「っていうか、このゲーム、本当にこういう遊び方なの?」
納得がいかない雅也が言った。
「そうよ~。カード自体は占いに使うものらしいんだけど、みんなどうせ興味ないでしょ? 占いなんて」
「……興味……あるよ」
涼音がつぶやく。
「え、そうなの? やってみる?」
「……うん」
「じゃあ見てみるね。一番簡単な方法はどれかな?」
その場で説明書を広げて読む真奈美。
「意外と簡単ね。『現在』『過去』『未来』の順にカードを並べて連想すればいいみたい。涼音、何を占いたいの?」
「……えっと……じゃあ……かすみんの……運命」
「わかった。じゃあ、かすみんのことを思い浮かべながらカードを全部裏返して、円を描くように混ぜて」
真奈美が22枚のカードを目の前に置くと、涼音は手でカードを混ぜ始めた。
「自分がいいと思うところでカードを集めて、三枚選んで目の前に並べてね。カードはまだ開かないで」
涼音はささっとカードを集めると、言われた通りに三枚並べる。
「じゃあ、左から開いていくわよ。最初はかすみんの『過去』ね」
涼音がカードをめくると「月」の絵柄があらわれた。
「ん? このカード、どういう意味だ? 18って数字もあるが」
良助が聞いてくる。
「えーっとね……『
「どう考えても良い意味じゃねーよな?」
「あ、あんまりよくわからないわね。次いってみようか。かすみんの『現在』」
涼音が開くと「塔」のカードだった。
「16? これはどういう意味だ?」
今度は玲が聞いてきた。
「えーっと、『災厄、最悪、崩壊、望まざるもの』だって……」
「……次……開けて……いいかな?」
涼音が言った。
「そ、そうね」
涼音が開くと、天使がラッパを吹く「審判」のカードだった。数字は20。
「さっきからやけに抽象的だな、結局どうなるんだ?」
「『判決、判断、最終的な結末、努力が報われる』だってさ」
「だから結局、どうなんだよ? お前にセンスがないだけか?」
「うるさいわね! ちょっと待ってよ考えてるんだから!」
良助にせかされ、真奈美がカードの意味をつなげようとするが、うまくつながらない。
すると、それまで黙っていた雅也が突然思いついたように手を挙げた。
「わかった! これはつまり、暗号なんだよ。それぞれのカードの数字がポイントなんだ。18、16、20」
「いや、まったくわからんが? もう少しわかりやすく説明してくれ」
玲の言葉に雅也は少し考えて、口に出す。
「現在っていうのは、崩れた塔。つまり、今日起きた地震のことだ」
「なんでそうなるのよ! かすみんの占いじゃなかったの?」
「だからカードは霞さんを取り巻く『環境』を意味しているんだ。いずれにしても、現在置かれたこの状況から、今後の霞さんの行動が世界を大きく変えることになる、というのが将来のカード『審判』の意味」
「それ、占いっていうか? もう少し具体的にならねーのか?」
「じゃあ『月』はなんなのよ?」
良助と真奈美に聞かれても雅也は余裕の表情で続ける。
「
「何に?」
雅也に聞いた真奈美の胸を、涼音が触りながら言う。
「……こんなに……成長……するなんて」
「いやいや、そんなことじゃなくてさ、むしろ地震発生の予見と地学会の機能停止に驚愕したんじゃないの?」
涼音の手を払いのけながら真奈美が言った。
「さーな。だが18、16、20ってのはなんだ?」
元々あまり興味がなかった良助が数字を指さした。
「それはズバリ、霞さんの好きなタイプの年齢だよ」
「なにっ! 年上好きなのか?」
「ってそれ暗号でもなんでもねーじゃねーか! だいたいカードの数字って0から21しかねーだろ! 玲も