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第168話 不自然なほど自然

なんでもできる気がして

なんでもできる顔をした


なんだかわからないけど

うまくいく

なんだかわからなくても

いいかんじ


このテイタラクを

フッて吹き飛ばしたら

約束の時刻


たぶん


あのあたり

きみが乗ってる

あんな服

きみが降りれば

目があうまで

ほんの一秒もかからない


たぶん


なんでもないような表情

とりつくろった表示用

最初の ひとこと

電光掲示板がパタパタする

階段に吸い込まれる人波


のこる二人

目があうまで

なんにもできない


なんだかわからなくて

なんでもわかる


なにもできないんじゃないか

と急降下する瞬間

とりつくろうひまもなく

無防備なのは

おれのほうか


計算されてないような

計算されつくした仕草


不自然なほど自然に

ひきよせあう?

磁石じゃあるまいし

強制的な武装解除で

なるようにしかならない

あの計画は?

あの綿密なエスコート

って空想


無防備まさかの照れ隠し笑い

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