。


 初っ端だってのに、ドッと疲れが出てくる。


 俺、今日一日この人の相手できるんだろうか。


 不安で仕方なかった。


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