「いってみたいところ、あるんだけど?」
前にも聞いたことのあるセリフ
たいてい未知なる世界への扉
うっかり付き合うと
恥ずかしい思いをすることになる
「どこ」
いちおう
なにげないひとことが
どうしてそうなるという暴挙に変わられてしまっては
もともこもない
ただでさえ『反応が薄い』と非難されるてるし
すこしでも『感情的?』な声で…
と思うけれど
なかなか正解わからなかった
なかなか答えない
あれ?
深追いするのはやめておこう
こんなときの沈黙が好きなので
おれは心地良く黙り続ける
ふと隣を見れば
キレイに
魚が束ねている髪
ひがのびた
まだ夕暮れを味わえる
で
どこいきたいって
気になる
そういえば
おれにつきあわせてしまっているのなら
ちょっと いつも いまいち かもな
と
だからといって
遠くとかは
で
どこ?
結局
そのまま彼女は黙ったままで
おれも質問しないままで
じゃあね
彼女の家の門が木造から鉄骨っぽく変わってた
塗りたてだろうか
と
手で
「もう乾いてるから大丈夫だよ」
と言われて
「ぉぅ」
とやけに自分が小声で
結局それを
その夜つけたラジオ
いろいろ聴いたけれど
あのときの彼女の話
結局ずっと気になってる